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カテゴリ:洋画
J.R.R.トールキン原作のファンタジー大作完全実写化の第二弾。 エライジャ・ウッド、リブ・タイラー出演。監督・制作者は第一弾と同じピーター・ジャクソン。 粗筋 呪われた指輪を捨てる旅に出たフロドは、指輪の以前の所有者だったゴラムを道案内として旅を続ける。一方、前作で旅の仲間だった戦士アラゴルンらは、ローハン王国に到着。指輪を取り返して世界征服を目論む冥王サウロンの手下となった魔術師サルマンは、人間を滅亡させるための一歩として、ローハン王国の総攻撃を決断。アラゴルンらは、ローハン王国を死守するため、戦うことを決めるが……。 感想 ロード・オブ・ザ・リング・シリーズが大作であることは認めざるを得ない。常人100人が一生の内に稼げないほどの制作費をかけていることが、スクリーンから嫌でも伝わってくる。 が、「傑作か? 面白いか?」と訊かれると、返事に困る。何度も観たくなるような映画ではないからだ。 とにかく長い。三時間近く(179分)。その三時間の間にどんなストーリー展開があるのかというと……。 特にない。 第一作を観た者が、第二作を観ないまま第三作を観ても何の問題にもならないのでは、と思いたくなるほど。 その割には何の為に登場しているの? と思いたくなるような印象に残らないキャラが数多く登場する。単に「原作に出ているから、本作にも登場させた」て感じ。こうした無駄を省いていれば、原作には忠実でないもののテンポのいい作品に仕上がっていたと思うが……。 ストーリー展開にもご都合主義的な部分が多過ぎる。小説の段階ではそれでもよかったのだろうが、実写はその点素直で正直。原作が所詮過去のものであることを証明している。 ・第一作で壮絶な戦いの末に命を落としたと思われていた魔術師ガンダルフが、何でもなかったかのように生還する。 ・棺桶に片足どころか両足を突っ込んでいた感じのローハン国王(サルマンの魔術の影響)が、ガンダルフと対面した途端にサルマンの呪縛から解放され、メキメキ回復してしまう。 ・サルマンが放った大軍が、ローハン王国を滅亡の一歩手前にまで追い込んだ時点で、ローハン国王が正気を取り戻す前に追放していた臣下が戻ってくる。その臣下の援軍により、サルマンの軍は壊滅。 ・人間の争い事への参加に消極的だった森の精が、破壊された森(サルマンによって破壊された)を一瞬見ただけで態度を180度転換し、サルマンの本拠地に攻め込むことを決意。 他にもストーリー運びにご都合主義的な所が多くある。 また、戦の映画として観ても、不可解な点も多い。 ・ローハン国王は、正気でなかった時、有能な臣下を王国から追放。その臣下の部下も追放されることとなった。その数は数百人程度に見えたが、映画のクライマックスで援軍として登場した時には数万にも膨れ上がっていて、サルマン軍を一気に撃破。どうやってそこまで増えたのか。 ・サルマンは、ローハン王国を滅亡させる為、大軍をローハン王国の砦に送り込む。兵を一人残らず展開したらしく、サルマンの本拠地はがら空き。森の精たち数十人に攻め込まれただけで大打撃を受けてしまうのだ。サルマンはなぜ自分の本拠地を無防備にしたのか。 ・上記で述べたように、ローハン王国の援軍はサルマン軍を一気に撃破できるほどの規模だった。なぜサルマン(そしてサルマンを操る冥王サウロン)は、これほどの大軍を見過ごしてしまったのか。 演出的にも突っ込みたいところがある。 何より浮かぶのが、ローハン王国の砦を囲む城壁の破壊作戦。爆薬で城壁を破壊するのだが、そこに火を放つ場面が聖火ランナーによる特攻に見え、迫力ある場面の筈がコメディっぽくなっていた。制作中、「これじゃ笑い話になるだろうが」と誰も指摘しなかったのか。 本シリーズは、フロドが指輪を捨てる旅の過程を描いたもの。つまり、フロドが主人公の筈。だが、戦士アラゴルンの方がずっと目立っていた。第三作ではフロドが挽回するのか? ゴラムについて。個人的な意見だが、観ていて気味悪かった。そういうキャラなのだから仕方ないのかも知れないが、次回作は登場回数を減らしてほしい。 そういえば、第一作の字幕を担当した戸田奈津子は、あまりの酷さに本作では下ろされると聞いていたが、下ろされてなかった。原作の翻訳者が協力者として加わっていたが……。 関連商品: ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 ロード・オブ・ザ・リング/知られざる中つ国 王の帰還編 ロード・オブ・ザ・リング ロード・オブ・ザ・リング/知られざる中つ国 二つの塔編 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.24 14:51:36
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