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非常に適当な本と映画のページ

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2010.05.04
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カテゴリ:洋画

 1981年に公開されたギリシャ神話スペクタクルのリメーク。
 ペルセウス役にはアバターで主役を演じたサム・ワーシントン、ゼウス役にはスターウォーズ:ファントム・メナスのリーアム・ニーソン、ハデス役にレイフ・ファインズ、アンドロメダ役にアレクサ・ダヴァロスをキャスティング。


粗筋

 オリンポスの神々が世を君臨していた時代。
 人間は神々の横暴に疑問を抱き始めるようになり、神々に対し反乱を起こすようになった。その中に、都市国家アルゴスがあった。
 神々の王ゼウスは、自身が創造した人間をどう扱うべきか悩んでいた。そんなところ、ゼウスの兄弟の一人であり、冥界の王であるハデスが言う。反乱を起こす人間を罰さなければならない、アルゴスは滅亡させるべきだ、と。
 ゼウスはそれに同意する。
 ハデスは直ちにアルゴスに出向き、アルゴスの王に告げる。王の娘アンドロメダを生け贄として捧げよ、と。さもなければオリンポスの神々がそれ以前に世を支配していたタイタンの神々を滅ぼす為にハデスが生み出した怪物クラケンを放つ……。
 アルゴスの王は、自分の国が滅亡されるのを防ぎたかったが、といって娘を犠牲にしたくもなかった。
 そんなところ、アルゴスにある若者がいることを知った。ゼウスの息子でありながら人間として育てられたペルセウスである。ペルセウスならアルゴスも娘も救える方法を見付けることが出来るのではないか、と考える。
 自分が半神半人で、ゼウスの息子である事実を知ったばかりのペルセウスは、乗り気ではなかったものの、育ての親をハデスに殺された彼はハデスを倒す機会が得られるなら、と判断し、仲間と共に旅に出る。
 3人の魔女らのお告げで、クラケンを倒す方法を教えられる。黄泉の世界に生きるメドゥーサ(見つめられただけで石になる怪物ゴルゴンの1人)の首をクラケンに見せれば、クラケンを倒せるだろう、と。
 ペルセウスと仲間は、メドゥーサが住む場所へと急ぐ。


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感想

 元々のストーリーはギリシャ神話。
 したがって、大抵の人(少なくとも欧米人)は、ストーリー運び、そして結末は大体知っているので、その面でのサプライズはない。
 後は映像で魅せるしかない。
 オリジナルが製作されたのは1981年。当時は無論CGなどなかったので、ゴルゴンやクラケンなどの怪物は全てストップモーション方式(特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンによる。オリジナルは出演者や監督の名よりハリーハウゼンの名が先に出される」)で撮影された。
 今回のは21世紀でのリメークなので、怪物は当然ながら全てCG。時代を感じさせる。
 技術的にはCGの方がストップモーションより進んでいる筈なので、リメークの方が凄い映像になっていて当然と思われるが……。CGだと「何でもアリ」となってしまい、「綺麗だけど何だかな」と思ってしまうから不思議。オリジナルの方も、再見すれば「動きがカクカクしていて不自然」と思ってしまうのかも知れないが。
 本作は2Dバージョンと3Dバージョンが公開され、基本的には3Dで観る事を前提としている様である。ただ、映像の為の映像の様で、物凄い映像を見せられているのだが、あまり感情移入出来ない。

 本作では、ゼウスやハデス等のオリンポスの神々が登場。
 ペルセウスが如何にしてクラケンを倒すか、という物語が中心だが、実際には神々同士の戦い。冥界の王ハデスが、兄でもあり神々の王であるゼウスを倒して自ら神々の王になる陰謀を抱く、という運びなっている。
 ゼウスはそんな陰謀など全く知らず、ハデスの思うままに動いて自身を滅ぼす一歩手前までに追い込んでしまう。傲慢で、強いようで弱く、都市国家一つを丸ごと滅ぼすほど無慈悲なようでありながらやけに息子のペルセウスを気にかけている。複雑というか、訳の分からない登場人物。
 影の主役であるゼウスがこんな調子だから、ストーリーもどことなくいい加減。
 ペルセウスは半神半人である事を悩んでいて、初めは実の父親であるゼウスを恨むが、いつの間にかゼウスと意気投合し、ゼウスが与える武器をガンガン使い、ゼウスの命令でハデスが放ったクラケン、そしてハデスを倒す。そもそもゼウスが「人間をこらしめてやろう!」なんて考えなければペルセウスは単なる漁師として地味ながらも幸せな一生を過ごせただろうに。が、ペルセウスはそれについて完全に忘れ、ゼウスと仲直り。ハデスも神であるので、倒した、といっても死んだ訳ではなく、単に冥界に戻されただけ。復活の余地はある、という事になっている。
 結局何の為の戦いだったのか。

 ペルセウスは、数人の旅の仲間と共にメドゥーサを倒しに行く。
 旅の仲間は、それなりに有名な俳優らが演じているのだが(その内の一人であるドラコは、007/カジノロワイヤルで悪役ル・シフルを演じたマッツ・ミケルセンによって演じられていた)、本作ではいずれも雑魚扱い。あっという間に倒されていく。それまでは半神半人のペルセウスを上回る戦闘力を披露していたのに、である。
 正直、ペルセウスが最初から単独で行動していた方が、ストーリーとして分かり易くなっていたと思うが。

