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非常に適当な本と映画のページ

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2010.06.25
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カテゴリ:洋画

 ヴァル・キルマー出演のサスペンス。
 日本では劇場未公開。
 原題は「THE SALTON SEA(ソルトン湖)」。


粗筋

 ダニー(ヴァル・キルマー)は、覚醒剤中毒者。覚醒剤中毒者のグループで戯れる中、モーガンとガーセッティの二人の刑事のタレコミ屋として働いていた。
 ……というのは、表向きの話。ダニーは、実は本名をトムといった。1年前、トムは、ソルトン湖でドラッグ絡みの事件に巻き込まれて妻リズを殺されていた。妻を殺したのは、強盗を装って押し入ったモーガンとガーセッティだった。悪徳警察官が相手では、迂闊に手を出せない。決定的な証拠もない。そんな訳で、トムは、身元を隠し、名前をダニーと変え、二人のタレコミ屋となることで、復讐の機会を探っていたのだった。
 そんなある日、モーガンたちは、ダニー/トムに逃亡を勧める。以前、ダニー/トムの密告である売人が逮捕されたが、その売人はコロンビアマフィアの一員だった。そのマフィアが、密告者を探し回っているのだと言う。コロンビアマフィアに捕まれば、ダニー/トムは確実に殺される。そこで、逃亡を勧めたのだった。
 復讐の機会を探っていたダニー/トムだが、コロンビアマフィアに狙われたとなっては、逃亡するしかない。しかし、急に逃亡を勧められても、資金がなければ無理。
 そこで、高飛びの資金を調達する為、ダニー/トムは危険な取引をある売人と交わす事に。
 しかし、その計画がモーガンとガーセッティの耳に入ってしまう。モーガンとガーセッティは、ダニー/トムが得る筈の金と薬を横取りする事にした。
 ダニー/トムにとって、これは一旦諦めかけていた復讐のチャンスだった。
 ダニー/トムは、取引の場にモーガンとガーセッティを誘き寄せる。ダニー/トムは、取引相手を倒すのと同時に、モーガンとガーセッティも倒す。
 復讐を終えたダニー/トムは、金を持って逃亡を図ろうとするが、その場に居合わせたコロンビアマフィアの者に撃たれる。
 コロンビアマフィアの者は、ダニー/トムを殺したと満足し、その場を立ち去る。
 しかし、ダニー/トムは間一髪のところで覚醒剤中毒者のグループの仲間に救出される。
 その後、ダニー/トムは、ダニーの身分も、トムの身分も捨て、生きる事にする。


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感想

 ヴァル・キルマー、という多少知名度のある俳優が登場するものの、殆どは無名、もしくは顔は何となく知っているが名前が浮かばない、という俳優ばかり。
 B級感が漂い、日本では劇場公開されなかったのも当然といえる。
 といっても、日本で大々的に劇場公開されるほぼ全ての邦画よりマシだが。

 演出には、斬新とは言えないが効果的なフラッシュバックが挿入され、ストーリーが分かり易くなっている。
 お陰で、ダニー/トムの背景を簡単に理解出来る。
 銃を扱う黒人の薀蓄のシーンも、ラスト辺りで効果的に再度挿入され、「これは上手いな」と思わせた。
 その一方で、コロンビアマフィアに撃たれ、死ぬところを覚醒剤中毒者のグループの仲間に間一髪で救出される、というのは都合が良過ぎる感がなくもない。めでたしめでたしで終わるのはアメリカ的。

 無論、ストーリー的には穴が多い。モーガンとガーセッティという刑事が、何故強盗を装って麻薬取引現場に突入するのか、分からない。
 麻薬取引現場は、銃がどこに隠してあっても不思議ではない危険な現場。
 そんな現場に、多少の金を目当てに、たった2人で突入するか。
 いくら金を集められても、突入の際に流れ弾に当たって負傷、もしくは死亡したら、何にもならない。
 突入前に銃がない事を確認しておいた、という事なのかも知れないが……。

 本作は、女性が3人程度登場するものの、脇役や端役ばかり。
 登場人物は全員男性と見ても良い。
 ヴァル・キルマーを含め、どの面も綺麗とは言い難く、悪人ばかり。
 ここまで色気がない作品も珍しい。
 日本映画だと、タレントの失業対策と言わんばかりに女性を無用に捻り込んでいただろう。
 アメリカは、少なくとも配役の面では優れている。日本もこれが出来れば傑作がもう少し増えるだろうに。

 プロットの大半は、ダニー/トムが麻薬を売買するイカレた連中と取引する場面。
 正直、イカレた連中があれこれ言うシーンを延々と見せられるのは辛い。
 ようやく事態が動き始めたと思ったら、ラストに達していた。

 本作は、ダニー/トムが負傷から回復し、ダニーという身元を葬り、トムとしての復讐も果たし、双方の身元を捨てたところで終わる。
 今後、彼がどうなるのか。
 コロンビアマフィアの目を完全に欺いたとも思えない。


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Last updated  2010.06.25 10:30:38
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