カテゴリ:お山に雨が降りまして
吉行淳之介の元愛人である大塚英子が、往時の吉行を語っている本がある。
「暗室」の中の吉行淳之介というのがそれ。 本のタイトルが、それだ。 読んでいて思うのは、時代の先取りということもあるが現在につづく男と女の生活の月並みなほどご恒例の確執で埋め尽くされている。とにかく閉塞感が湧いてくる。金銭的には自由度の高かったはずの吉行だが、愛人の眼から描写されているものを追うかぎりさほど伸びやかに暮らしているとはおもえず、むしろ反対極の重苦しいものが見え隠れする。 すでに40年以前に、こんなに閉塞感があったのかとなにか新しいものを発見したような気分になる。 さて、われわれの時代のほうだが確実にエロ・グロ・ナンセンスのリバイバルという感がある。閉塞感も封殺に近い体感がある。どこもそこも良く似たものだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月24日 06時00分08秒
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