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カテゴリ:医学関連
全身の筋肉が萎縮する難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の患者団体・日本ALS協会富山県支部が、「ひとりじゃないから~ALS患者・家族の体験談集~」を発刊した。同県支部設立5周年を迎えた今年10月に合わせて作った。
ALS患者は病気の特性から、話したり字を書いたりすることが難しく意思の伝達が困難だ。体験談を記した患者は筋力の低下で話すことが難しくなっていても時間をかけて自分の声で語ったり、文字盤で言葉をつづったりしたという。体験談集には家族への感謝の言葉や、新たな治療法を望む声が掲載されている。
ALSの診断を受けて1年未満の50代患者は「自分自身どうしたらいいか判(わか)らなかった。『死にたい』と思った。もう『自分には明日はいらない』とも思った」と記す。しかし、多くの人が見舞ってくれる中で「これからも少しずつ症状は進んでいくと思いますが、多くの人たちとの出合いを楽しみに『今を精一杯生きよう』と思います」と締めくくっている。
50代の男性患者の妻は、思うように食事をとれない夫のために、飲み込みやすいように工夫した料理の写真を紹介。周囲への感謝を記し「最初は夫の世話は皆自分でしなければと気負っていましたが、それは絶対に無理な事。今は無理をせず、我慢をせず、頑張らず、助けてくださる方、手を貸してくださる方があれば喜んで助けてもらっています」と心境の変化をつづっている。
体験談集には、同県内のALS患者とその家族33人と、石川県など県外の3患者、計36人の体験談が掲載されている。日本ALS協会富山県支部によると、ALSの患者は全国に約8700人おり、同県内には99人いるという。体験談集は55ページ、800円。問い合わせは富山市上冨居の同事務局(076・451・5998)。
【金沢ひかり】
11/17日、朝日新聞より
コメント: ALSは神経難病の中でも本人、家族、医療者も一番つらい疾患です。私自身も何人かの患者さんに関わってきましたが、悪化していくのを傍観していながら、何もできないはがゆさを感じてきました。 医学が進歩した現在も、治療法がないので、リハビリと介護が主となる病気です。 しかし、暗闇から明かりが見えたのは、山中教授のiPS細胞の臨床応用です。 それを期待しながら、少しでも今を精一杯生きてくださるようにと祈っています。
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