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カテゴリ:医学関連
顔や体に突然、帯状の水ぶくれができる「帯状疱疹」。子どものころに感染した水ぼうそうのウイルスが、加齢などで体の抵抗力が落ちると再び暴れ出すために起きる。
神経が傷つき、人によって激しい痛みの後遺症が残ることで知られているが、中には痛みではなく、かゆみが続く場合もある。 東京都の男性(75)は、4年半前に突然、右の耳たぶからあごにかけて赤いぶつぶつができた。都内の病院の皮膚科を受診したところ、帯状疱疹と診断された。 入院してウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の点滴を受け、1週間後に退院。皮膚のぶつぶつはきれいに消えたが、その場所が、かゆくなり始めた。 寝る前や、外出して冷たい風に当たると、突然かゆくなる。しばらくたつと治まるが、かゆみは強く、いったん、かゆくなり始めると、そればかりが気になった。 帯状疱疹の治療を受けた皮膚科で処方されたステロイドの塗り薬を使ったが、治まらない。「かゆみがまったく取れません」と相談すると、東京大病院(東京都文京区)麻酔科・痛みセンター外来医長の関山裕詩さんを紹介された。 関山さんによると、帯状疱疹にかかっても8割の患者は抗ウイルス薬などの治療で治るが、2割は神経障害の後遺症を抱える。多くは痛みだが、うち1割弱の人は、かゆみがつらくて受診している。「痛みとかゆみを両方感じて『痛がゆい』という人もいます」と話す。 治療は、鎮痛薬を飲んだり、帯状疱疹のあった場所に弱いレーザーをあてたりする。もともとは痛みを抑える方法だが、かゆみが治まる人もいる。これに加え、同センターで独自に開発したのが「クロニジンクリーム」だ。 クロニジンは血圧を下げる薬や鎮痛薬として古くから使われている飲み薬で、ストレスや緊張で活発になる交感神経の働きを抑える作用がある。この成分をクリーム状の塗り薬にしたところ、かゆみに効くことがわかった。 男性は、クロニジンクリームを塗ると、頑固なかゆみがすっと治まった。今でもいつも携帯し、かゆみを感じたらすぐに塗る。「かゆみで悩むことはなくなり、精神的にも落ち着きました」と話す。 関山さんは「個人差はあるが、治療の組み合わせで、ほとんどの帯状疱疹後のかゆみは日常生活に支障のないところまで改善できると思う」と話す。 (2010年1月22日 読売新聞)
コメント: 帯状疱疹後神経痛は、かなりしつこい神経痛で知られています。帯状疱疹は、皮膚科の治療で治ったけど、神経痛が治らないため、よく神経内科に紹介されます。 神経痛に効果がある、てんかん治療薬のカルバマゼピン(テグレトール)などを使用したり、抗うつ剤を追加したりと治療がやっかいです。 疼痛と痒みは、関連ある症状なのですが、交感神経遮断作用のある薬剤のクロニジンをクリームにして塗布したら、症状が和らぐそうです。
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Last updated
Jan 23, 2010 10:16:00 AM
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