賽は投げられた
1年半アシストとしてのたくら過ごしていた部活だったが「夏でカントク、代わる?」と言われたのが6月中旬。今年転出予定のA先生、昨年わたしが1年生の面倒を見ていたのもあるのかさらっとそう言われとはいえ、スクーリングで抜けることもあり、垂涎モノでその椅子を狙っている先生や、モンスター何とかもいたり、やりたいのは山々だけれど迷わざるを得ない状況の今、1ヶ月間迷う(´Д`)…で、4月から代わるより昨年から見てた子たちを他の人に持っていかれるよりどの選択肢をとっても一長一短、ならば好きなようにしようと「代わります」とやっと返事したのが2週間前。3年生が引退し、キャプテン決めから始める。生徒たちの予想ではキャプテン…昨年学年キャプテンをやっていたC、副キャプテン…真面目で前向き発言が買われているN、というのが本命ラインだったが顧問団と担任の意向はその逆。Cはムードメーカーで、果てしなく前向きなところはいいのだが時折暴走することがあり雰囲気を壊すこともこれまで多々あり、Nは器はあれど重責を負ったことがなく、成長させようという狙い。昨日昼休み、Nを呼んでサシで話す。のこのこやってきたN、 この話だろうと予測をつけてきたらしいが「Nにキャプテンをやって欲しい」 と開口一番告げたところ、 鳩が豆鉄砲食らった顔をしている。 「(´Д`)・・・・!!!??? ・・・・ええー、キャプテン?・・・まさかキャプテンって来るとは思わなかった・・・ 無理ですよ・・・」 今まで大役を果たしたことがなく、 ずっと学年キャプテンやってきたCもいるし 自分はやるなら副キャップだと言う。 口外しないことを前提にこちらの思いを話し、それでも経験がないことで形のない不安を感じいや、でも…を繰り返すNの背中をどうにか押し 昼休み&放課後で了承してくれました。 いやっほい(・∀・)そして今日。11:15、副キャプテン候補のCを呼び出す。 昨日のNは説得するのに長時間かかったが、 さすがオレ様なC。「Cに副キャプテンをお願いしたいんだけど」 「はいっ!(゜∀゜)」 ( 0 , 1 秒 で 快 諾 = 何 も 考 え て い な い ) 事の重大さを説くも「大変そう~」とは言うが 多分 指 名 さ れ た 嬉 し さ に 何も考えていない。 後ほど担任の先生と 「アイツ、副キャプテンというより 福 キ ャ プ テ ン だよな」 と勝手に命名する。(満場一致) 15:00過ぎ、自分の学級で教室掃除中。 NとCの2人がやってくる。 N「やっぱり逆(Cキャップ・N副キャップ)じゃダメですか?」 おれ「絶対ダメ」 N「何でですか」 おれ「それがベストだと思われるから」 N「裏工作してませんか?」 おれ「裏工作も何も投票は参考にするとしか言ってないもんねー(゜∀゜)」 N「…(´Д`)」 私が手を出すとCがニコニコして手を重ねる。 「Nも出しなよ」 「いや、ここで出すわけには」 「今更何言ってんねん」 という訳で、笑顔のCとオレ、渋い顔のNの3人で 「ファイト、オー!」とエールする。 そういや掃除中だった。訳わからん。 15:40、2年前の練習メニューをプリントアウトして眺める。 胸が詰まる。 ドキドキしすぎて苦しくなってくる。 大丈夫か?自分? …いや、教室に来た彼らと同じなのかもしれない。 もとい、1人は除く(´Д`) 15:55、古ぼけたクロックスをつっかけて、生徒がいる体育館玄関に向かう。 ただでも厚い雲に覆われて薄暗い空、葉が生い茂った木の下を歩く。 足元の潰れた木の実が異臭を放ち後ろから走ってきたKが「くっさいー」と言いながら私に追いつく。 16:00、集合。 キャプテン副キャプテン発表。 Nは簡単に「よろしくお願いします!」 Cはとうとうと語っていたが、思わず失笑する。 だってアンタ言ってることとやってることが全然ch(略) そこで地味に交替しました旨を話すと 数名の生徒が笑顔で握手を求めてくる。 何の集団だよ(爆) その後アップ開始、体育館があくまで職員室に戻るが ドキドキしてやっぱり仕事にならない。 体育館が空く17時前に2人が私の元に来て 「先生、何やりますか?」 「よし、じゃあ体育館に行こう!」 体育館に3人で並んで向かう。きっとNもものすごく緊張している。 わたしも同じく緊張している。 Cだけは何も変わらずニコニコしている。 18:20、もう終わりにしなきゃなーと思いながら 久々なせいか、練習時間配分を間違えたことに気づく。 ああ。 帰ってきてからも 今も、未だにドキドキしている。 どうなるか、どうでるか。 でももう賽は投げられた。 走る(走らせる?)しかない。 多分、いやきっと楽しい。