上田秋成の「
雨月物語」の中の「蛇性の婬」と「浅茅が宿」を一つにまとめた話。
二組の夫婦が出てきて、それぞれ、夢を追ったり、死霊にとりつかれたり。
最後は、もとの村での平穏な生活になるのだが、元の話の一つが「浅茅が宿」なので、二組とも元気でいる、というわけではない。
意外にも、怨念や恐怖というものは少ない。金儲けや立身出世よりも、家族との平穏な暮らしが幸福なのだ、高望みせずに前向きに生きていこう、という雰囲気がある。
戦後の日本の反映なのだろうか。
田中絹代と森雅之が夫婦。
もう一組は、小沢栄一と水戸光子。京マチ子が怪しくも美しい。
ベネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作品なのだそうだが、幻想的な画面の力だけでなく、女優の力によるところが大きいのではなかろうか。
楽天ブログランキング←クリックしてください