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カテゴリ

2010.01.30
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テーマ:お勧めの本(7251)
カテゴリ:★★★★☆な本


地の下には三つの輪があって、この世を支えているという。その無限の底を金輪際という。世を厭い人を呪う生を送ってきた私の人生に、棘のように突き刺さり、今なお己れを狂わせる記憶の数々…。人間の生の無限の底にうごめく情念を描ききって慄然とさせる七篇を収録した傑作短篇集。



<感想> ★★★★☆

本書は車谷長吉さんの短編集です。 昨秋に読み始めて以来、車谷地獄

から抜け出せません。これ以上作品を読み続けると自分がトンでもない人

間になってしまいそうで怖いです。 誰か助けてください(笑)


さて、本書には表題作を含めて7つの作品が収められていますが、最後の

『変』が印象に残りました。 エッセイに限りなく近い私小説で、登場する人

物もすべて実名で書かれています。 とりわけ印象的なのは芥川賞の落

選を知らされたあと、人形(ひとがた)に選考委員ひとりひとりの名前(もち

ろん実名)を書いて、丑の刻参りをする箇所。 まぁ~創作だろうけど、

のオッサンなら本当にやりかねない・・
などと思わせるあたりが巧みです。 


しかし一方で、ところどころに出てくる「うちの嫁はん」にはニヤリとさせら

れます。 とにかく作品が売れなくて赤貧状態だった「私」は芥川賞の賞

金を家賃の更新に充てるつもりでいたという記述がありますが、それと丑

の刻参りを重ね合わせるとするなら、そこからもいくばくかのユーモアを

感じ取ることができます。 個人的には尾崎一雄の作風に似てなくもない

かなぁ~と思いました。


ちなみに「うちの嫁はん」は詩人の高橋順子さんです。
 





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最終更新日  2010.01.30 18:57:08
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