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非常に適当な本と映画のページ

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2006.12.18
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カテゴリ:洋画

 4代目007のティモシー・ダルトン初登場作。
 原題は「THE LIVING DAYLIGHTS」。


粗筋

 時は冷戦が終わりかけ、東側と西側が融和に向かっていた時代。
 ソ連諜報部KGBの高官コスコフが、西側に亡命。「自分の上司プッシュキン将軍が西側との融和政策に反対していて、西側諸国の諜報局の者を暗殺する計画を立てている」とぶちまける。その直後にKGBと思われる工作員が強襲し、コスコフをさらってしまった。
 西側は、「冷戦時代に逆戻りになったら困る」と判断し、プッシュキン将軍を始末することにした。
 しかし、007は納得しない。自分はプッシュキン将軍を知っている、そんな狂ったことをする男じゃない、亡命はガセだったのではないか、と。しかし、上層部はプッシュキン将軍暗殺を決定してしまう。007は、プッシュキン将軍を始末する間に周辺を調査することに。
 007は、コスコフの恋人(女流チェリスト)に接近し、彼女に何も知らせないまま西側に連れて行った。彼女なら何か知っているのではないか、と考えたのだ。
 007は、調査の結果、真相を知る。コスコフは、麻薬も扱う武器商人ウィテカーと組んで、KGBの資金を横領していた。それをプッシュキン将軍に悟られたので、西側に始末してもらおう、と企んだのだった。西側がプッシュキン将軍を始末すれば、冷戦も激化し、ウィテカーの仕事も増え、まさに一石二鳥だったのだ。無論、コスコフを「さらった」のはKGBではなく、ウィテカーの手下だった。
 007はコスコフとウィテカーの陰謀を阻止する為に動く……。


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感想

 本作は、イアン・フレミング原作のタイトルを借りた最後の作品(短編小説で、その内容は部分的に本作で活用されている)。本作以降、007シリーズは原作にはないオリジナルのタイトルが付けられるようになる。
 また、本作はロジャー・ムーアが7作(最終作は美しき獲物たち)で降板し、4代目としてティモシー・ダルトンに決定してから初めての作品でもある。
 ストーリーが何となくロジャー・ムーア時代の007ぽいのは、脚本が元々ロジャー・ムーアが出演することを想定して準備されていたから。無論、ダルトンの出演が決まってからは、かなり手直しされたが。

 本作が公開された時点ではまだソビエト連邦がまだ健在とあって、ストーリーは冷戦時代そのもの。今となっては、「東側から西側に亡命」なんて言っても、何のことだかよく分からない鑑賞者が多いだろう。その意味では、古臭くなってしまっている。

 007は、他の多くの作品で見られるように、世界各地を飛び回る。作中の会話を少しでも聞き逃すと、「なぜ007はそこに行ったんだろう?」と訳が分からなくなるので、気を付けて聞く必要がある。その分、何度も見ればいいのかも知れないが。

 製作当時、ダルトンはまだ四十代前半だった。そんな訳で、身のこなしの良さはロジャー・ムーア007に慣れていた者からすると新鮮に見えた(ロジャー・ムーアはアクションシーンが苦手で、ちょっとしたアクションシーンでもスタントマンを使っていたらしい)。顔付きもシリアスで、「アクションコメディに成り下がっていた007から脱したかった」というプロデューサーの意向に沿っていたといえる。
 自身の性格に合わせて007を演じていたムーアとは一転して、ダルトンは「フレミングの原作で描かれている通りに007を演じるべき」と信じていたこともあり、007は「女が好きではあるが、いざという時は非情なスパイに」という風に描かれている。
 脚本は前述した通りムーアを想定しているので、「ムーア007の軽さ」と「ダルトンが出したかった真剣さ」が絶妙なバランスの上に立っていて、ユーモアがありながらも緊張感あるタイトな作品に仕上がっている(この後に続いた「Licence to Kill」は、当然ながらムーア色が完全に排除されており、シリアスであるものの暴力的で、全体的に地味な印象の作品になってしまっている)。

 ボンドガールを演じたのは、マリアム・ダボ。
 ぶっ飛ぶほどの美人ではないが、観るのが嫌になるほどの不美人でなく、バランスが良い。作品に合っているといえる。
 演じている役(女流チェリスト)も、嫌悪感抱くほど無能ではない一方、007と主役争いをするほどでしゃばることもないので、餡陣して観ていられた。

 本作は、まだ冷戦時代に製作されたこともあって、「冷戦」や「KGB」や「亡命」など、「スパイ」らしい作品に仕上がっている。
 本作以降の作品はソ連崩壊直前、もしくはソ連崩壊後に製作されているので、「スパイ」らしさがなくなっており、単なるアクション映画に成り下がってしまう。
 その意味では、ダルトンは最適の時期に007になったと思われる。逆に、それが007映画の存在意義が問われ、ダルトンが2作で降板する羽目になった理由でもあるのだが。

 アフガニスタンの描き方も、現在となっては違和感が。
 作中では聖戦士ムジャヒディンが、アフガニスタンに侵略していたソ連軍と抵抗していた勢力とあって友好的に描かれているが、現在だったらそうは描けないだろう(21世紀初頭にアフガニスタンに侵略したのはアメリカ)。

 バランスが非常にいい作品で、ティモシー・ダルトンがロジャー・ムーアの後任として比較的抵抗なく受け入れられたのが納得できる。
 残念ながら、扱っている題材が古臭くなってしまっている。
 007ファンの間ではダルトンの評価は低いが、個人的には嫌いではない。少なくとも、ブロスナン007の最終作(ダイ・アナザー・デイ)より10倍マシだし、クレイグ007第一作(カジノ・ロワイヤル)にも引けを取らないと思う。


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Last updated  2006.12.18 08:54:55
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