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カテゴリ:医学関連
[ パーキンソン病とうつ病の関係 ]
パーキンソン病の患者さんの場合、ドパミン神経終末の脱落に呼応して線条体のドパミンが低下していることがその運動症状の原因です。パーキンソン病では、この他にもセロトニンやノルアドレナリンという別の神経伝達物質も低下していると言われています。 うつ病の原因には、このセロトニンやノルアドレナリンの異常が関連していること示唆されていますので、パーキンソン病の患者さんがうつ病になりやすいことは充分考えられます。脳内でのドパミンの低下自体も抑うつ状態の原因となっているのではないかとも考えられています。
もうひとつの理由は、パーキンソン病自体による動きの少なさや表情の乏しさなどが、うつ病によるものと見分けがつかないこともあるからです。パーキンソン病の運動症状がパーキンソン病の治療薬によって充分に改善しているのに、患者さんが満足できないような状況にあるときには、うつ病の合併が疑われます。
ただし、ドパミンアゴニストは吐き気を起こすことがレボドパ製剤よりも多いので、少量から飲み始めて1~2週ごとに段階的に服用量を増やしたほうが飲みやすいのです。このため、パーキンソン病の運動症状が良くなったなあ、と実感できる投与量になるまでにどうしても1ヶ月くらいかかってしまいます。 ドパミンアゴニストによる治療により、抑うつという気分の障害自体を改善した例もあり、また、パーキンソン病でドパミンにかかわる神経細胞が減っていってしまうのを予防するものもあるのではないか、と期待されています。 このように長い目で見るとドパミンアゴニストを主剤として治療を開始するメリットがありそうなことはお分かりいただけるでしょう。とはいっても、中には一刻も早く仕事に復帰したい、という切羽詰った状況の患者さんもいらっしゃるでしょう。その場合には、レボドパ製剤で治療を開始したほうが良いでしょう。ドパミンアゴニストも併用しながら、レボドパ製剤の投与量を後で減らしていく方法もあるのです。
近年開発され、うつ病の患者さんに広く使わているSSRIやSNRIとよばれる脳内のセロトニンやノルアドレナリンを高める薬は、従来からの抗うつ薬や抗不安薬とともに必要に応じて使い分けたり、併用したりします。
その内容な上記とは少し異なりますが、大まかには類似しているので記憶のため引用しておきました。 少し異なるのは、パーキンソン病のうつ状態には積極的にSSRIを使用した方が改善がよいという話でした。パーキンソン病の運動機能の改善にもその方がよかったというデータかと思います。 残念だったのはせっかくの機会に出席された先生が少なかったことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 6, 2007 06:08:02 PM
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