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カテゴリ:医学関連
過活動膀胱に抗コリン薬を処方する場合の注意に関しての記事です。
本当にご法度?「緑内障患者に抗コリン薬」 意外に多い投与可能例、まずは眼科医に相談を 関連ジャンル:
「緑内障でも問題なく抗コリン薬が使えるケースが多い」と話す名古屋第一赤十字病院の加藤久美子氏 急に抑えられないような強い尿意を感じ、頻尿や失禁に苦しめられる「過活動膀胱」。 きちんと診断できれば、抗コリン薬で症状がコントロールできQOLも劇的に向上するが、「過活動膀胱で抗コリン薬が奏効するはずの症例なのに、きちんと使われていないケースが少なくない」と名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)女性泌尿器科部長の加藤久美子氏は指摘する。 名古屋第一赤十字病院に通院している過活動膀胱患者を加藤氏が調べたところ、2003年6月から2005年8月に通院していた367人の過活動膀胱患者のうち、36人(9.8%)が緑内障を合併していたという。 事実、同氏が、東海排尿障害研究会に属する泌尿器科医417人(回答155人)にアンケートを行ったところ、緑内障であれば抗コリン薬の投与を行わない、と答えた医師が全体の34%を占めていた。 確かに閉塞隅角緑内障では、隅角の閉塞により眼内からの房水の流出が滞り、眼圧が上昇する。この状態で抗コリン作用のある薬剤を使用すれば、散瞳により隅角がさらに閉塞し、眼圧上昇が亢進する危険がある。 しかし、隅角の閉塞がない開放隅角緑内障や、閉塞隅角緑内障でも既にレーザー虹彩切開術などの手術を受けている患者では、抗コリン薬の投与で隅角が閉塞しても眼圧上昇が起こるリスクはないため、禁忌ではないのだ。
図1 緑内障合併患者でも、眼科医に病型を確認すれば、抗コリン薬の投与が可能なケースも(加藤氏による) しかも、禁忌になる「未治療の閉塞隅角緑内障患者」は、意外に少ないようだ。 前述の加藤氏が行った患者調査では、36人の緑内障合併患者のうち、27人は開放隅角緑内障であり、閉塞隅角緑内障だった9人も、うち6人は手術を済ませていたという。 実際に、症例1のようなケースにも遭遇したという加藤氏は、「緑内障が判明した時点で、抗コリン薬の使用をすぐにあきらめてしまうのではなく、眼科医へも相談してほしい」とアドバイスする。 なお、緑内障と聞くと、その病型を考慮せずに一律に抗コリン薬の使用を避ける傾向が強いのは、「抗コリン薬の添付文書の記載も一因ではないか」と加藤氏は指摘する。 抗コリン作用のある薬剤の添付文書では、閉塞・開放の区別なく、緑内障の患者すべてが禁忌の対象となっているのだ。「海外の添付文書の多くは、未治療の閉塞隅角緑内障に禁忌だときちんと記載している」(加藤氏)。 日本でも、昨年発売された過活動膀胱治療薬など、新しい薬剤では、添付文書の禁忌欄の記載を「閉塞隅角緑内障の患者」といった表現に改める動きもあるが、古くからある薬剤では変更されていないのが現状のようだ。
コメント : 医療従事者向きの日経メディカルの記事ですが、自分自身の勉強のため記録を残しておきます。 前にもブログに記録していますが、神経因性膀胱のうち過活動膀胱の患者さんは神経内科では比較的多くみられます。 そのような患者さんで、抗コリン薬を処方する患者さんは時々ありますが念頭においておく必要があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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