天使が家にやってきた

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天使が家にやってきた

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ひいちゃんの名前は光。
今(2005年)8歳の男の子です。

家族はお父さんとお母さん、11歳のお姉ちゃんと6歳の妹、それにおばあちゃんの合計6人家族です。
ひいちゃんはとっても可愛い赤ちゃんでした。笑顔が素敵で「ニコニコひいちゃん」と呼ばれていました。
言葉がちょっと遅いかなと思ったりしていましたが、男の子だしそのうちしゃべるようになるだろうと思っていました。でも、子育ての先輩であるおばあちゃんは何かちょっとおかしいかな?と思うようになりました。

そこで「ひいちゃんの様子をしばらくの間記録してみよう。何か分かるかもしれない」と思い、小さなノートに記録し始めました。
その記録を持って市の保健所が月に1度開いている『発達クリニック』という所へ行きました。
そのノートを丁寧にチェックしていたお医者さんが、
「多動性障害だと思います」と言われました。
「えっ 障害ですか?だってあんなに笑顔のいい子なんですよ」
「そうでしょう?天使のようでしょう。それが特徴のひとつなんですよ」
と気の毒そうに言われました。
「どうすればいいんですか?」というおばあちゃんに、「愛して愛して愛し抜く事」と言われました。
「とにかく1度、その子と両親を連れてきなさい」と言われておばあちゃんはそれでも気丈なふりをして御礼を言って帰りました。

その夜、おばあちゃんはお父さんとお母さんにこれまでの事と、今日のお医者さんの言葉を伝えました。
お父さんとお母さんの驚きはどんなだったでしょう。でも話し合っていく内に心も落ち着いてお医者さんが言われたように「愛して愛して愛し抜く事」を決める事が出来ました。

その日のばあちゃんの日記は『天使が家にやってきた』・・・でした。
ひいちゃん 2歳と9ヶ月の事でした。

みどりライン


おばあちゃんがひいちゃんのことをどこかおかしいんじゃあないかなと思って記録をしたその記録の内容をここに記します。
お医者さんがそれを見てチェックを入れられた所には★マークを入れておきます。

6/13
*ブロックを積んでいて一人で想像遊びをしていたが私に話しかけてきた。・・・が、何を言っているのか分からなかった。
ひいちゃんは同じ言葉を2~3回言ったがやっぱり私には分からない言葉だったので、あきらめたのか又一人遊びに戻った。目はしっかりと合わせている。★

*おやつを見つけて「おっとたえたーい」(もっとたべたーい) それを食べて「おかわいー」(おかわりー)。

*夜寝る前、お母さんに甘えて、「ひいあかちゃん」と言った。赤ちゃんになりたいらしい(赤ちゃんの妹がいます)。

6/14 風邪ひき  熱あり
*「こうして・・・△◎×Z○・・・」???と言いながら枕をなおして寝た。★

*大好きなビデオを見て一緒に踊る。

*「ほらーいてー(見てー)ほらーいてー」と私の顔をのぞき込む。

*ずーっと前は私のことを「バアバ」と言って「バアバだあいちゅ(大好き)と抱きついていたのに最近全然「バアバ」と言わなくなったので言葉を忘れたかと心配していたが、突然今日「オバアチャン」と言った。

6/15 かぜ
*大好きな仮面ライダーのカードが引き出しから出てきたので私が「これなに?」と聞いたら「これなに」と言った。2,3回「これなに?」と聞いたら
「カイアイアー(仮面ライダー)イチゴー(1号)」と言った。★

*シルバニア・ファミリーの人形で一人遊び。「アー、オイシカッタ」「ドーチヨウカナー」「オヤシュイナシャイ」
何語か分からない言葉の中に時々意味の分かる言葉が入る。★

6/17 二日続けて鼻血がでた。
*走って外に出た。「出ちゃあだめ!」と言うのにどんどん走って行った。つかまえて「一緒に歩こう」と言ったのにどうしても走る。★

6/18
*ニコニコ笑いながら人に石を投げつけたり、突き飛ばしたりする。本人は遊んでいるつもりなのか。★

*話しかけてくるのだが、何を言っているのか分からない。聞き返すとやはり同じ言葉を言っている。でも私には分からない。★

6/20
*普通の会話のつもりでビデオのセリフを言う。「へおんきごう」「ごしぇんふ」「低いドレミファショ」。話しかけられた人は????。家族なら慣れているけど・・・・★

6/22
*お父さんがラーメンを食べていたら。「おっとおっと(もっともっと)たえ(べ)たーい」と言った。僕も欲しいという意志表示だ。光はいつも「うんうん、うんうん」で済ませていたから言葉に出しての意志表示は貴重。

6/23
☆ここまでの記録を持っておばあちゃんは発達クリニックに行きました。「今度は本人とご両親のどちらかを来させて下さい」と言われた。

これからも少しづつ文章を綴っていきます。


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