次はココ・デ・メール。有名な双子椰子じゃな。これくらいは聞いたことあるだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「知らんの?」
「知らん」
「しつこいけど、ヘビ年ですから、あんた、ほんまにここまで何しに来たん?」
「しつこいけど、私もヘビ年じゃわ。知らんもんは知らんわ!」
「やれやれ、わしをただただ疲れさすだけかいっ」
「ただただ疲れるようなとこを!選んだのだれよ?」
ただ、ここまでに辿り着くためだけに半日を費やしてしまい、しかもあちこちの筋肉痛や異常な喉の乾き、色々ひっくるめてすごい疲労感がある。
それでも、半ベソ状態の体力の消耗のなかで何故か心の底から笑いがこみ上げてくる感覚があるのは何故だろう?
それもこれも、何もかもひっくるめて、いつも近くていつも遠い隣人、ええ今ここにいる隣人のおかげなのだろう。
―――あなたの大切なひとの幸せは
あなたにとっての、幸せでもあるはずです―――
騒々しい珍客がだまりだしたとたん、カメくんたちは再び眠りに入った。
彼らと別れ、坂道をさらに進む。
生い茂る樹木の間に大きな岩の塊。
明日訪れるラ・ディーグ島のアンス・スール・ジャルダンと同じ感じのピンク色がかった大きな花崗岩がデンと座っていた。
「これ、海岸からどうやって移動したんかい?あ、元からあったもんか」
そもそも110あるセイシェルの島のうち、マヘ島も含めた42の島が花崗岩から形成されている島だ。
海岸だけでなく、島中どこもかしこも花崗岩。
島全体がアンス・スール・ジャルダン状態なのだろう。
実際にそうだった。
花崗岩の側には熱帯性タコノキがたくさん生え、ますますジャングルらしさを醸し出している。
真っ直ぐ伸びた坂道はここで三方向に別れる。
右の道を行きカフェテリアをめざした。
しばらく行くと石段を登り、椰子の葉で覆われた屋根の小屋に着く。
やはりカフェテリアは閉まっていて、木のベンチにふたり腰掛け、遅めの昼食を摂ることにした。
最初の計画では、ビィクトリア郊外にあるマリー・アントワネットや市内のパイレーム・アーツなど観光レストランでクレオール・ローカル料理に舌鼓を打つつもりだったが、どうでもよくなっていた。
疲労困憊で、食欲もあまりない。
それに、朝食がまだ腹に残っている。
シャンパンをガブガブ飲んだもんだから、つまみとばかり食べ過ぎたのだ。
日本から非常食にと持参した「SOY JOY(ソイ・ジョイ)」がリュックサックに三本ある。
カカオオレンジ、マンゴーココナッツをそれぞれ一本、そしてレーズンアーモンドをふたりで仲良く別けた。
自分はペットボトルにウィスキーの水割りも持ってきており、ウィスキーとソイ・ジョイという組み合わせ。
案外いける。
人工林ではあるが、自然に囲まれて気持ちよい食事タイムだ。
私たち以外に入場者はひとりも見かけない。
ときどき、木々をわたる鳥の羽の音や鳴き声が届くくらいで静寂に包まれている。
いつかここにいたことがあるような、なつかしい匂いが届く。
その匂いがなんだろうか思いを巡らしてみたがわからなかった。
ソイ・ジョイをポリポリ齧り、ウィスキーをチビチビやりながら、少し疲れがとれたようだ。
回りの風景をあらためてじっくり見渡してみる。
よく目をこらして見て見ると、普段みかけないような植物がたくさんある。
せっかくだからセイシェルの自然に触れてみよう。
まずは植物からだ。
わずか900メートル級とはいえ山岳があるマヘ島では、植物の群生は大きく4つの分布に分かれる。
海岸地帯、低山林地帯、中腹山林地帯そして高度山岳地帯である。
目を閉じ、まずはバルバロンなどの海岸部を歩いてみよう。
セイシェルの海岸には、さきほど延々歩いた、いや歩かされた道沿いでみかけたマングローブがまず目立つ。
