|
カテゴリ:宇宙関連
1989年12月6日、ニュージーランドで「オースチン彗星」が発見されました。
この彗星の軌道が計算されると、「大彗星になるのではないか」と予報されたのです。 理由は、以下の通りでした。 1 絶対等級が2等から3等である 2 4月に太陽に0.35天文単位まで接近する 3 5月に地球に接近する 注 絶対等級・・・太陽、地球、彗星の3つの天体の間の距離がすべて同じと仮定したときの明るさ。11年前の「ヘ―ル・ボップ彗星」は、これが明るかったので大彗星になりました。 オースチン彗星は、1990年になって急速に光度を増し、「14年ぶりの大彗星か」とまで予報されました。 2月には日本でも彗星の姿が観測されていたのです。 ところが、ちょうど地球軌道を横切る頃から、彗星に異変が発生しました。 普通の彗星よりも、光度が上昇する度合いが鈍くなっていったのです。 それでも人々は、「もしかしたらバーストで明るくなる」と期待していました。 4月9日に近日点を通過して、4月下旬に東の空に現れた彗星。 そのとき彗星は、予報より5等も暗かったといいます。 オースチン彗星は光度上昇が鈍い上に、近日点通過後急速に暗くなるタイプの彗星だったからです。 地球に接近したときでさえ、肉眼で見るのは難しい状態でした。 そのままオースチン彗星は太陽系のかなたに去っていきました。 人々は「大嘘チン彗星」と呼んで、期待外れを揶揄したのです。(ちなみに前の項で取り上げた「コホーテク彗星」も、「誤報テク彗星」と呼ばれていました) ちなみに私は、この彗星が近づいたとき小学校5年生でした。 図書の先生が、彗星の載った新聞の切抜きを私にくれたことがあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.02.25 18:51:52
[宇宙関連] カテゴリの最新記事
|