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カテゴリ:洋画
ジャッキー・チェンとクリス・タッカーの異色刑事コンビがで大暴れするヒットシリーズ第3弾。 監督は第1弾、第2弾と同じブレット・ラトナー。 他に真田広之、工藤夕貴、マックス・フォン・シドーも出演。 粗筋 在米香港領事館のハン大使(第1弾にも登場、役者は異なる)が、中国マフィア(トライアド)のリーダーとされる「シャイシェン」の存在を突き止めた。 それを国際裁判場で公表しようしたところ、何者かに狙撃される。リー捜査官(ジャッキー・チェン)は、狙撃者を追う。そして、その身元を突き止めた。孤児院時代を一緒に過ごした「兄弟」のケンジだったのだ。リー捜査官は驚きのあまり、ケンジを逃してしまった。 ケンジ一味は、命を取り留めたハン大使と、その娘スーヤン(第1弾にも登場、役者は異なる)を再び襲う。リー捜査官とカーター刑事(クリス・タッカー)は、それを阻止することに成功。奇妙なことに、襲撃団は、中華系にも拘わらず、フランス語を喋っていた。 「シャイシェン」はフランスにいる、と考えたリー捜査官とカーター刑事は、フランスへ飛ぶ。 そこでは女暗殺者ジャズミン(工藤夕貴)が待ち構えていた。 リー捜査官とカーター刑事は、その襲撃に耐えながら、「シャイシェン」についての真実を知る。 「シャイシェン」は、人物の名前ではなく、中国マフィアの13人のリーダーの名を記したリストだったのだ。しかも、そのリストは、ある女性――ジュネヴィエーブ――の身体に刺青として記されていた。 ハン大使に「シャイシェン」の存在を教えたのは、その「シャイシェン」を刺青として彫られたジュネヴィエーブ本人だったのだ。彼女は保護を求めていたのだった。 リー捜査官とカーター刑事はジュネヴィエーブを保護することに成功。 しかし、ケンジはそれに対し手を打っていた。スーヤンを誘拐していたのだった……。 感想 ジャッキー・チェン出演作とあって、アクションシーンの連続。 というか、スタントシーンのドキュメンタリーを制作していたところ、「それだと売れん」ということでストーリーらしきものをスタントシーンの間に織り込んだ、といった感じ。 そんな訳で、ストーリーを細かく分析していたら気が狂うだろう。 世界中で犯罪行為を繰り広げているトライアドが、アメリカにいるハン大使を襲う暗殺者を現地調達せず、わざわざフランスから連れて来る。 暗殺集団がフランス語をペラペラ喋るのを聞いて、『「シャイシェン」はフランスにいるんだ!』とリー捜査官とカーター刑事が早合点する。 そんなあやふやな理由にも拘わらず、警察組織はリー捜査官とカーター刑事がフランスへ行くことを許可する。 トライアドは、フランスでリー捜査官とカーター刑事を待ち構えているが、その割にはなかなか殺せない。 トライアドのリーダーの名を記したリスト「シャイシェン」を女性の身体(後頭部)に刺青して、トライアドのメンバーに周知させる(周知させた後、女性は斬首される。ジュネヴィエーブはその事実を知って組織を裏切ることに)、という方法は、500年前は合理的だったのかも知れないが、情報伝達法が発達している現在でも活用する、というのはどうかね。作中でも指摘されているように、ファックスでも使えばいいのである。 映画は、ケンジや黒幕(マックス・フォン・シドー演じる国際裁判官。中華マフィアなのに白人がメンバーということは、中華マフィアも国際化している、ということか)が死ぬところで「めでたし、めでたし」となって終わっている。今後スーヤンなどがトライアドに狙われることはない、て保証はないのだが……。 ……というように、ストーリー的には、問題を挙げたら切りがない。 しかし、本作はスタントアクションを楽しむ映画。 そのスタントアクションは、主役のジャッキー・チェンが自ら(スタントマン抜きで)演じている上、悪役の真田広之もJAC(ジャパンアクションクラブ)に所属していたこともあり、迫力満点。 ジャッキー・チェンは既に50代とあって、動きに以前ほどの切れはなかったけど。 ストーリーがあまりにもおざなりになっているので、主役のジャッキー・チェンとクリス・タッカーはともかく、他の役者の存在感が薄い。 悪役を演じる真田広之も、存在感を示そうと必死のようだが、台詞が少ないか、アクションシーンに巻き込まれてばかりいるので、空回りしている感が。 せっかくのハリウッド映画でメジャーな役割を与えられているのに、勿体無い。 女暗殺者ジャズミンを演じていた工藤夕貴は、正直ケバイオバサン、といった感じで、ちょっとがっかりだった(工藤夕貴のネット上での評判の悪さにはびっくり)。 ただ、さすがハリウッドで活躍していた経験もあり、英語の発音はかなり良く、不自然さは感じさせなかった(偶に日本人俳優が英語の台詞を喋るのをお目にかかることがあるが、「こんなの使うなよ」と思ってしまうことが多い)。 日本では評判が悪くても、「英語が流暢な日本人女優」となると彼女以外いないのではないかね。ハリウッド映画に出演する以上、英語の発音がまずいと無理だから。 彼女も、真田広之と同様、少ない出番で存在感を必死に示そうとしているが、役を演じている女優というより、「動く小道具」扱いなので、結局存在感は薄い。 日本人にとっては馴染みのある役者が2名も出演していながら、いずれもまともな扱いを受けていないのは残念である。 本作は、アクションムービーであって、バイオレンスムービーではない。 したがって、銃撃シーンはあるものの、殆ど誰も死なない。 カンフーアクションも、デモンストレーションのようになっていて、血肉が飛ぶようなものではない。 死人は出るが(ケンジとジャズミンと黒幕の国際裁判場判事)、バイオレンス性は薄めてある。 ファミリームービーとは言えないものの、胸糞悪くなるようなものになっていないので、安心して観られるのは良い。 本作は、CGに頼らない最新スタントのプロモーションビデオをちょっとストーリー仕立てにしたもの、として観れば、満足できる。 とにかく、本作は「頭を空っぽにして観て、観終わった後は観たという事実以外は何もかも忘れて結構」というお手軽映画である。 ジャッキー・チェン出演作にそれ以外を求めるのは無意味というもの。 関連商品: ラッシュアワー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.06 00:03:17
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