星見当番の三角テント

こんばんは、星見当番です。
占い以外のことで遊び呆けておりまして、テント更新が遅れてすみません。
今夜は牡羊座生まれの文筆家・画家・音楽家ほかアーティスト・パフォーマーによる
作品の中から、プレゼントによさそうなものを集めてお送りいたします。
まずは前篇、小説・絵本・漫画篇です。

まずは牡羊座のお子様に、牡羊座生まれの作家による児童書の贈り物を。
『人魚姫』『みにくいあひるの子』『赤い靴』のアンデルセンがまず牡羊座です。
アンデルセンの絵本は沢山出てると思うんですが、当番の独断と偏見によるお薦めは
射手座の挿絵画家・いわさきちひろが絵をつけた『にんぎょひめ』『あかいくつ』です。

当番、あの切ない話ばかり書くアンデルセンは魚座だと思い込んでいて
（なぜか足に関係のある話ばっかり書きますしね）、牡羊座だと知ったときは
ちょっと驚きました(^^;)。しかし牡羊座と知ってから読み返してみると
子供の頃読んでいたときの、ただ悲しく美しい話というよりは、
意外とシビアな（現実は甘くない系の）話が多いなというように感じますね。

人魚姫や赤い靴も、ヒロインが踊り続ける靴の呪いから逃れるために
足を切り落としたり、人魚姫の姉さんたちが髪の毛と引き換えに短剣をもらったりと
「切断」のモチーフが目につきます。原作人魚姫のあの暗さシビアさを思うと、
ディズニーの『リトルマーメイド』の能天気さは何なんだという気がします(^^;)。

牡羊座なのに人魚でちょっと怖いめつながりということでもうひとり。
『赤いろうそくと人魚』『月夜とめがね』の小川未明も牡羊座です。
なお小川未明は「日本のアンデルセン」とも呼ばれているらしいです。

牡羊座の童話作家・絵本作家、まだまだいます。
『14ひきのあさごはん』シリーズのいわむらかずお、小さいお子様に
根強い人気がありますね。現在、12冊出ていますのでお好きなエピソードをどうぞ。
両親・祖父母と10匹の子ネズミきょうだいによる大家族もかわいらしいのですが
レンゲやカタバミ、ホトケノザなど日本で普通に見られる身近な野の草が
正確にていねいに描きこまれているのも見どころのひとつです。
森や野原で遊ぶ14ひきの絵本を見たあとは、同じ花やどんぐりを探しに
お外にでかけたくなるかも？

いわむらかずおは『14ひきシリーズ』のほかにこどものための哲学絵本と題して
『かんがえるカエルくん』シリーズも出しています。14ひきシリーズの
繊細な濃淡を生かした絵と違って、こちらはベタ塗りで陰影なしのアニメ調。
しかし当番、『14ひきシリーズ』よりも実は『カエルくん』シリーズの方が
ストーリーにトボけた味わいがあって好きだったりします。福音館書店のサイトで
『カエルくん』シリーズの一部が立ち読みできます。

『木を植えた男』で知られるジャン・ジオノも牡羊座です。
色鉛筆で点描したような挿絵の大型絵本がたぶん一番知られていると
思うのですが、複数の出版社から色んな挿絵で『木を植えたひと』
『木を植えた男』として出版されているようです。

美しい影絵で知られる藤城清治も牡羊座です。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に影絵をつけた絵本がたぶん一番手に入りやすいですが
（これは絵本と、影絵アニメーションに朗読を組み合わせたDVDがあります）
クリスマスシーズンにプレゼントするなら聖書の有名なエピソードを影絵で綴った
『藤城清治　影絵聖書画集』なんかもよろしいかも。大人の牡羊座さんにもお薦めです。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』シリーズのかこさとし（加古里子）も牡羊座です。
なつかしい！というお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。当番も子供のころ
「かこさとしからだの本」シリーズを幼稚園で読んでました。『たべもののたび』とか
『むしばミュータンスのぼうけん』なんかよく覚えてます。『たべもののたび』はねえ、
最後やっぱりウ○チになるところが幼稚園男子に大人気（笑）。

後で大人向きの作家として紹介する橋本治も子供向けの本を何冊か出しています。
歌舞伎の忠臣蔵のストーリーを子供にもわかる平易なことばで書き下ろした絵本
『仮名手本忠臣蔵』、絵本ではないけれど、古事記をやはり平易なことばで書いた
『少年少女古典文学館　古事記』などがあります。

