出産のこと
いつか書こう書こうと思いながら7ヶ月も経ってしまった。女は出産の苦しみを過ぎてしまうと忘れてしまうと言う。それは本当です。多分半分は忘れてしまった。丸二日以上かかった出産。もしかしたら安産ではなかったかもしれない。でも、またもう一人産みなさいと言われたら。YES!と答えられえる自分がいる。それが出産なんだな~。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~11/13予定日を5日過ぎた。ただお腹が風船のように大きな私がいた。このまま一生 お腹が巨大なままなんじゃないかと途方にくれる。体重はプラス12キロ。里帰りして一ヶ月の間に4キロも太ったのは計算外。毎日散歩してるのに、やはり家事をしなくていいというのはこんなに違うものか。病院としては41週の間に安全に産ませたいとのこと11/18まで自然に産まれなかったら入院して陣痛誘発投薬して産むことを薦められる。自然に産みたいと思う気持ちは強いままなのに。11/15朝起きてトイレにいくと おしるしが!うわーこれがおしるしか!母親に報告。みんな浮き足だつ。病院に行ってみたが、お腹は全然張っておらず子宮口1.5センチ。まだまだだね。。。帰宅して様子見ましょうといわれ、肩透かしにあう。11/16いとこ夫婦が遊びに来る。なんとなくお腹が張るかんじ。(生理1日目の強いかんじ)今度会うときは産まれてるね~!と言われるがそんな日はくるのか?とまだ実感湧かず。ところが夜21時ごろから、ぎゅーと強い痛みがやってくる(強い生理痛なかんじ)まだまだ15~20分間隔。お布団を重ねてそこに覆い被さるようにしてしのぎながら眠る。11/17日が昇ると陣痛が遠のく。なかなか10分間隔のリズムにならない。夕方になると10分を切りはじめて来た。もういいだろうと病院に電話する。『すでに予定日を9日過ぎているし18日から入院予定だから来ちゃってください!』シャワーも浴びれた。まだまだ普通に車も乗れちゃうし、たまに襲う陣痛も強い生理痛並。こんなんで産まれるのかなあと半信半疑。どうやら微弱陣痛らしい。私が産まれるときも母親は微弱陣痛だった。そんなのも遺伝するのか?強い陣痛がつかないと子宮口も開かない。その日はお産がヒマらしくLDRが空いていた。そこで夜を越すことになった。バランスボールやら揺れる椅子やらいろいろ揃っていたが私はベッドに横になり陣痛の間母親に腰をさすってもらう。夜旦那が東京より駆けつけ、母親とバトンタッチ。11/18朝になった。強くはないが陣痛は10分おきぐらいにやってくる。出産は体力勝負なのに睡眠は殆ど取れていない。入院する予定の日になった。この日までに産まれなかったらお薬の力を借りようと先生に言われていた。内診の結果朝の時点で子宮口が2センチ。全然進んでおらず。。。。赤ちゃんの回転がうまく行っていない。赤ちゃんの顔が上向き(私のお腹側)なのでもっと頭が下りないと私の子宮口が開かないらしい。私は薬に頼らずもっと待ちたかった。でももうすでにこの時点で41週の真ん中。胎盤の事も考えるとお医者さんは薬の力を借りることのほうが安全だという。薬に頼ることは別に悪いことではないと。自然に自分の力で産みたいと思っていたのに・・・。なんだか悲しかった。この病院で産むと決めたのだから先生を信じてみようと心を切り替えるしかなかった。まずは子宮口熟化の注射を打つ。そして錠剤の陣痛促進剤を1時間に1錠ずつ飲むことになった。これは6錠までしか飲めないらしく、6時間の間にお産が進むことを望まれた。病院が他の方のお産と診察で忙しくなり始めた。私は一旦病室で待機することになりLDRを後にする。午前中まで付き合ってくれた旦那がシャワーと休憩のために母親とバトンタッチ。16時に再度内診。まだ子宮口3センチ(涙)赤ちゃんの回転は少し進んだみたいだけど錠剤のパワーでは私のお産は進まなかった。回転が進むよう四つんばいで逆子体操のようなことをしてみるように言われる。これがまた陣痛のときにやるのが辛いんだな。母親が腰を擦ってくるのはありがたったが『もっと玉のような汗が出ないとだめだな。まだまだだな』『本当にお産が近づくと口もきけないんだよ』『あーまた間隔が開いちゃった、まだまだだな。』と何気ない言葉がとダメだしされてるような気がして、落ち込んだ。夕方からチャキチャキしたおばちゃん助産婦さんが登場。なかなかお産が進まなくて、やきもきしてる私と母親に『リラックス。リラックス!産まれる時は産まれるんだから~』と渇!が入る。母親と私、目が覚める。そして夕方からまた付き添いが旦那にバトンタッチ。旦那は何も言わず腰を擦ってくれたり飲み物を持ってきてくれたりするから、リラックスできた。夕飯もむりやり食べて少し寝ることにした。痛いながらに少しづつ深い眠りをとる。夜22時目が覚めると子宮口5センチ。体力も少し戻ってきた。11/19早朝LDRに移動。4時の時点で子宮口7センチ。となりのLDRで出産が進んでいるのがよく聞こえる。泣き叫ぶママ。出産のときはあんなに辛いのか?私は陣痛の間、『うーーーん』とか『ふーーー』とかそんないきみ逃しをしつつ冷静だった。本当に痛いときは、深い深い海の底に沈んで痛みを海に逃がすようなイメージをした。チャキチャキ助産婦さんと先生からすでに丸2日以上陣痛で苦しんでる私の体力(赤ちゃんの体力)を心配して点滴の強い促進剤を打つことを進められる。それならこの日の午前中には産まれるという。ええいままよ!旦那と相談してお願いすることに決めた。その後は早回しのよう。6時に点滴開始。本番前にと旦那がコンビにに朝ごはん買いに行っている間7時に破水。あれよあれよLDRベッドが調合金ロボのように形を変えて分娩台に様子を変える。旦那がもどるとすでに分娩代にスタンバイしていきむ私がいて驚く。旦那には頭側に来てもらって一緒に出産に臨む。いよいよ。。。。。5~6回のいきみで7:45に無事出産!布につつまれた産まれたばかりの娘を胸に抱かせてもらった。産む前は泣いちゃうだろうな。。。と思ったけど泣くどころではない。喜び!歓喜!が湧き上がる。はじめて出た言葉が『かわいいいいいい!!よかったね!!!!』彼女(娘)によかったね!と言ってる自分がいた。産まれたいと意志をもってこの世に生を持った娘。無事、この世に出てこれてよかったね!って!大きな仕事を成し遂げた満足感。この娘の誕生を神様に頼まれてサポートした気分だった。そしてこの瞬間に母性が ドバーと体を駆け抜ける。お腹の中にいるときは、希薄だった『愛おしい』という気持ちそれが かわいいい~~~~!という猛烈な気持ち。本当に無償の愛が私の中に湧き上がった。この長丁場、一緒に向き合ってくれた旦那にも、そして母親にも感謝した。お産は自分が思い描いてるものとは全く違った。思いのほか冷静だったし、痛かったけど泣き叫んだりしなかったし。そしてあれほどいやだった促進剤をたくさん使った。もちろん、剃毛、会陰切開とフルコース。いまだ他の病院で産んでいたら薬に頼らず、会陰切開もせずに産むことができたかな。。。とか思うこともある。でも娘の笑顔を見ると、これでいいのだ。と思えてしまう自分もいる。