7000ESを導入してから約一年。後編。
つづき7000ESにて多チャンネルサラウンドにはまっていた時に、とあるシアターユーザーさん宅に訪れました。そこで大カルチャーショックを受けたのです。そこでは5,1chのセッティングだったのですが、なななんと天井から音が聴こえるのです。それには留まらず全方位に音像が定位するのです。単なる2wayのブックシェルフタイプ(私にはメーカー名さえ知らない輸入ものです)のスピーカーが5本だけですよ。いやいやホントです。例えば「ロードオブザリング3」の冒頭の指輪のチリチリ音が頭上で小さい天使の輪を描くのです。「スターウォーズ2」でのスピーダーのチェイスシーンで頭上や脇や足元を様々なスピーダーが駆け抜けるのです。「スタートレックのネメシス」の宇宙空間でのバトルでは後方からのミサイル攻撃がまるで後頭部を叩かれたように感じたのです。マジでホントです。その後、自宅に戻ってアンプの電源を入れて、同じソフトを再生して直ぐに電源を落としました。それから暫く自宅では映画を見なくなりました。そのシアターの音が鮮明であまりにものギャップを感じたからです。参りました。悩みました。その方のコンセプトはソフトの情報を全て残らず再現する事でした。そうなのです!映画館を目指さずに製作者の意図を目指す私の考え方は根本的には間違いではなかったのです。では何が間違えていたのか?考えると大きくは部屋の環境やスピーカーのセッティング方法、機器との接続方法、など様々な悪い要因がでてきました。私は独学で立体音響の世界をさまよっていたのです。映画館もショップの視聴室も展示会でも理想の指針となる師匠が現れなかった為に基本ができないまま独自の道を歩み過ぎたようです。こうゆう場合は自身がガンコになり過ぎてますから、ここは素直になって、反省して、正しい方向に身を委ねる気持ちが大切なんですね。多チャンネルサラウンドはある程度のいい加減なスピーカー配置、セッティング、視聴位置でもある程度の高質な音響効果が体験できます。しかし、映画館と同様かそれに少しプラスする程度です。多チャンネルではスピーカーの駆動力も下がります。実際に製作者の意図する本当の立体音響を体験するにはピンポイントのスピーカー配置、セッティングが大切です。しかも4chか4,1chか5chか5,1chで充分なのです。DSPも要りません。あくまでもピュアマルチステレオサウンドを目指すのです。機器だけの問題ではないのです。そこから全ての機器の性能を最大限に出すための奮闘がはじまります。電源の見直し、機器のセッティング、全チャンネル同一スピーカーでITU-Rにより忠実なセッティング、など。7000ESの性能を最大限に引き出した音を堪能するまで、私は7000ESを手放しません。AVファンの中には新型が出ると飛びつく方がいますがそれは勿体無い事だと思います。AV機器は高質な機器になるほど、なぜか個体差は顕著に現れます。良い機器であればセッティングなど使いこなしで大きく変貌します。機器の性能は往々にしてスペックだけではないのです。その機器の性能を100%出し切らないのは、まさに勿体無いです。奮闘はこれから始まるのです。更につづく8,1chのリア側セッティングの模様。面白いセッティングですが、なんだか異様ですね。