中学生以上だったら、古い本ですが『桃尻語版枕草子』もお薦め。
古語って面白い、古典の時代の人もフツーに現代人だなと思わせてくれる本です。
これ読んで、もっと大人になったら『窯変源氏物語』や『双調平家物語』も読んでね（笑）。
なお、特別なときのプレゼントというよりも何か必要があったときに
さらっと贈ってほしい橋本治のジュニア向け本としてはちくまプリマー新書の
『ちゃんと話すための敬語の本』があります。プリマーじゃない方のちくま新書で
『人はなぜ「美しい」がわかるのか』もたぶん、読める人は中学高校からOKじゃないかと。

ヤングアダルトから大人の牡羊座さんに贈る、牡羊座作家をご紹介しましょう。
『ジェイン･エア』のシャーロット・ブロンテがまず牡羊座さんです。
『嵐が丘』のエミリー・ブロンテのお姉さんです（エミリーは獅子座生まれ）。
『ジェイン・エア』は何度か映画化・ドラマ化されてますね。たしか漫画版もあった筈。

時代小説・歴史小説がお好きな牡羊座さんには『下天は夢か』『弥陀の橋は』の津本陽を。
シバレンこと柴田錬三郎も牡羊座です。『眠狂四郎』や『御家人残九郎』など
映画化・ドラマ化されている作品が多いですね。お好きな作品のDVDを贈るのも
いいと思います。

京極堂シリーズ、巷説百物語シリーズでおなじみ、京極夏彦も牡羊座です。
でもまあ…プレゼントにはしにくいですねえ京極夏彦の本って。
好きな人はもう持ってるだろうし。未読の人に贈るのには弁当箱だし。

同じく、「読めば本当に面白いのだけどプレゼントにしにくい本をかく牡羊座作家」には
当番の偏愛する橋本治がいます。当番、『窯変源氏物語』を一人でも多くの人に
読んでもらいたいと思うくらい好きだけど、全十四巻どーんとは、いくらなんでも贈れない…。
『ひらがな日本美術史』も好きだけど、あの大判七冊全部どーんとは贈れない…。
「橋本治の源氏物語翻訳（翻案）ノート」といった感じの『源氏供養』上下巻だったら
ぎりぎりプレゼント用にできるかな。ええと、古典がお好きな牡羊座さんだったらということで。

古典や歴史小説は好きだけど、もう少し柔らかめのがお好きだという牡羊座さんには
永井路子や田辺聖子の本をどうぞ。勿論ふたりとも牡羊座です。今年の大河ドラマ
『篤姫』の原案となった『天璋院篤姫』の作者、宮尾登美子も牡羊座です。

類稀なる嗅覚を持ち全てのものの匂いを嗅ぎ分けることができるのに、
自身には「匂いがない」という特異体質の調香師・グルヌイユの生涯を描いた
小説『香水　ある人殺しの物語』。作者のパトリック・ジュースキントも牡羊座です。
『香水』は『パフューム』として映画化もされました（脇役でダスティン・ホフマンと
アラン・リックマンが出演した濃ゆい映画。好き嫌い分かれるかも。って原作もですが）。
ジュースキントはほかに絵本『ゾマーさんのこと』の文章も担当しています。

『新解さんの謎』『超芸術トマソン』でおなじみ赤瀬川原平も牡羊座。
尾辻克彦のペンネームで小説も書いています。

『池袋ウエストゲートパーク』シリーズの石田衣良。
『博士の愛した数式』『密やかな結晶』『沈黙博物館』の小川洋子
（当番は『密やかな結晶』が好きです）。『外套』『鼻』のニコライ・ゴーゴリ。
戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いたエドモン・ロスタン。
『存在の耐えられない軽さ』のミラン・クンデラ。『今夜、すべてのバーで』
『中島らもの明るい悩み相談室』の中島らも。『愛人/ラマン』のマルグリット・デュラス。
『ガラスの動物園』『欲望という名の電車』のテネシー・ウィリアムズ。ほか、久世光彦、
庄司薫、吉行淳之介も牡羊座。詩人では金子みすヾとウィリアム・ワーズワースが牡羊座です。

漫画家で牡羊座だと『ハッピーマニア』『働きマン』の安野モヨコがいます。
『美人画報』など美容エッセイ漫画も出してますね。女性の漫画家だと、
『ときめきトゥナイト』の池野恋と『百鬼夜行抄』の今市子が牡羊座。
男性の漫画家では『スケバン刑事』『ピグマリオ』の和田慎ニ、
『ドカベン』の水島新司が牡羊座です。