桑名さん“ロック葬”内田裕也が飛び入り熱唱
７月１５日に脳幹出血で倒れ、意識が戻らないまま今月２６日に心不全で亡くなった歌手、桑名正博さん（享年５９）の通夜が２９日、大阪市内の斎場で営まれた。音楽関係者ら約７００人が弔問に訪れ、祭壇の横で生バンドが演奏する“ライブ葬”で弔った。葬儀委員長を務めるロック歌手、内田裕也（７２）がトリで登場。「シェケナベイベー！」とシャウトし、マイクを握りしめて熱唱した。
しめやかに…営まれる通夜がロックになった。異例の生バンド登場に斎場では手拍子がわき、喪服姿で体を揺らし、誰もがノリノリになった。
トリで登場したロックンローラーは、ＢＯＲＯ（５８）や桑名さんの妹で歌手の晴子（５６）らとマイクを握り、「シェケナベイベー！」とシャウト。歌うは「ジョニー・Ｂ．グッド」。２人が出会い、これまで３９回行ったニューイヤーロックフェスで、出演者全員で毎回歌っていた思い出の曲だ。立ち見が出る中、「まさやん、ありがとう」と叫んで締め、大歓声に包まれた。
“ライブ葬”は焼香が終わった後、始まった。祭壇の隣に特設されたステージで、桑名さんと一緒にライブ活動してきた桑名ファミリーバンドが演奏し、桑名さんの歌声で幕開け。「生きてるうちが花なんだぜ」のライブ音源を使い、生前の歌声が会場に響き渡った。ぼんちおさむ（５９）が飛び入り参加するなど計７曲を熱唱した。
棺の中の桑名さんは、お気に入りの白シャツ、黒ベストのステージ衣装姿。棺の中で“参加”していたに違いない。斎場は貸しきりで５００席用意され、さながらライブ会場のよう。通夜の最中も、桑名さんが編集してｉＰａｄに入れていた「哀愁トゥナイト」「セクシャルバイオレットＮｏ．１」などお気に入りの曲が２００曲以上、ＢＧＭで流された。
遺影は昨年９月に大阪市内の自宅で撮影されたもの。祭壇には焼酎やステージ衣装、若い頃のバンド「ファニー・カンパニー」時代から愛用したギターなどが飾られた。戒名には「月」「明」「響」の３文字が入っており、３０日の葬儀後に発表される。
葬儀・告別式にも生バンドが入り、午後にはリンカーン霊柩車で御堂筋をパレード。葬儀委員長のロック魂と、音楽仲間が繰り出すサウンド＆演出に乗って、まさやんはド派手に天国へ旅立つ。
葬儀委員長を務めた内田裕也の話
「（遺体と対面し）いい顔してましたよ。月並みだけどイイ奴。個性あふれるロックンローラーだった」
