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非常に適当な本と映画のページ

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2006.11.20
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カテゴリ:洋書

 ウィリアム・フリードキン監督の映画にもなった小説。小説・映画がいずれも傑作という数少ない例。


粗筋

 クリス・マクニールは女優で、仕事の為ワシントンにいた。12歳になる娘のリーガンと一緒に住んでいた。
 クリスは、リーガンの言動の異常に気付く。本人以外誰もいない部屋で誰かと会話を交わしたり、その会話の相手がなぜか狂暴化して自分を追い回していると訴えたりするのだ。
 クリスは、精神科医に診せるべきか、とかかりつけの医師に相談する。かかりつけの医師は、精神病の症状と思われているものは実際には脳障害であることが多い、という。まず神経科医に診せるべきだとアドバイスする。
 クリスは不安に思いながらもリーガンを神経科医に診せる。神経科医は様々な検査を行う。神経系の異常なら直ぐ分かる、と。しかし、どの検査にも異常は見られなかった。にも拘わらず、リーガンの症状は悪化する。まるで別人になったような言動を繰り広げるのだ。
 打つ手をなくした神経科医は、ついに精神科医に診せることを提案する。クリスはなぜ最初からそうしてくれなかったのかと思いながらも、娘を精神科に連れていく。
 精神科医も様々な検査を行う。母親の離婚と、父親が電話してこないことのストレスが原因ではないかと当初は思い、その方面で治療を続けるが病状は悪化するばかりで、回復の兆しさえ見えない。さじを投げた。
 リーガンは狂暴化し、悪魔に取り付かれているとしかいえない状態に陥った。精神科医はクリスに提案する。悪魔払いをしてみたらどうだと。悪魔払いそのものに効果があるのではなく、儀式の模様が患者を精神的に刺激し、患者自身が自分を「治癒させる」効果があるのだ、と。
 クリスは、側の教会で、精神科医でもあるカラス神父を探し出し、悪魔払いをしてほしいと頼む。
 カラス神父はそんなことはできない、と拒否する。悪魔払いは教会でさえ時代遅れと見なしており、悪魔払いを望む者が本当に必要なのは医者なんだ、と。悪魔払いを行うにも上層部からの許可が必要で、その申請にも悪魔に取り付かれているという決定的な「証拠」がなければ無理だ、と。ただ、クリスの説得で、カラス神父はリーガンに会うことにした。
 リーガンと会ったカラス神父は、精神科医と聖職者の立場からリーガンの症状を調べ始める。最初は疑っていたカラス神父だが、ついに悪魔払いの許可を申請する。
 教会上層部は悪魔払いを許可する。カラス神父は悪魔払いの経験がないので、経験のある老神父を送り込む。メリンだ。
 メリン神父とカラス神父は悪魔払いに挑むが……。


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解説

 以前読んだことがあるので、再読ということになる。
 最初に読んだのは10年前。通常は、10年前に文句なしに面白いと思った小説も、10年経ってから読めば少しは印象が変わるはず。
 あまり変わらなかった。
 少し前映画のディレクターズカットを観ていたこともあったのだろう。その場面が蘇ってきて、無理なく頭に入っていくのだ。
 映画同様、最初はたるいものの、いつの間にか核心に入っていて、ずんずん引き込まれていった。途中、ゾクッとする場面が散りばめられ、ラストになだれ込む。最初から最後まで紙面から異様な雰囲気が漂う小説だった。
 大抵の本は、読むのを簡単に中断できるが、本書はなかなかできず、3日足らずで読み終えてしまった。この点も10年前に読んだ時と同じだ。
 400ページ弱という長さもいい。最近の本は400ページ以上、500ページ以上が当たり前。その割には中身が薄い。しかし、本書は中身が濃い上に、長さを感じさせなかった。
 問題点と言えば、無駄なキャラがいることか。キンダーマン警部と、ダイヤー神父である。いや、双方とも重要な役割を果たすので、無駄なキャラではないのだが、言動が気に入らない。キンダーマンもダイヤーも図々しい感じで、読んでいて腹立たしく、そういう場面に限って長々としている。
 キンダーマンはコロンボを真似たのだろうか? いや、1971年の作品だから、コロンボがキンダーマンをお手本にしたのだろうか。昔はこういうキャラも楽しめたが、今は楽しめない。
 映画では、リーガンが明らかに悪魔に取り付かれていたが、原作の方はそれほど明らかではない。どんな奇妙な現象に対しても、科学で説明できないわけではない、という風になっているからだ。
 結局リーガンは悪魔に取り付かれたのか、それとも単なる病気だったのか、という疑問は、読者それぞれの判断に任せる、というスタンスなのである。ま、フィクションなので、前者に偏っているが、見方によってはリーガンの心の病に周りの者が奔走され、あのラストに至ったという結論にも達することができるのだ。
 この点に関しては、ブラッティは上手いというしかない。
 ブラッティがこの後小説を書いたという話は聞いていないのは残念である。ブラッティは映画エクソシスト3の製作に携わったが、あまり成功しなかったようだ(エクソシスト2には全く関わっていない。駄作だった)。



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Last updated  2006.11.20 15:40:01
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