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カテゴリ:★★★★☆な本
私小説における「虚点」とは何か。命の通った言葉、通わない言葉とは何か。いかに女を描くか。創作と金をめぐる関係とは。小説とは、「虚実皮膜の間」に漾う人が人である謎を書くことである。異形の作家が私小説の真髄を語り尽くす。江藤淳、白洲正子、水上勉、河野多恵子、奥本大三郎、中村うさぎ、高橋順子。反時代的毒虫と七人の「魂の対話」。 <感想> ★★★★☆ 本書は車谷長吉さんの対談集。 読み続けているとトンでもない人間 になってしまうそうな気がして、最近車谷作品には手を出していませ んが、対談集ならよかろう!ということで読んでみました。 対談相手は、江藤淳、白洲正子、水上勉、河野多恵子、奥本大三郎、 中村うさぎ、高橋順子(嫁はん)の各氏。 対談相手を見て、おぉぉ!と思うのは中村うさぎさんです。 この人の ぶっ飛びぶりは、どこまでが実で、どこからが虚なのかまったく理解で きませんが長吉さんは以下のように斬りこんでいます。 ・・・あなたのはかなり芸なんだよね。 要するに漫才や落語みたいな芸なのよ。 このあとの対談は鬼気迫るものがあります。 私はうさぎさんを少しだ け見直しました。 個人的には、ブンガク論から貧乏話。 果ては女性の話までに至る水 上勉との一問一答は読み応えがありました。 すえた匂い。 とい う言葉がたびたび出てきますが、この二人の作家の共通点かもしれ ません。 江藤淳、白洲正子も鬼籍に入りましたが、時期的に対談はその直 前になされているようです。 高橋順子さんとの対談はNHKラジオ で放送されたものを文字に起こしたものです。 あんな小説を書く 上に、最近は朝日新聞の人生相談コーナーでズバズバと回答をし ている長吉さんですが、このデレデレ振りは何なんでしょうか? 車谷長吉さんに興味がある方はもちろん。 対談相手に興味がある という方におススメします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.08.22 15:32:16
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