カテゴリ:政治経済
最近、政治の話題でよく聞くのが「民間なみに一円から公開・・」という言葉だ。この言葉を口にする国会議員や評論家が、民間企業の経理内容がどこまで公開されているのか、第三者が何処まで知る事ができるのか、を理解しているのか疑問を感じる。
また政治家と民間企業の情報公開の必要性の違いもきちんとふまえて論じる必要がある。なぜなら守りにくい厳しい基準の法律を作ってしまって、後で守れませんでしたってんではザル法を作るだけの事になる。 論点1 民間企業の経理内容はどこまで公開されているのか 民間企業は、税務署に対しては何も隠してはいけない事になっている。しかし世間一般には公開する義務はないのだ。株式や社債を発行し、証券市場から資金を調達している場合には有価証券報告書を開示する義務がある。しかし株式非公開の会社(日本の税法では同族会社という)では取引銀行など債権者の求めに応じて情報を公開しているにすぎない。 商法(債権者保護のための法律)会社法(投資家保護のための法律)によって、利害関係者に情報を公開する義務を負っているのであって、世間一般に公開する必要はないのだ。 論点2 政治資金の経理内容はなぜ公開しなければならないのか 政治団体は以下の理由によって民間企業より高い説明責任を負っている。 ○税金による政党助成金を受けている ○その収入に対して課税されない ○個人・法人が政治団体に寄付した場合、一定の限度額まで非課税になっている 政治団体はその活動が公益に資するという前提の元で、課税を免除されている。税金の投入を受けているのだから全ての納税者が民間企業でいえば債権者や株主なのだと考えるべきなのだ。だから「民間なみ」ではダメなのであってもっと厳しく情報公開せねばならないというのが法理論的には正しい。 しかし全てを公開できるのか・・というと現実には不可能なのだ。だから何処かで線を引かないといけないのだ。この国の政治家は法律には無知な人が多い。法治国家じゃなくて放置国家だと書いた事がある。 法理論を無視して、自分たちが遵守できる、議席を維持できるための線で与野党が妥協しようとする。何十年と違憲状態を放置してきた人たちであるから全く信用できない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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