その昔、島の発見者マヘ総督が上陸しようとした際、珊瑚のリーフを抜けてこの島に近づこうとしても、マングローブがかなり密生しておりなかなか上陸できなかったそうだ。
マヘ総督は平野部が比較的広い現ヴィクトリア辺りからの上陸を諦め、島の南西部から上陸したという逸話が残っている。
続いて最も南国らしいの植物といえば、やはり椰子の木だ。
一概に椰子の木といっても、セイシェルだけでもざっと6種はあるらしい。
とりわけココ・デ・メール(双子椰子)はセイシェルの固有種で、これは後で詳しく記しておきたい。
ほか、バルバロンの砂浜にはアサガオに似た紫色のビーチモーニンググロリーや白い花クリナムも咲いていた。
海岸線から一歩、内陸に向かうと、ル・メリディアン・ホテルからバス亭に向かう道すがらみかけたような花々が彩る。
マダガスカルに200種類分布されるといわれるランの一種、白い花アングレカム、同じくラン科で西インド諸島原産の紫色のエピデンドルムコなど。
また、南国らしくハイビスカスやブーゲンビリアが咲きほころび、火炎樹の木も多い。
そして、セイシェル固有種である赤い葉や枝をもつボワ・ルージュ。
果物の木も多い。
南国らしく野生のパパイヤ、ライム、パツション・フルーツ、バナナ、パイナップル。
高い樹木は、低山林地帯(1000フィート=約309メートル)に集中して分布し、セイシェル固有種のモミやクスノキがある。
外来種では、東南アジアやニューギニアに分布するアガティ、サントールなど。
次に、中腹山林地帯(1000フィート~1800フィート=549メートル)。
ホテルから山間部を抜けてヴィクトリアに至るバスの車中からみた風景に溶け込む。
白い金蓮花(キャプシン)、ビリンビ・マーロンなどの花。
丸い緑の実がなるパンの木、細長いサツマイモのような形の赤黄緑の実をつけるマンゴーの木、フットボールのような実がなるジャックフルーツである。
大きな葉をつけた高木、クレオール語の名で知られるタカマカもセイシェルではよく見かける。
シナモンやバニラも野生で生息し、これらは平坦部のプランテーションで栽培され、セイシェルの農業を支える。
バニラはセイシェル国家の花でもある。
白い花の花房と長い等が熱帯烏を思わせることから熱帯鳥蘭とも呼ばれるセイシェルの国の花の野生バニラは、よく木の枝や幹のくぼみの中に生えている。
マヘ島の南のきらきらと輝く砂浜を見下ろすアンス・オ・パンの自然保護森林には、多くの種類の椰子に交じって珍しく風変わりな樹木が数々生えているらしい。
反対側の丘の斜面では食中植物のネペンテンス(ウツボカズラ)が観察できる。
マダガスカル及びオセアニアが原産のウツボカズラは、蔓の丈が50センチから15メートルにもなり、
葉の先端から巻きヒゲ状のツルを伸ばし、その先端は捕虫袋と呼ばれるツボ型で、虫を捕まえる食虫植物だ。
マヘ島の西、バルバロン海岸のお隣グラン・ダンス、この辺りの山の岩を登って行くと、生殖方法がとても不思議な植物が見つけられるそうだ。
他に珍しい植物は、アリット島の頂上に世界でここだけに咲くライトテルニアの花。
高度山岳地帯(1800フィート以上 549メートル以上)になると、降雨量が多く、また天をつくような鋭い岩肌がむき出しになっているため10メートル以上の高木は育たないらしいが、わずかながら手付かずの原生林が残っている。
つづく
今週のみーり、元気もりもりですが、体重は6キロであまり伸びてくれません。
でも運動は機敏で今週はハイハイでクルクル回り、お尻持ち上げた立とうとします。
ほかには目が合うとニッコリでなんともかわいいのですが、だんだん人見知りの気配。
それからやはり母さんがいなくなるとかなり不安に。
12月からは父さんが育児休業、そのことにチチも少々不安感じてます。
仲良くしていこうね^^