ごきげんよう。ひつじさわです。
『極北クレイマー』を読了しました。
久しぶりの海堂 尊作品です。
春に図書館(港区と世田谷区)にリクエストを出して、両館同時ぐらいに連絡が入り、
少し早かった港区の図書館から借りました。
海堂 尊氏は、すっかり人気作家の仲間入りをしたようです。

『週刊朝日』大好評連載小説の単行本化。
物語の舞台は北海道にある財政難に喘ぐ都市・極北市にある極北市民病院。
極北市民病院に勤務する非常勤医師を主人公にし、
地域医療問題をテーマに極北市民病院のずさんな実態と転落を描く。
著者は本作の執筆のために、財政再建団体に指定されている夕張市へ取材している。
また本作では『ジーン・ワルツ』と『イノセント・ゲリラの祝祭』で間接的に触れられていた
福島県立大野病院産科医逮捕事件をモチーフにした
三枝久広の事件の顛末が描かれている。
極北大第一外科の八年目の医師・今中良夫は、とある事がきっかけで、
財政難の極北市にある「極北市民病院」に赴任する。
そこで非常勤として雇われた今中は極北市民病院のずさんな実態を目撃することに。
病院内の環境は不衛生、病棟スタッフ達は怠慢、
そして病院の経営は極北市の「赤字五つ星」に数えられるほど悪化していた。
唯一まっとうなのは人徳があり産科医療を一人で支える産科医師の三枝久広。
だが、以前手術中に妊婦が死亡する事件に見舞われ、
医療事故と断定される可能性も浮上していた。
そんな病院で、
病棟スタッフに白い目で見られながら病院の改変に地道な努力をする今中の前に、
派遣として皮膚科の姫宮香織がやってくる。
姫宮の影響力が呼び起こした嵐は病院を少なからず変えていくが、
水面下では医療ジャーナリストの西園寺さやかが
三枝の事件で死んだ妊婦の遺族の広崎宏明を巻き込んで暗躍していた。
そして極北市民病院で医療の根幹を揺るがす非常事態が発生する。
デビュー当時の華やかさはないが、
日本の地域医療がおかれている状況を考えさせられる。
著者は現在の医学会に警鐘を鳴らすことを意図して作家デビューしたのだろうか。
だとしたら・・・
目的に向かって邁進している感じがする。