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Always むらーのさん

Always むらーのさん

第三話 終わりなき入札

第三話:終わりなき入札

牙をむいたハゲタカに、エリートバンカー・芝野が描いた逆転のシナリオは見事に鷲津を出し抜くことに成功。大河内瑞枝社長を解任し、息子の大河内伸彰を社長につけ、さらに民事再生法によるスポンサー探しをすることになる。スポンサーは三葉銀行の息のかかったファンド「アイアンオックス」で手を打つことですべては三葉主導での再生がシナリオだった。

出し抜かれた鷲津は、対抗策としてサンデートイズへのスポンサー参入を記者会見で表明する。
席上、記者たちは鷲津のやり方に対し、厳しい質問を浴びせる。由香の上司である野中も、キツイ質問を浴びせた。

野中:「外資ファンドにする企業買収が金銭目的に過ぎる、との指摘がありますが?」
鷲津:(その方向をきっと睨んで)「あなた、お名前は?」
野中:「東洋TVの野中です」
鷲津:「では、野中さんにお尋ねします。お金を稼ぐことがいけない事でしょうか?日本は資本主義社会でしょう?そこに何か問題があるんですか?」
野中:小声で由香に(すげえな、こいつ、本音できたよ)

鷲津は、さらに社長を解任され、都内のホテルに身を隠していた瑞江の元へ。社宅として使っていた豪華な自宅を追われ、それでも、派手な暮らしをやめられない瑞江だが、鷲津は彼女にもう一度社長に戻る気はないか、と提案する。

民事再生のスポンサーは、前社長の瑞江を担いだホライズンと息子の伸彰を立てたアイアンオックスの入札による一騎打ちとなる。入札額は、サンデートイズをどれくらいの企業として再生するかで決まる。果たして、ホライズンとアイアンオックスが弾いた入札金額の上限は、190億。

アイアンオックスのバックにつく三葉はメガバンクへの合併統合を控え、絶対負けられない入札だった。入札は、サドンデス方式、20分以内に相手の入札額を超える金額を提示できなければ相手が価値となる。

由香は、鷲津がプライベートで飲みに行くところを追う。それまで、由香のことを認識せず一切かかわりを避けていた鷲津。しかし、ようやく由香は鷲津が由香を三島製作所の社長の娘であることをわかっていた事を知る。由香が自殺した三島の娘であることを知っていた上で無視をしていたのだ。
由香は自殺直前、三島が「鷲津君は悪くない。悪いのは貸し渋りを命じた銀行なんだ」と言っていたことを鷲津に告げる。しかし、鷲津はそれをくだらない昔話だ、と一蹴する。由香は最後に「父の信頼、裏切らないで下さいね」」と話す。

由香は、西野治のもとを訪れる。治は、父親が死んだ後、西乃屋を飛び出し、一人で生きていた。治バイトをしながらは会社を興すためにお金を貯めていると告げる。

一方、瑞江はアイアンオックスの再建案をみたあと、鷲津に1つの情報を手渡す。それは、息子であり現社長である伸彰と三葉から出向している役員とが架空取引で会社の金を横領している証拠だった。

鷲津は、その情報を由香にリークする。三葉と伸彰ら一部役員がグルになって甘い汁を吸っていた内容に目を見張る由香。由香は裏付けが必要だと鷲津に告げるが、それは自分でとってください、と鷲津。どういうつもりか、私を利用するのか?と迫る由香。鷲津は「君は銀行を憎んでいるのだろう?それを公表するかしないかは君次第だ」と言って立ち去った。

由香は、芝野に真偽を確認する。芝野は、そのことを専務の飯島に確認する。あっさり、飯島は認める。なぜ、事前に知らせてくれなかったのか、と詰め寄る芝野に飯島は「見抜けなかったおまえが悪いんだろ?」と言い放つ。そして、その情報を握りつぶすよう命令する。

理不尽な銀行の仕打ちに、動揺しながらも芝野は結局由香に、その情報はガセであることを告げる。証拠は明らかに事実であると思われるのに、それを銀行という組織を守ろうとする芝野の態度に、由香は「あなたたちはなにをしているですか?」と叫ぶ。芝野はそれには答えずその場を立ち去るのだった。



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