続・悪質絨毯屋

2010.04.04

カテゴリ：ひつじ飼いの事

その昔
まだ羊飼いが
独身だった頃

トルコを一人で
何度かフラフラ
旅行したものだけれど。

絶対いつも
後から束になって

呼びもしないのに
変なトルコ人男が
ついてきたりしたもんで

これは、
美人とかそういう事とは
まったく関係なくて

一人旅の女性という条件に
あてはまれば

誰にでも起こりうる事である。
（羊飼いに起こるくらいだから、ね

）

その中でも
アンタルヤに行った時に

遊覧ボートで
知り合ったお兄ちゃんは
本当に笑えた。

アンタルヤの
カレイチという場所の先に

遊覧ボート乗り場が
あるのだけれど
（と言っても、もう１０年以上も前の話だが）

ポツリと日本人女性が
一人でボート乗りに行ったりすると

もうワンサカワンサカ
客引きがやってきて

手引っ張ったり
カバン引っ張ったり

うるさくて
仕方がない。

でも、どっか一つ船に乗らなきゃ
遊覧できないので

仕方なく、その中の
一人の兄ちゃんの船について行った。

何たって、兄ちゃん
気前が良かった。

羊飼いをタダで
乗せてくれた上に

ボートの中で
飲み物までおごってくれたのだ。

そして当たり前のように
羊飼いの横に座り込むと

遊覧の間中
一生懸命、羊飼いを
口説き始めたのだ。

何気なく肩に
手とか回そうとするので

そこもスルリと
よけて

肩透かしを
くわせつつ

お兄ちゃん、イケメンだったけど
ど～でもいい羊飼いは

ちゃっかり
もらうモノだけもらって

へえ、とかふん、とか
テケトーな返事をしながら
美しい海を眺めていた

しまいには
疲れてしまったお兄ちゃん

「あなた、私に何も感じないの？」と
聞いてきた。

「ぜ～んぜん。私はお金ももってないし
あなたと仲良くなろうとも、思ってないから」
とシラリとはっきり断ると

大きなため息をついたお兄ちゃん。
「あなたは変わってるね～。私には
３人の外国人の彼女がいて

彼女たちが、
代わりばんこにトルコにやってきて

おこずかいをくれるので（要するにヒモ）
ソレで暮らしているんです～」
と

何を思ったのか
身の上話を始めたのだ。

この時計も
このジーンズも

ぜ～んぶ彼女達に
買ってもらったんだ！
と

どんどん
手の内を語るお兄ちゃん。

いいんですかい？！
企業秘密じゃあないのかね？！

言い寄ってくる
トルコ人は多いけど

はっきりとわかるように
拒否すると

そんなにシツコク
してこないもので

自分には５人の
兄弟がいること

自分が一番上で
兄弟たちの面倒を

見ていることなどを
延々と語り始めてしまった・・・！

それにも同情を
示さない羊飼い
（押してダメなら引いている、と見たので）

「ところで、ここらへんで安くて美味しい食堂知ってたら、教えてよ！」
と

話の腰を
思いっきり折ったので

目をまん丸にしたお兄ちゃん

「私のイキツケの場所があるから・・・」

完全に
戦意喪失の様相で

羊飼いを
裏通りの食堂に
連れて行ってくれた。

そこで一緒にご飯食べながら
また一通り、

身の上話を聞かされて

（でも、今度は本当の事を言ってるような感じだった）
←ど～でもいいけど、どうしてあっしに語るんですかい？！

「それじゃあ、私は仕事があるから」
と

そそくさと
食堂を出て行ったのであった。

仕事、とは
また新しいカモを

見つけに行く
ってことなんだろうけど。

一人で旅行してた頃
どこの国に行っても

多かれ少なかれ
行く先々で

ぼったくられたり
嘘つかれたりして

行くとこ行くとこ
ケンカして歩いてたものだけど。

なんたって、ひつじさんと
出会ったキッカケも

旅行会社のカウンターで
「うちには、日本語ガイドがいますよ」

とウソつかれて
ツアーを買ったところが

出てきたのが
英語ガイドのひつじさんで。

「何で日本語ガイドが来ねえんだよ！！！」

と
いきなりタンカをきって

大ゲンカしたのが
馴れ初めですから（爆）
（かなり普通じゃない？）

でも、これは
どこを旅行するのでも
同じだと思うけど。

一人なんだから。
油断しちゃあいけないし

自分の言いたい事は
はっきりきっぱり！伝えて

相手に付け込むスキを
与えない、っていうの

とても大事なことだと
思いますな～。

絨毯屋から
ずいぶん話がソレてしまったけど。

これからトルコを
旅行する皆さん。

日本人同士みたいに
雰囲気でわかってくれる
外国人なんて

羊飼いは、いない！
と思いますだす。

下心がなくて
やたらに親切な人だって

そんなに多くないよ
（中にはいるだろうけど）

皆、自分のことで大忙しなのは
トルコでも日本でも同じこと。

見ず知らずのあなたに
やたら特別に
親切にしてくれるなら

それはやっぱり
何かウラがあるんだよね・・・。

ヤなことは、
イヤダ！と断固拒否