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2007年06月12日
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上海や大連といえば、自分の特許関連事業ではメッカという事になっている。

行ってみれば予想外に大都会だ。上海なんて怪しげな貧民窟の寄せ集めだ
というイメージでいたが、現地につけば東京以上のスケールのデカイ箱ば
かりが延々と並んでいる。摩天楼といえばいえるが、数年前ではみな空箱
のような気がして仕方がない時もあった。ところが最近は、あの中でうな
りをあげて仕事をする人が埋まってきているらしい。




shanghai-pudong-at-night.jpg



そんな街を駆け足でなんどか通過した程度の自分が言うのもおこがまし
いが、街中で看板をみかけるのが水がらみのもの。ぶさいくな樹脂性の
大きなペットボトルを購入して毎日お茶を飲まされるのだけれど中国の
物価感覚ではそれほど安いものだという印象はしなかった。

いま中国の都市部ではいっせいにスローガンで「水是生命之源」。よう
するに水がどうなっているのかを神経質なほどに気遣いしているのがわ
かる。どにぶい中国人が、この件では異様に焦っているのだ。大連市で
夏に堂々と約1週間、丸一日断水したらしい。せっかく儲けて全自動
洗濯機を購入してももう一度手洗いに逆戻りして洗濯しなければなら
ない。野菜を洗った後の水でトイレを流す。これじゃあ潜水艦の中と
大差ないではないか。

日本人は、むかしから水を無駄遣いする癖がついている。その日本人で
すら最近は水をお金で買う習慣が身についてしまった。とはいえ、使え
る水は世界的にみても恵まれている。ところが中国では、ざっと割り算
すればどうも国民一人あたりでも年間2200立米ぐらいの水利用がなされて
いて中国国内のダム貯水量や河川流量、地下水を合計した「水資源量」は、
1人あたり年2200立方米。365で割ると、一日6立方米だから下手に
ウォシュレットトイレにはいって全自動洗濯機をまわし夏にプールにはいって
朝シャンでシャワーを使うという感覚ではない。事実、世界平均の約4分の1だ。


特に長江流域以北の地域ではざっと以南の5分の1となるらしい。なん
と一日で1立方メーターの水で我慢せねばならないというイメージだ。
トイレに入る日と洗濯する日と、風呂にはいる日を分けても厳しい。(笑)


まあ、あれだけ何億人も金儲けに狂奔し始めて国土をぐちゃぐちゃに苛め
ていれば気候変動もおきるし、降雨量も減る。都市部の工業化と人口増加
による取水量は当然増大するのは火を見るよりあきらかだ。黄河では上流
や支流で水が干上がってきた。さすがにあちらの政府も焦っていて、揚子
江の水を資源として北の黄河にルートをつけて流そうという大プロジェク
トを考えているらしい。南の水を北へリリースするという事で「南水北調」
というらしい。しかし、大事業だな。シールド工法つかうの?
水路の総延長は3000キロ。総事業費はざっと中国の年間予算の3分の
1ぐらいで日本円換算で約8兆円は消し飛んでしまうらしい。彼らはカッコ
よく「水の万里の長城」だと豪語しているそうだ。トンネル掘りならば日本
のゼネコンの資材とノウハウはきっと役に立つのだろ。 標高4000メート
ル地帯にある黄河と長江の源流域を結ぶなんて無茶なルートがあるらしい。
富士山ほどの高度に直径10メートル、長さでは131キロのトンネルを
掘り進める。日本の大手ゼネコンが揉み手して日参しているのじゃないか、
と頭によぎる。

揚子江につくっているダムも無茶だな。

あの三国志でお馴染みの三峡。湖北省三斗坪だったかで、巨大なコンクリー
ト建造物が出現してきだしたそうだ。 高さ185メートルで眼がくらむ。
長さでは、1983メートルのダム。貯水池の全長は約600キロ。新幹線
で走ってもJR東海と東日本ぐらいの距離はある。こんなものにカネをつぎ
こまねばならないのはパワーがあるといえばいえるが、シャルドネから言わ
せればようするに「水不足」なのだ。



ChinaC006.jpg



建前は、発電と洪水防止という事になっている。(発電能力年間846億
キロワット時)移住予定者は113万人。既に40万人程度は移住したとか。
北は水不足で、南は洪水ときたもんだ。現代中国の荒稼ぎは、なんと水がら
みで流れてゆく。

だが、冷静に考えた方がいい。巨大なダムが完成すると、夏は気温が下がり、
冬は上がる。そうすると自分も体験したけれど中国は猛烈な濃霧が発生しや
すい。江蘇省の流域では一年中曇天でスモッグだらけ。空がみえないという
のが実感だった。蘇州も、無錫も、上海もガスの多いときは前がみえないぐ
らいで、そこにスモッグが追い討ちしている。加えてこのダムだ。都市部で自
動車が走れないという日が激増するだろう。無錫大観音像は雨ざらしにおわ
しますが、錆び錆びで赤茶気た涙を流しておられるのだが、ごぞんじ酸性雨
だ。これはさらに拡大の一途というものだろうね。

中国は今電力供給を無理して増やすよりは本来ならば節電するべきだろう。
事実、節電もなされている。しかし、掛け声とは裏腹に経済の急速な発展。
2002年、中国の工業は12.6%の成長を示し、鉄鋼業の電力使用量は20%も
増加しました。皮肉なものだね。経済的な発展が中国の自然環境をおそらく
修復できないぐらいに劇的ビフォーアフターすることになるだろう。個人の
居宅でも、テレビ、洗濯機、冷蔵庫だけの時代は1家庭1KW程度でことたり
ていたものがエアコン、パソコン、AV機器など様々な家電類の増加で3
KWを突破をしてしまった。北京ではここ3年、住民の電力消費は平均20.6%
増加しています。
1997年、当時の電力過剰状況からエネルギ-不足は一応緩和されたと判断、
新規建設ペ-スをダウンさせ、電力消費の伸びに対する発電機の増加は2000年
からマイナスに転じ、2002年にはマイナス6.5%。

なんと舵取りを失敗しているじゃないか。



※2004年2月16日のアーカイブス


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本日の日記は、再録でダイジェストです。
通して読まれる方は、こちらへ。








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最終更新日  2007年06月12日 21時30分41秒
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