私にとって、漫画以外で読む気になる本って貴重・・・;
彼女の詩に出会った大半の方同様、
私も金子みすずさんの詩には、格別の思い入れがあります。
小学生の頃、教科書で習った・・・だけではなくて、
家に、母の購入した十数篇の詩が載った絵本がありまして。
この・・・みすず調といいますか、
「感覚」自体が入ってきていたんだと思います。
さてさて、今回なのですが、
前々からやってみたかった・・・金子みすずの「完読」をしてみようと、
金子みすず全集(全6巻)に手を出してみました!
自身の手でまとめられたという詩集
「美しい町」
「空のかあさま」
「さみしい王女」
が、それぞれ上下巻の文庫サイズ本で刊行されています。
今回読んだのは、4冊。
空のかあさま上下だけ、まだ読めていません。
4冊を読んだ感想です。
金子みすずさんの詩は、多少の数は知っているつもりでしたが・・・
全然でした。
知らなかった作品のなんとまぁ・・・面白いこと面白いこと///
一般的に知られているような「子供向け」に教材として選ばれる詩には、
どっかしらに教訓めいた・・・というか、
独自の感性を美しく捉えるよう促す印象がある気がします。
私と小鳥と鈴と
星とたんぽぽ
大漁
こだま
・・・なんかがそうかな。
もちろん、金子みすずさんの詩のいちばんの見どころは、
ココで間違いないと思います。
この先は、金子みすずさんの詩が大好き過ぎて、
もうちょっと入って行きたくなった奴の捉え方ということで。
全集を読んで、
全く知らなかったような作品って、
決してそこを目指した作品ばかりではない。
というか、この方の感性が、かなり「毒」だな、と感じるんです。
もちろん、金子みすずさんの人生が
大まかにでも頭に入っている状況で読んでますので、
こういう読み方になるんですよ。
内容を考えると、「うん・・・ちょっと戻ってきて!」と思う詩も散見されたり。
あとはやっぱり、作品全体を通して印象に残る・・・
自尊心の薄さかなぁと思います。
自尊心というか、「人間だ」という意識・・・?
だって!
「私」と比べるのが「小鳥」と「鈴」ですもの。
私とAちゃんとBくんなら分かりますよ。
比べるにしても人だろう・・・
せめて動物・・・いや、小鳥ならギリギリ・・・
ギリギリ分からなくはない!
・・・ですが、
そっからさらに「鈴」まで引き合いに出す人なんて、
世界広し、人類に何千年の識字文化があろうと、
この方しか居ないだろうなぁ、と思うんです。
もうちょっと、自分の地位を上げないと・・・
幸せになれないよ・・・と思うんです;
多少は驕りがないとね・・・
凸意識がないと幸せをひっかけられないよ!と;
凹意識なんですよ。世界が全部内側に取り込まれていく印象で。
・・・天才ですね;
あまりにも自然に、自身の内側で万物に語りかけたり、
また万物の一人称が出てくるものですから・・・。
この驚きが、何十年経っても・・・不変の驚きであると分かるからこその
金子みすずの凄さというか。
天才って、社会にとって薬であり毒だと思いますので。
良くも悪くも刺激剤。
金子みすずさんの印象って
個人的に太宰治さんに被ってたりします;
・・・だって
「毒であり、そして誰も逃れられないオモシロさ」ですから;
もうホント、いちいち面白いんですよ。
短い言葉でよくもまぁあれだけ感情込みの情景が入って来る・・・
詩人って本当にすごい。
「犬」・・・とか、凄く好きな詩です。
庭のダリアと、酒屋のクロの死に何の関係もないのに!
この比較だけで、
詩全体で伝えたい感情が一気に入って来るんですよね;
そこに行くのか!何故ぇ!
でもなんか分かる・・・イヤ、やっぱり分からん!
この方の中では繋がるんだろうなぁ・・・。
という詩の展開の仕方。
例示例示が来て、最後にまさかの本題。
感覚が独特過ぎて、先に例示が出てきても、
全く先が読めないんです。
大好きです。
私にとって詩とは、「金子みすずの感動」を求めるものです。
いろいろ書いたのですが、
う~ん・・・思ってることが書けない・・・。
既に十数秒での感動凝縮に定評がある・・・
公共放送で実際に流れている作品なので。
昨年の大震災後にCMで大きな反響があったことに関しても、
いろいろ解釈したい気持ちはあるんですけど。
今さら私のなんだかんだ解釈なんて、
実際の影響力の前には・・・無意味!
早く「空のかあさま」の2冊も揃えねば!
by姉