○山梨県立中央病院で残業代不払い、労基署が是正勧告
甲府労働基準監督署が、山梨県立中央病院(甲府市)に対して、勤務する医師約90人に対し2007年度の残業代の一部を支払っていなかったとして、是正勧告を行なった。
山梨県立中央病院によると、4月25日に労基署から立ち入り調査を受け、一日の残業は4時間までなどとする労使協定を上回って残業した場合に、残業代を支払っていなかったと指摘を受け、これに対して、同病院は「勤務実態を調査中で、不払いのあった医師には適正な残業代を支払いたい」としている。
同病院の医師の時間外労働については、県包括外部監査で、医師らが申請した残業時間と病院が認定した残業時間に年間計約1万2000時間の差があり、額にして総額約6200万円が支払われていないと指摘されていた。
○広島大病院、不払い残業代全額支給へ
広島大が大学病院職員の残業代を払っていなかったとして是正勧告を受けた問題で、不払い分は今年3月までの2年3カ月間で約1億9000万円に上ることが、大学側の調査で分かった。これに対し、広島大は退職者を含む271人に全額支給すると発表、同日、広島中央労働基準監督署に報告書を提出した。
広島大によると、2月の労基署の勧告後、医師や看護師、薬剤師ら約2000人の勤務実態を調査、271人から約8万9000時間分が不払いだったと申告があった。
越智光夫病院長は「調査結果を真摯(しんし)に受け止め、今後は法令を順守し、適正な労働時間管理を図っていきたい」とコメント。改善策として、時間外労働分の書類への記録を徹底、これまで事務職員が行っていた医師の労働時間管理を、実態が把握しやすい診療科長が担当する。
最近は、名ばかり管理職が注目されていますが、今後は労基署において残業代支払いに関する調査が増えてくることでしょう。企業は、サービス残業に依存していた部分がありますが、今後は労働時間管理が重要になってきます。
総務省が公表した2007年の「就業構造基本調査」によりますと年間の就業日数が200日以上の雇用者(役員除く)のうち、労働時間が週60時間以上働いている人が12.7%で、2002年の前回調査時に比べ0.8ポイント増加したことがわかりました。全体の1割強が1日あたり4時間以上の時間外労働をしている計算です。
また、週35時間未満の人は11.8%(1.7ポイント増)で、非正規雇用社員の割合が35.5%で過去最高となりました。
労働時間は増加傾向にあるようですが、この調査は実態を反映しているのでしょうか。私の知り合いを見ても、是認するわけではありませんが、この程度の労働時間働いている人は、けして珍しいものではありません。
自民、公明両党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・川崎二郎・元厚生労働相)は、日雇い派遣を原則的に禁止する案をまとめました。86年に労働者派遣法が施行されて以来、99年には対象業務が原則自由化され、04年には製造業派遣も認められるなど、一貫して規制緩和の流れが続いてきた労働者派遣制度は、規制強化に向けて転換点を迎えることになります。
PTの幹部会合で、(1)日雇い派遣については、通訳など専門性の高い業務を除いて原則的に禁止(2)派遣会社に手数料(マージン)の開示を義務化(3)特定企業だけに労働者を派遣する「専ら派遣」についての規制強化などについて合意しました。この合意をもとに、与党案を正式決定し、労働者派遣法改正案を秋の臨時国会に提出するようです。
以前より、雇用が不安定で、「ワーキングプア」(働く貧困層)の温床との指摘が多かった日雇い派遣については、原則禁止になります。ただ、雇用機会が減る可能性がありますので、例外対象業務としてどの程度認められることになるのでしょうか。
うつ病で自殺したのは、上司によるパワーハラスメント(地位を利用した嫌がらせ)が原因だとして、岩崎洋(ひろむ)さん(当時43歳)の妻洋子さん(46)ら遺族が、「前田道路」(東京都)に慰謝料など約1億4,500万円の損害賠償を求めた損害賠償訴訟で、松山地裁は1日、パワハラと自殺の因果関係を認め約3,100万円の賠償を命じました。
岩崎さんは2003年4月に東予営業所(愛媛県西条市)所長に就任しましたが、架空出来高の計上などの不正経理が発覚し、上司らは是正のため過剰なノルマ達成を強要、「会社を辞めても楽にはならない」などと執拗に何度も叱責しました。岩崎さんはうつ病を発症し04年9月、営業所敷地内で首つり自殺をした。
判決では「過剰なノルマの強要あるいは執拗な叱責として違法」と、会社側の責任を指摘し、「自殺は予見可能だった」として会社の責任を認めましたが、不正経理が上司の叱責のきっかけだとして、岩崎さん側に6割の過失があると認定し、賠償額を算定しました。妻の洋子さん(46)は「過失相殺の割合が納得できない」として控訴する方針。
これからは、パワハラに対する訴訟が増えてくる可能性もありますので、企業のパワハラ対応も重要になってくることでしょう。
福島県福島市の菅野法務労務事務所(行政書士・社会保険労務士事務所)です。
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