1708337 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

神経内科医の徒然診療日記・コロナの時代

神経内科医の徒然診療日記・コロナの時代

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

takamatsu0224

takamatsu0224

Freepage List

May 15, 2007
XML
カテゴリ:医学関連

 過活動膀胱に抗コリン薬を処方する場合の注意に関しての記事です。

 

本当にご法度?「緑内障患者に抗コリン薬」

意外に多い投与可能例、まずは眼科医に相談を

関連ジャンル:

副作用 | 緑内障 | 排尿障害 | 医薬品

 


「緑内障でも問題なく抗コリン薬が使えるケースが多い」と話す名古屋第一赤十字病院の加藤久美子氏

 急に抑えられないような強い尿意を感じ、頻尿や失禁に苦しめられる「過活動膀胱」。

きちんと診断できれば、抗コリン薬で症状がコントロールできQOLも劇的に向上するが、「過活動膀胱で抗コリン薬が奏効するはずの症例なのに、きちんと使われていないケースが少なくない」と名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)女性泌尿器科部長の加藤久美子氏は指摘する。

 その代表例が、緑内障を合併した患者だ。40歳以上の日本人では、緑内障の有病率は5.8% 1)で、過活動膀胱患者は12.4% 2)。どちらも加齢に伴って患者数が増える疾患であり、合併例は少なくない。

名古屋第一赤十字病院に通院している過活動膀胱患者を加藤氏が調べたところ、2003年6月から2005年8月に通院していた367人の過活動膀胱患者のうち、36人(9.8%)が緑内障を合併していたという。

 こうした緑内障を合併した過活動膀胱患者に遭遇した際、「『緑内障なら抗コリン薬は禁忌』という考えで抗コリン薬を控えてしまう医師が少なくない」と加藤氏は話す。

事実、同氏が、東海排尿障害研究会に属する泌尿器科医417人(回答155人)にアンケートを行ったところ、緑内障であれば抗コリン薬の投与を行わない、と答えた医師が全体の34%を占めていた。

 しかし現実には、すべての緑内障患者に抗コリン薬が使えないわけではない。緑内障は、隅角の閉塞がない「開放隅角緑内障」と、虹彩根部によって閉塞している「閉塞隅角緑内障」の2種類があるが、抗コリン薬が禁忌なのは、未治療の閉塞隅角緑内障のみ。

確かに閉塞隅角緑内障では、隅角の閉塞により眼内からの房水の流出が滞り、眼圧が上昇する。この状態で抗コリン作用のある薬剤を使用すれば、散瞳により隅角がさらに閉塞し、眼圧上昇が亢進する危険がある。

しかし、隅角の閉塞がない開放隅角緑内障や、閉塞隅角緑内障でも既にレーザー虹彩切開術などの手術を受けている患者では、抗コリン薬の投与で隅角が閉塞しても眼圧上昇が起こるリスクはないため、禁忌ではないのだ。

 

図1 緑内障合併患者でも、眼科医に病型を確認すれば、抗コリン薬の投与が可能なケースも(加藤氏による)

 しかも、禁忌になる「未治療の閉塞隅角緑内障患者」は、意外に少ないようだ。

前述の加藤氏が行った患者調査では、36人の緑内障合併患者のうち、27人は開放隅角緑内障であり、閉塞隅角緑内障だった9人も、うち6人は手術を済ませていたという。

 患者の緑内障が、閉塞か、開放か、閉塞だとしても手術をしているか否かは、眼科医に対診するのが一番確実だ(図1)。

実際に、症例1のようなケースにも遭遇したという加藤氏は、「緑内障が判明した時点で、抗コリン薬の使用をすぐにあきらめてしまうのではなく、眼科医へも相談してほしい」とアドバイスする。

 なお、緑内障と聞くと、その病型を考慮せずに一律に抗コリン薬の使用を避ける傾向が強いのは、「抗コリン薬の添付文書の記載も一因ではないか」と加藤氏は指摘する。

抗コリン作用のある薬剤の添付文書では、閉塞・開放の区別なく、緑内障の患者すべてが禁忌の対象となっているのだ。「海外の添付文書の多くは、未治療の閉塞隅角緑内障に禁忌だときちんと記載している」(加藤氏)。

日本でも、昨年発売された過活動膀胱治療薬など、新しい薬剤では、添付文書の禁忌欄の記載を「閉塞隅角緑内障の患者」といった表現に改める動きもあるが、古くからある薬剤では変更されていないのが現状のようだ。

1)日本緑内障学会 多治見緑内障疫学調査(2002)
2)日本排尿機能学会誌. 2003;14:266-277.

末田 聡美=日経メディカル

 

コメント : 医療従事者向きの日経メディカルの記事ですが、自分自身の勉強のため記録を残しておきます。

前にもブログに記録していますが、神経因性膀胱のうち過活動膀胱の患者さんは神経内科では比較的多くみられます。

そのような患者さんで、抗コリン薬を処方する患者さんは時々ありますが念頭においておく必要があります。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 15, 2007 03:26:14 PM
コメント(2) | コメントを書く


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

中国セイシカ 。。。 New! 悠々愛々さん

人や花等色々なもの… 楽天星no1さん

■ 楽天家しんのすけ… しんちゃんだぎゃさん
そして人生はつづく… ドルジェさん
健康増進 病気予防… 抗加齢実践家てるさん

Comments

DUGAとも@ Re:頸性めまいその2(頸部自律神経系)(06/24) 私もこの目眩かもしれません!効果的なス…
takamatsu0224@ Re[1]:ギラン・バレーとジカ、やはり関連(03/08) 大黒町さん >色々新しい病気が出てきて不…
大黒町@ Re:ギラン・バレーとジカ、やはり関連(03/08) 色々新しい病気が出てきて不安になります…
大黒町@ Re:睡眠不足でたまる脳内物質が記憶力減退の正体だった。(01/25) これは役に立ちますね。 引用させてくださ…
楽天星no1@ シナモン入りマスクにインフル予防と治療効果期待 ワクチンの予防効果は無きに等しいと感じ…

© Rakuten Group, Inc.