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第3作は監督が山田洋次ではなく森崎東(あずま)。
山田洋次監督が書いた文章を読んだ記憶があって、余り一つのシリーズばかり続けるのもどうかと思って2作他の人に監督してもらったが、いい悪いではなくどこか違和感を感じるので自分が監督することにした、ということだったはず。 正直なところ、監督が違うとどれだけ違うのか、というのは私にはわからない。 前作は夢から始まったが、これは夢は出てこない。 その代わりといっちゃあなんだが、35年前の樹木希林(当時は悠木千帆)が出てくる。まだ娘で通用する若さ。 今もよく見る野村昭子も出ているが、この人、どの時代の作品を見てもかわらないのに感心する。 物語の方は、寅さんの恋はあまり前面に出てこず、恋しいと思う相手(新珠三千代)の弟(河原崎健三)と芸者(香山美子)の恋を成就させてやり、自分は失恋して去っていく。 新珠三千代は、自分の意思と関わりなく温泉旅館を切り盛りして行かなくてはならなくなっていて、同じ年に始まったドラマ「細腕繁盛記」の元ネタかと思わせられる。 ここまでの3作を見ていて強く感じるのは、「喜劇」だということ。 特に、森川信には、舞台で活躍した喜劇役者としての輝きがある。 まじめな話、堅い話は避けて通って、笑わせて泣かせることに徹している。(普段は寅さんを「バカだ」と言っていながら、ケンカの時には、みんながお前のことを心配しているのに、と泣く) 森川信の死と、寅さんの権威化はつながっているのではないか。 寅さんが余興で歌うのは「旅笠道中」という歌。 アクセスアップに楽天ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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