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100円本は面白い?100円で売っている単行本の感想です。100円と単行本にできる限りこだわります。 [全206件]
浅田次郎の初期の作品です。 倒産寸前の地上げ屋「丹羽」は、一発逆転を狙い有馬記念に会社の残金をつぎ込むことを決意します。 府中競馬場で馬券を買おうとしていると、前に並ぶ老人と話すようになり、ついつい馬券の買い方をレクチャーしてしまいます。 老人は「丹羽」が教えたとおりの馬券を変えましたが、「丹羽」は時間切れで買いそびれてしまいました。 馬券は見事的中!。 老人はせめてもと、帰りに「丹羽」を誘って飲み屋に連れて行きますが、そこで老人は発作を起こして死んでしまいました。 今わの際に「丹羽」が老人から受け取った1冊の手帳に書かれていた信じられないような話とは。。。。 これが浅田次郎の作品なのかと疑うような作品です。 文体は、昨今の浅田節も見られず真面目で非常に力を込めて書かれた一作です。 この本が売れていたら、今の浅田節はなくまた別の面白さを備えた作家になっていたかもしれません。 そのようなことを考えてしまうような力作でした。 100円本に栄光あれ!!
「月と蟹」で直木賞作家になった道尾秀介。 「月と蟹」はいまいちだったので、もうひとつ別のものを読んでみることにしました。 一学期の終業式の日、「ミチオ」は担任の「岩村」先生に、休んでいる「S君」へ夏休みの宿題を届けるように頼まれます。 S君の家へ行く途中、廃棄された自動車から何か腐ったような臭いがし、中をのぞくと猫の死体がありました。 最近この近辺では、両足を折られ口に石鹸を詰め込まれた犬猫の死体が多数発見されていて、その死体も同じような格好で放置されていました。 驚きながらも「S君」の家にたどり着き、呼び鈴を鳴らすけれども返事がありません。 びくびくしながらも中に入ると「S君」の首吊り死体を発見するのでした。 主人公を含め、得体の知れない登場人物が多数登場します。 読んでいて気持ちのいいものではありませんが、道尾秀介の読ませるチカラは相当なもので、ストーリーにグイグイ引きこまれていきます。 手に汗握る展開と、「えーーーーーっ!」っと驚く最後などは、もうどうしていいかわかりません。 物語は破綻寸前だったけれども結構面白かったので、どうにかこうにか自分を納得させて読み終えることが出来ました。 この作家、次を読むことがあるでしょうか。 本当に変な本でした。 でははははは。 100円本に栄光あれ!!
ホルモン鍋が大好きな僕は必ず押さえておかなければならない1冊です。 鴨川の縁でいただくホルモン鍋の物語。 なんちゃって♪ 万城目学、笑撃のデビュー作です。 京都大学の新入生の「安倍」は葵祭のエキストラのバイト帰り、同じバイトで出会った「高村」と偶然一緒に帰ることになりました。 その時、京都大学のサークルで、活動内容が曖昧模糊とした「京大青竜会」の勧誘を受け、その新歓コンパに出席することにしました。 そこで出会った同じ新入生の「早良京子」の鼻筋に一目惚れし、そのサークルに参加することを決意したのでした。 文章はコムヅカシイところは一切ないストレートなものですが、そのストーリーは誰も考え付かないような奇想天外なものです。 読者がこの設定に乗ることができななければ、ただのバカ話になってしまいます。 そこがこの本を「面白い!」と感じるか、「あほかこれは!」と思うかの分かれ道です。 結構面白かったのですが、もう少し「ホルモー」のくだりを細かく長めにして欲しかった。 面白い感のぎりぎりの淵をたどったようなそんな物語でした。 100円本に栄光あれ!!
