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非常に適当な本と映画のページ

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2006.11.26
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カテゴリ:洋書

 ジャック=フロスト警部シリーズの第一作。1984年の作品である。
 本シリーズにはA Touch of Frost、Hard Frost、Night Frostなどがある。日本で翻訳されたのは1990年代に入ってから。日本では評判が特に高く、本作品は海外ミステリーランキングで1位になり、別のシリーズ作も数年後に1位にランクされた。本国のイギリスではテレビシリーズになっているそうだ。



粗筋

 イギリスの首都ロンドンから数時間の距離にあるデントン。クリスマスまであと数日というある日。8歳の少女トレーシーが失踪する。
 デントン市警の名物警部フロストが捜査に当たる。
 トレーシーは母と二人暮らし。母は娼婦で、失踪直前まで「仕事」をしていた。フロストは最後の「客」が怪しいと睨み、捜査を進めるが、いかがわしい人物でありながらも失踪事件とは無関係だった。トレーシーの友人も調べ、それをきっかけにトレーシーが通っていた教会が怪しいと睨むが、ここもいかがわしいことをしていながらも失踪事件とは無関係だった。
 デントン市警は、予知能力があるという「魔女」の意見を求める。「魔女」のマーサは、死体は森にある、と言った。フロストは疑いながらも森を探すと、死体を発見した。ただ、失踪していたトレーシーではなく、30年前に殺害された男性の変死体だった。
 変死体は銀行行員で、自分が働いていた銀行の現金輸送車を襲って金を奪い、姿をくらましたと思われていた男のものだった。元行員は射殺されていた。
 フロストは、少女失踪事件と、30年前の銀行強盗事件を抱える羽目になる。
 その後、トレーシーの死体が発見される。
 フロストは、30年前に現金輸送車を運転していて、「強盗」に怪我を負わされた行員の家を訪ねる。行員は射殺されていた。30年前の事件と同じ銃から発砲されたと断定された……。


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解説

 真相は次の通り:
 トレーシーは、マーサを「魔女だ、魔女だ」と罵って石を投げていたら、マーサの猫が石の直撃を受けて死んでしまった。怒り狂ったマーサはトレーシーを絞殺してしまった。
 マーサは死体を処分しようと考え、森で穴を掘ったところ、別の死体を発見してしまった。その時点で警察が訪れ、トレーシーの失踪に関して意見を求めたので、捜査を撹乱するために自分が発見した死体の居所を「予言」で教えたのである。
 元行員を30年前に殺したのは、銀行の金を使い込んでいた別の行員だった。強盗に見せかけて銀行の金を横取りしようと企んだのだが、失敗した。仲間の行員を射殺し、死体を埋める羽目になったのである。

 本作品のどこが高く評価されたのか分からない。
 この程度で海外ミステリー1位に選ばれるとは驚きである。
 フロスト警部を含む登場人物が魅力的だといわれるが、そうとも思えない。

 ジャック=フロスト。妻を亡くしたため帰宅の意味がない、ということでワーカホリックになり、それを部下にも強制する……。

 ……そんなに凄いキャラではないだろうが。容姿がずぼらで冴えない、というのもコロンボの二番煎じみたいである。
 フロストがトレーシー殺害の犯人を突き止めたのも、死体が発見され、猫の毛が付着していたからで、死体が発見されなかったら、フロストは下手すると永久に犯人を突き止められなかったことになる。
 銀行員殺人も、フロストは「あいつが犯人に違いない」と勝手に決め付け、容疑者の家に侵入したところ、容疑者が犯行に使った銃で反撃したことから、犯人だと断定されたのである。犯人が別の銃を使っていたら、フロストは単に住居侵入罪で逮捕されていただけになっていただろう。
 つまり、フロストでなければ解決できなかった、という事件ではなかったのである。
 警察署内の同僚らが昇進にしか興味がなく、フロストの捜査を妨害する、という展開も、発表当時はともかく、現在ではありふれていて、新鮮味はない。
 一つの作品で二つの大事件といくつもの小事件を扱ったことで、焦点が分散してしまい、いずれの事件もどうでもよくなってしまった。読者である自分だけでなく、作品内のキャラにとっても、である。
 原書は380ページだったが、中身の割には分厚い感じがした。大事件だけに絞り、登場人物を減らす(ロンドンから赴任してきた新米刑事は必要性がないように感じた)など、もう少し整理して250ページ程度にした方がすっきりとした作品になっていた筈。
 また、イギリスの小説では当たり前なのかどうか分からないが、視点が次々切り替わる。フロストの思考の直後に別の登場人物の思考が記されている。日本の小説作法では、たとえ三人称でも、こういうことはしてはならない、とくどいほど言われているのだが……。
 本作にはsod(馬鹿野郎)やfag(たばこ)やarse(ケツ)などの用語が出てくる。
 sodはアメリカではこの意味で使われないし、fagはアメリカでは「ホモ野郎」という意味になるし、アメリカではarseではなくassと表記される。
 同じ英語でも、アメリカとイギリスでは単語の使われ方が違うんだな、と実感した。



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Last updated  2006.11.27 09:21:16
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