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カテゴリ

2007.07.08
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カテゴリ:★★★★★な本


日本の社会に未来はあるのか? ニート、請負労働者、ホスト、バックパッカー……。〈自分探し〉の果て、下流社会を漂流し続ける若者たち。記憶を失くした青年は、ゼロからの〈自分探し〉=新しい〈自己創造〉の旅に出る。桐野夏生が新境地に挑んだ最新長編小説。



<感想> ★★★★★

本書は桐野夏生さんの最新刊。

ハードカバー600頁、税込み2,100円に尻込みしていましたが、イッキ読みし

ちまいました。 

記憶喪失の主人公ギンジが、沖縄で似た境遇の若者ジェイクと出会うとこ

ろからはじまります。 主人公はナニモノなのか?という謎を含みながらロード

ムービー風に展開していく前半は、主人公のギンジとジェイクとの掛け合いを

通じて、現代の若者の気質のようなものを炙り出しています。

後半は、ギンジが沖縄にたどり着くまでが明らかにされていきます。

小説として読むなら、前半に圧倒的な巧さを感じますが、現代の若者がおかれ

た現状や、少しづつ社会から疎外されて行く過程がテーマになっている後半

も読み応えがあります。 


団塊、しらけ、新人類、団塊Jr・・・

「今の若い奴らは・・」という常套句があります。 新人類と呼ばれたバブル

世代の私は、上の世代の人たちからそんなコトをよく言われたし、まったくそ

の通りだったりするわけですが、ここ数年社会の入り口に立たされた世代にそ

の言葉が当てはまるようには思いません。 若者の姿はその時々の社会を色

濃く反映しているものです。 


『グロテスク』がベストだと感じる私にとって桐野作品の魅力は、いつ爆発す

るかわからない毒を内に秘めたキャラクターと、それらを容赦なく描く潔さで

す。 それと比較すると若干の迫力不足は否めませんが、ある世代を根こそぎ

破壊つくそうとする社会に対するアンチテーゼを強く感じました。 


桐野ファンはもちろん「今の若い奴らは・・」などと感じているオトナの方に、

読んでもらいたい一冊です。


余談ですが、タイトルを見た奥さんがひとこと・・・

やっぱ気にしてるんだぁ~

だから・・メタボリックじゃないつーの!! 





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最終更新日  2007.07.08 12:51:24
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