韓流好きって訳ではないんですが、ちょっと読んでみました。 ずいぶん前の芥川賞受賞作です。 ・由煕 在日韓国人の「由煕」は日本の大学を中退して、韓国ソウルのS大学に留学しました。 韓国の生活になじめず、下宿先を転々と変えて最後にたどり着いたのは大学から程遠いソウル郊外にある下宿でした。 そこには心優しい叔母と姪が住んでおり、しばらくは何とか暮らすことができました。 しかし結局、韓国の人たちになじめず「由煕」は大学を中退し、日本へと帰国してしまいました。 ・来意 画家になることをあきらめた主人公が、2人の女性への揺れ動く心と思いを綴ったもの。 ・青色の風 小学生「高子」と家族とのどうしようも行き詰まった暮らしと、唯一の理解者で隣人の同級生との物語。 以上3篇でしたが、芥川賞にしては長すぎです。 そして、霧をつかむようなぼんやりして、まどろっこしいストーリー。 「来意」などは何がなんだかわからない。 何が言いたいのか全くわからないスカした本でした。 久しぶりに読むのが苦痛になった。 100円本に栄光あれ!!
「邂逅の森」という重々しいタイトルが僕をこの本から遠ざけ、早1年半! もうこれ以上、積読わけにはいかーーーん!! 震える手で引っつかみ読み始めました。 明治から昭和初期にかけてのマタギ、「松橋富治」の波乱万丈の人生が描かれています。 マタギの仕事、代々続く掟、伝統、信仰。 特に冬山でのマタギたちの仕事には敬服せざるを得ません。 そして、獲物となる動物たちを通しての山の神々への畏敬の念。 東北の寒村での生活、風習、文化、風俗。 はたまた、第一次世界大戦、世界恐慌など世界情勢が日本経済を揺るがし、東北で暮らす人々の日々の暮らしへも影響してきます。 主人公「富治」の物語もすばらしい。 初恋の人「文枝」との燃えるような禁じられた恋から始まる流浪の人生。 そして、生涯を共にする「イク」との出会い。 また、生涯続いての関係となる人々との出会いも「富治」を成長させます。 最初は若者らしく意地を見せながらも逃げますが、経験を積み立派な大人になっていきます。 こんなに当時の東北地方の生活、特にマタギを描いた作品は読んだことがありませんでした。 読後も、しばらく静かな深い興奮でボーっとしてしまいました。 2012年度のこの1冊のひとつに間違いなく入るでしょう!! 100円本に栄光あれ!!
浅田次郎の江戸末期から明治初期の御家人のお話です。 お腹召しませ/大手三之御門御与力様失踪事件之顛末/安藝守様御難事/女敵討/江戸残念考/御鷹狩 の全6編です。 浅田次郎の祖先は幕府の御家人だったらしく、祖父が浅田に対して語った数々の当時の物語に数々の脚色を用いて仕上げた小説です。 江戸末期から明治にかけての幕府方の侍の、どうしようもないやりきれなさがうまく書けています。 さすが泣きの浅田次郎らしく人情味たっぷりな話に、ぐんぐん引き込まれ苦もなく読めました。 やはりこの時代の物語は日本人の心にしみます。 中国ものだけではなく侍ものもどんどん書いて欲しいなぁ。 100円本に栄光あれ!!
高橋克彦、期待の記憶シリーズ第3弾!! 今回は1編を短くした超短編12話です。 夏の記憶/幽かな記憶/記憶の窓/棄てた記憶/水の記憶/鏡の記憶/夢の記憶/愛の記憶/嘘の記憶/炎の記憶/欠けたの記憶/蒼い記憶 はっきりいって短い! どれも面白い話ではあるのですが、オチが曖昧で途中で切れてしまっている様な、内容が薄い様な感じを受けました。 もう少し腰を落ち着けて書いたら、素晴らしいものになったであろう話も多数あるのに....。 あんなに面白かった記憶シリーズも、この「蒼い記憶」で最後になったのも仕方のないことと思わざるを得ません。 あー、勿体無い、勿体無い! モヤモヤ感一杯の1冊でした。 100円本に栄光あれ!! |一覧| |