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世界同時株安だそうである。
だからどうだというのだ。 俺は株をやっていないので、直接的には何も起こらない。 経済活動の胴体はあくまでも実物経済であり、金融ビジネスは 実物と貨幣交換の中から生まれた余剰貨幣の振るまいに基礎を置いており、 まあそれがどんなにふくらもうが尻尾のようなものだ。 この尻尾が、胴体を振り回しているの(@水野和夫)が、当今の経済状況である。 俺は世界経済については、 ほとんど何ら特別な情報を持ち合わせていない。 情報水位差というものを利用して、何か利益を得ようといったことを 考える、すばしこくもまめな人々もいるようだが、 俺は、ほとんど興味がない。 めんどうなことに、時間を使いたくないのである。 それでも、商売柄、証券会社のひとや、先物を扱っている営業マンが 俺のところに電話をかけてくる。 「わたしを信じて、お金を預けてくださいよ。」 「だから、株は俺はやらないからさ。 あした、三倍になると分かっていても買わないからさ。 金くれるってんなら、勿論もらうけど。 でも、株で儲けようとは思っていないし、 そんな才覚もないからさ。 だいいち、上がった下がったといって 数字を見ているなんてこと 面倒くさくてできないよ。」 「みすみす、儲かるとわかっている機会を捨てちゃうんですか」 ここだね。 買わないと何か損をしたような気にさせるというのが、 金融商品を売るテクニックなのである。 で、金融に関しては、 このところはまっている中野翠さんの 「私のオキテでは、人びとの生活の根本や生産の現場からあまりにも 遊離した世界で金儲けをする人間は尊敬しない―ということになっているのだ。」 の発言に俺は有り金を賭けてもいいと思っているのである。 どっちも博打だというのなら、 俺は翠さんのオキテに張りたいのである。 配当は、笑顔。 この度の世界同時株安の 直接の原因は、世界中にばら撒かれた 証券化されたサブプライムローンの債権が決済不能になったことだろうが、 それはただ直接の引き金というだけで、 本当の原因は、この巻の行過ぎた金融商品そのものに対する 信用の崩壊ということになるのだろう。 すこしだけ、着物の下の鎧が見えたっていうか、 このシステムの土台の不在が明らかになったというか。 いっとき、プレイナウ、ペイレイターという言葉が流行した。 俺は、素晴らしい発想だと思ったものである。 これは、典型的な遊び人の破れかぶれの発想だと。 宵越しの金をもたねぇ。 あすぶために生まれたんだ。 しかし、それは高い利息を回収して儲けようとする金融サイドの レトリックだと分かったときに、 嫌な渡世になったものだと思ったのである。 「プレイナウ、ペイレイター、 (あとで、優しく追い込んじゃうからね)」 うまい話には、必ず裏があると思ったほうがよい。 やはり、いつもニコニコ現金払いが、 将来を憂えないための鉄則である。 この鉄則を、世界的な規模で、 プレイナウ、ペイレーターにしてしまったのが、 金融ビジネスというものの当今の姿なのである。 そもそも、サブプライムなんていうまやかしの横文字からして あやしい。くさい。 要するに、貧乏人に無理やりご馳走をちらつかせて、 「はい、お金。住んじゃった方が勝ちですよ。 お金?あとで、返せばいいからね」というのが 今回のサブプライムローンというものだろう。 まあ、サラ金と同じ手口である。 もともと、貧乏人だから、返せるわけがないのである。 ただ、これには結構複雑精緻にできたからくりがあって、 それが、破綻の先延ばしというやつである。 破綻は先に延ばされたわけで、消滅したわけではない。 最後にババを誰に引かせるかというのが、 金融のプロの世界なのかもしれない。 この度のサブプライム問題の背後には、担保である不動産は永遠に右肩上がりで 値上がりするから、たとえ決済不能になったとしても 不動産の転売で、担保できるという夢のような物語があった。 この物語を考えたようなすばしこい人たちが、 金融の世界にはうようよしているということである。 おそらくは、サブプライムローンだけに限らない無数の 同様の金融商品が溢れているはずである。 それらは、いずれも、破綻をどれだけ先に延ばせるかというところに 工夫がある。 無理やりのローン→決済不能に対しては不動産の値上がりで担保→ 貸付側は、さらにそれらを証券化してファンドなどに転売してリスクを分散→ ファンドはハイリスクハイリターン商品を購入→損失に対しては 保険会社の担保保証保険・・・・ とどこまでも最終的な付けをたらいまわしにしてゆく。 こんなことを、あれこれ考えてやたらと複雑なシステムを 考えている人々がいるのである。 偉いものである。 たいした努力である。 かなわない。 だけど、尊敬はしないというのが、 こっちのオキテである。 頭がわるいからね。 めんどくさがりやだからね。 いつもニコニコしていたいので、現金払いと 行こうじゃないの。 ただ、口惜しいのは、その現金が俺にないってことなのである。
Last updated
January 23, 2008 20:51:15
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