猛暑の影響で秋の花の開花が遅れ、各地の行楽地に影響が広がっている。厳しい残暑は収まってきたものの、花は思うように咲いてくれず、鉄道の臨時ダイヤが空振りになったり、花のない「コスモスまつり」となったケースも。気象庁によると、10月も気温は全国的に平年より高い見通しという。北日本や標高の高い場所では紅葉の色づきが遅れる見込みで、残暑の余波はしばらく続きそうだ。
埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)。日本有数の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)(ヒガンバナ)の群生地で、赤いじゅうたんを敷き詰めたように咲く花を見るため、例年ならこの時期に約30万人の観光客が訪れる。しかし、今年は猛暑と少雨の影響で、まだほとんど花が咲いていない。 日高市観光協会の駒野辰雄さんは「地元の人も、ここまで咲き始めが遅いのは記憶にないと言っている。旅行会社などの中には1~2カ月前から予約を入れてツアーを組んでいるところもあり、まだ咲いていないと伝えるのが大変」と話す。 影響は鉄道会社にも及んでいる。西武鉄道は巾着田を訪れる人のために9月13日から、最寄りの高麗駅に止まる列車を増やす臨時ダイヤを組んでいる。だが、同社によると、定期券所有者以外の同駅利用者は昨年の半分以下。臨時ダイヤは26日に終了予定だったが、一部変更を加えて10月3日まで延長することにしたという。 新潟県長岡市の国営越後丘陵公園。園内の「花の丘」に広がる30万本のコスモスの開花時期に合わせ、9月4日~10月3日の1カ月間、「コスモスまつり」を開催している。ただ、肝心のコスモスは猛暑と大雨が原因で開花せず、ピンクや赤などのかれんな色で覆われるはずの丘は一面緑色のままという。 同公園管理センターの佐藤健太郎さんは「気温がなかなか下がらなかったので、花芽がつかなかった。当初の見込みより2週間以上開花が遅れており、見ごろは9月下旬にずれ込みそう。『まだ咲いていないのか』という問い合わせも増え始めており、少しでも早く咲いてほしい」と話している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.09.19 04:37:35
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