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関西ひとりジョーズ紀行

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2008年03月30日
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カテゴリ:伝統文化
「立っているだけで感動する」と言われる、20世紀最高のバレエダンサー、ユダヤ系ロシア人のプリマ、マイヤ・プリセツカヤと、能楽界の第一人者・梅若六郎の一夜限りのコラボレーション。舞台は世界遺産の上賀茂神社です。

なんだか、最高の食材を寄せ集めて、骨董の鍋で煮込んだらどうなるか、というような(めちゃめちゃ例えが悪い)イベントにも見えますが、果たしてどうなることやら。数少ないプラチナチケットを友人が取ってくれました。立っている姿を見るだけで感動するという人が生で見られるというだけでわくわくします。

ところが、賀茂別雷大神のお力も届かず、天候は雨。しかも、気温は明らかに10度を下回ってます。会場は上賀茂神社の細殿で、観客席にはテントがなく、配られた雨合羽と毛布で耐え忍ぶしかない、という最悪のコンディションでした。風がなかったのがせめてもの救いでしょうか。

内側にステテコとジジシャツという完全防備で臨みました。これなら大丈夫なはず。上賀茂神社の細殿前には、パイプ椅子がザザッと200席くらい、並んでいました。NHKのハイビジョンカメラが4カメくらいいたでしょうか。テレビの撮影があるだけあって、照明はバッチリです。

演目は、
1)能「羽衣」
2)「アヴェ・マイヤ」:曲は「アヴェ・マリア」で、それをマイヤ・プリセツカヤ向けに振り付けして、編曲されたもの。今回は両手に紅白の扇を持っての上賀茂バージョンでした。
3)笛の独演(曲名は何だったのか、わかりません)
4)ボレロ:能の舞いとバレエのコラボレーション。

このコンディションのため、間に休憩はなく、一気に上演されました。
やはり、印象に残ったのは、マイヤ・プリセツカヤの凛々しいお姿です。今年で83歳になるとは到底思えない体のライン。スラリと伸びた背筋、スッキリとした首筋、昔と変わらぬ(過去の名演をYouTubeで予習しました)しなやかな動き。衰えを感じさせないどころか、逆年齢詐称ではないかと思えるほどです。森光子や由美かおるも及ばない、段違いのアンチエイジングぶりです。確かに「立っているだけで感動する」の意味がよくわかりました。

マイヤ・プリセツカヤのスゴさは、そのストイックな自己管理だけではありません。1943年にモスクワのボリショイ・バレエ団に入団後、父親をスターリンの迫害で亡くし、母親も地方に追放されてしまいます。自らも、共産党体制の圧力の中でもがき苦しみ、海外公演に出てもホテルに監禁されるかのような自由のない生活(ドッグフードを食べさせられたことも時折あったのだそうです)を強いられました。その生き様をどのように想像したらいいのか。僕らの想像を遥かに超えるものでしょう。

そういった背景も、オーラに変換してしまったような舞台でした。ボレロでは、能の装束をふわっと両腕にかけて舞います。そのアレンジも上品で無理のないものでした。途中、向かい風で右腕から装束が外れてしまいましたが、踊りのしなやかさが失われることはありませんでした。

午後6時半開演で、午後8時過ぎに終了しました。見とれているうちに、あっけなく終わってしまいました。周りはあまりの寒さに途中退席する人が続出しましたが、最後まで見れば、そのオーラに感じ入った人は多かったはず。できれば良いコンディションで見たかったなあ。でも、あの83歳はありえない...背筋を伸ばし、徹底的な自己管理をすることの素晴らしさを教えてくれたように思いました。感動しました。





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最終更新日  2012年04月15日 20時06分13秒
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