 オリジナルでは重大な役割を果たす(生け贄になるのだから当然)アルゴス王の娘アンドロメダも、本作では脇役扱い。不美人、と貶す程ではないが、飛び抜けた美人という訳でもない。正直、アンドロメダの侍女の一人(演じていた女優の名前は分からない)の方が美人に見えた。
 オリジナル(そして神話)では、ペルセウスとアンドロメダは結ばれるのだが、本作ではペルセウスは「自分は漁師。王になれない」と拒否。その代わりに、ペルセウスを誕生の時点から見守っていたという半神半人の女性イオと結ばれる。オリジナルや神話を知っている者からすると、信じられないウルトラC(イオは旅の仲間で、メドゥーサの首を取る途中で死んでしまうが、ゼウスがラストで復活させる。神、て凄いのか、凄くないのか分からない)。

 本作でペルセウスを演じるのはサム・ワーシントン。アバターで軍人役を演じていた。それの繋がりからか、坊主頭。
 そのせいか、現在の海兵隊兵士が古代ギリシャにタイムスリップしてしまったかのようで、やけに場違いに見えた(他の男性役者は当時の服装を反映してか、長髪が多かったので、ますます違和感が)。
 どうしてもギリシャの英雄には見えなかった。

 本作には、オリジナルのオマージュも。
 ペルセウスが旅立つ前に、兵器保管所から機械仕掛けのフクロウを見付け、「何だこれは?」と訊いたところ、旅の仲間が「そんな物持って来るな」と切り捨てるシーンがある。この機械仕掛けのフクロウ、オリジナルでは案内役という重大な役割を果たすのだが、本作ではこれでお役御免。二度と登場しない。「本作のペルセウスはあくまでも人間として任務を遂行する。機械仕掛けの道具なんかには頼らない」という製作者側の意思表明だったのかも知れない。
 ただ、こんな扱いではオマージュというより、単なる皮肉。
 個人的には、「スーパーヒーローペルセウスの戦いではなく、人間ペルセウスの戦い」にこだわり過ぎた感があるのが本作の問題点だと思うのだが。

 本作の最大の問題点は最近のハリウッド映画の典型になっている事か。
 やけに必死に大作として認識されたがっている。
「スーパーヒーローペルセウスの戦いではなく、人間ペルセウスの戦い」「人間と神々との対立」を描く事にしたのも、それが最大の理由だろう。
「人間を描いていない」作品は「単なる娯楽映画」としか認識されず、評論家らの受けが悪くなるのだ(こうした下らぬ事情は邦画も洋画も同じらしい)。
 ただ、人間を描きたがっている割にはどのキャラがきちんと描き切れていないし、ストーリーもご都合主義的な部分が多く、B級感が抜けない。
 A級映画として観るには薄っぺらだが、B級映画にしては予算がかかり過ぎ。
 どっち付かずなのである。
 オリンポスの神々がどうのこうのという部分を端折って、単なるヒーロー物にしていたら、完全なB級映画になって、観易くなっていただろうに。
 金をかけているだけにB級に出来ない、という事情はあるのだろうが。

 本作は、ギリシャ神話を元にしているものの、ギリシャ神話をそのまま映画化したものではない。
 現代的な思想が入っていて、ギリシャ神話を捻じ曲げている部分が多々見られる。
 ゼウスは、兄弟らとタイタンの神々を倒した後、自身を天空の支配者とし、ポセイドンを海の支配者、ハデスを冥界の支配者とした。
 本作では、「ゼウスは、自身を神々しい天空の支配者に据える一方で、ハデスを騙して陰気な冥界の支配者にした」となっているが……。
 冥界イコール陰気、というのはキリスト教的な思考。
 当時のギリシャ神話では、天空・海・冥界に優劣はなかった。善人は昇天し、悪人は地獄に落ちる、というのは後世の考え。古代ギリシャの考えでは、死んだ人間は善人だろうと悪人だろうとハデスが支配する冥界に行っていた。
 ハデスを悪の象徴みたいに描くのは間違い。
 怪物ゴルゴンも、観た者を魔法のように石に変えてしまう、となっているが……。本来は別に魔術でも何でもなく、単に醜いだけ、となっている。あまりにも醜いので、観たものが固まってしまうどころか石になってしまう、ということ。
 他にもギリシャ神話とは異なる部分が多い。
 元のタイタンの戦いも、ギリシャ神話のペルセウス物語からはかなり乖離していた(本来のギリシャ神話では、ペルセウスは偶々通りかかったところにクラケンの生け贄になりそうだったアンドロメダがいたのでメドゥーサの首を使って救出し、妻とした)。本作はそれのリメークだから、ますますギリシャ神話から乖離している。タイタンの戦いをリメークするのではなく、いっそ原点に戻り、ギリシャ神話を忠実に映画化していた方が、面白いものになっていただろうに、と思う。

 CGをふんだんに使っているので、映像的には見所があるのだが、観終わった後に何か残るのか、というとそうでもない。
 最近の映画は邦画・洋画に関係なく、こんなのばかりな感じ。


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Last updated  2010.05.04 10:24:24
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