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先日、武蔵村山市にオープンした都内最大のショッピングセンター、ダイヤモンドシティミューへ行って来た。 このショッピングセンターは以前触れた。 東京ショッピングモール(<と勝手に名付けた) 立川駅から多摩モノレールで上北台へ。 そこから歩いてすぐと思っていたのが甘かった。 (ちなみに玉川上水駅からシャトルバスが一時間に3本出ている) 30分ぐらい歩いてようやく入り口に立つ。 見ると、空港じゃないかと思えるほど広大な建物と敷地が聳え立つ。 ショッピングモールと思っていたから野外に小さな店が乱立する光景を思い浮かべていたが、イオンのSC戦略は屋内型のようで、どかーんとどでかい建物が一個あって、その広大な建物の中に、高級店が立ち並んでいる。 中に入ると、天井も高いし通路も広い。 パステルカラーが基調のいかにもイオン系の色彩に、専門店の濃厚なカラーがあちこちから飛び出している。 メインストリートは壮大な吹き抜けになっていて、三階層に渡って流れる人が見える。 大賑わいというのも、商売っ気というのも全くそぐわない。 このあたりがイトーヨーカドー系とイオン系の大きな違いなのだろうが、混雑とまでは行かないアミューズメントパークを歩いている気分。正直にいうとこれが本当に心地よかった。 間口が狭く、奥行きが深く、アンモナイトの殻のように奥に広がっていく店舗構成は、予想が付かない広がりを感じて心地よい。 メインストリートから微妙に横道が出ていて、その先に行ってみたくなるが、複雑すぎてはいない。 ビレッジバンガードちっくな店まであって、本当に街を歩いている気分になる。 適度にカフェが配置してあって、歩きつかれたらすぐに休める。 一応念のため言っておくと服を探しに行ったのだが、わたしは、三階の端っこのほうにあったジャスコの薄型テレビの展示を見ながら、おーソニー製とシャープ製じゃあ、シャープ製の方がきれーだなーぁ、松下の50インチはさすがにすごい、たしかに動画がぶれないなあ、などといっている。 その脇で、小さな女の子がびっくりしたような顔をして、 「パパー、大きなテレビだよぉ!」 と言っている。 (お父さんは大変だ(笑)) 脇では50代ぐらいのおじさんがじっと松下の50インチを吟味している。 とても心地いい。 なぜだろう。 東京ショッピングセンター(注:本名はダイヤモンドシティミュー)には、食事所も抜かりがない。 一階が名店街、二階がフードコート形式(この言葉で分かるだろうか? わかんなかったら調べてください)になっている。1階は二十数店舗、2階は十数店舗が軒を連ねる。この入っているお店が微妙に面白い。 わたしは讃岐うどんのお店で食べたのだが、その脇を小さな子がうれしそうな顔をしてペッパーランチのお皿を運んでいく。よく見ると、大変繁盛しているようだ。ペッパーランチなんてオヤジの食べ物だと思っていた。笑顔を浮かべて、ぱちぱちと油を跳ね上げる肉をうれしそうに見つめる。 うどん(念のために言っておくと旨かった)を食べ終わって、立ち上がり、食器を片付けようと歩くと、いかにもプロっぽいおねーさんが(マーケ屋臭のする人ですね)、にこにこしながら、子供たちが満足げに走り回っているのを見つめている。 わたしはそのおねーさんを見て、イオンの戦略が根底まですべて見抜けた。 まあ、もちろん見抜けたからといって、何か得するわけでもないし、うまく伝えられないにしてもイオンは伝えようとするだろうから秘密でもなんでもないのだが。 わたしは子供のころ、近所の大きな総合スーパーで散々に遊んだ。 団地から、林っぽくなっている所を抜けて、それからスーパーのいろいろなところを歩くというか駆ける。それがキン肉マンの消しゴムだったり、新しい玩具だったり、ゲームセンターだったり、フリープレイできるようになっているファミコンだったりするのだが、それでもどれほどその空間を楽しんだだろうと思えるほど、わたしは走り回った。 お金なんかないから、全く不良なお客である(笑)。 それでも、子供が楽しい空間には、親は安心していけるのだ。 喫煙室にいると、迷子のお知らせが懇切丁寧に流れているのが良く分かる。 イオンは親子連れがターゲットだと言う。 わたしは思う。 イオンの狙いは、安心して子供を連れて行ける空間の創造だと。 そのための人工的な繁華街の創造が目的だと。 よく考えると、全く競合がなさ過ぎてびっくりする。 町田も、南大沢も、子供を配慮しているが、子供の経験までに配慮は払っていない。 イオンはむしろ子供の経験を主役にして、細かな配慮を尽くしているように見える。 アイスクリーム屋が繁盛していて、30分待ちなんて看板が掛かっている。 突然のように、店員たちが、ハイホー、ハイホーと合唱を始める。 これは楽しい。 繁盛するはずだ。 そんな光景をゆっくりとした歩調で眺めながら、結局何も買わなかったなと思いながら、帰路に着く。うどんだけだった。520円也。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 19, 2006 07:21:40 AM
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