*テーブルの天板処理につきまして*
だんだんと寒くなってきて冬の訪れを感じさせる様な季節になってきましたね😌さて、本日はテーブルの天板の処理について少し記載させて頂こうかと思います。私が家具に携わる仕事をする様になってからもうおおよそ四半世紀以上??それも自分でもかなりなびっくりですがその間に時代は大分変化してきて私がこの業界に入ったばかりの頃はこれ以外の方法ないんじゃないかと思う程頻繁に行われていたテーブル天板のウレタン塗装はほとんど今では見かけることが無くなりその当時ではあり得なかった無塗装というのが大分増えてきてくる様になりました。この両者は本当に両極端ですが、私が家具の製作からアンティーク家具の修理をさせて頂いた頃、それももう20年程前?そのころはまだ、アンティークの家具でもテーブルの天板は一度塗装を剥離してウレタンで塗り替えるという仕事も多々ありました。自分でお店を始めてからも数えられるくらいですが(もともと私がウレタン塗装があまり好きでは無かったので.....)同じ様にウレタン塗装に塗り替えさせて頂いた事もございます。現在、HYGGEではフランスのアンティーク家具の取り扱いが多いのですが最近のアンティーク家具の流行りは無塗装。現地ディーラー等もこぞってみんな塗装剥離しています。箱物なんかはあまり気にする方もいらっしゃらないかと思うのですがテーブルの天板はどうした方がいいのか気になりますよね?ここ10年くらいで環境への意識や時代の流れは大分変わったと思います。そして特別な方々だけでなく誰でもがインターネットやYouTubeなどで塗装方法なども調べられる時代。あえて私がここで記載する必要はないかとも思いますがあくまで何年もやってきた経験として記載させて頂きます。まず塗装方法(長くなるので今回ウレタン塗装と無塗装(端と端)だけ記載します、その中間が沢山あるのですがこちらは後日) 使用されております木材や使用環境等によって大分変化がございます。ウレタン塗装(アンティーク家具の場合は艶消しクリアか半艶を使用することが多い、 昔の普通の家具は5度塗りくらいしていたけどアンティーク家具は 大体3度塗りくらいで仕上げます。また下地と仕上げで若干塗料が違います)良い点 多分今でも耐水性、対薬品性などは一番なのでは? (もしかするとすごいの出てるかもしれません...勉強不足ですみません) 10年くらいは輪染み等気にせずに使用できます。 (本当にきれい好きな方等はよろしいかもしれません。) 無垢材でも反りや割れなどあくまである程度、防ぐことが出来る。 (完全に天板表面だけの塗装の場合はその限りではございません) 悪い点 石油原料を多量に使用、塗装後もしばらくは匂いが残ります。 敏感な方は難しいと思います。 木材が呼吸できない。 塗装する職人の技術が必要。 その上、ある程度日数もかかる為、材料費、人件費含めコストが上がる。 施工の際の匂いもすごいので最近住宅地などでは施工も難しいのでは? アンティーク家具の場合、なるべく雰囲気を壊さない様に 通常より少し薄めに塗り仕上げることが多い為、輪染み等が出来てしまった場合 通常よりも目立つ、また補修も大変、無垢だとまた剥離して再塗装という方法もありますが 一部合板などを使用している場合、(イギリスアンティークのドローリーフテーブルなどに よく見受けられます)再塗装での補修もかなり難しい。 プラスチックコーティングの様な見た目のイメージなので味わいが感じられないし、 小さな傷は意外と目立つ様な気がする。 木自体の凹み等には対応できない(塗装後にできた物)無塗装(昔はほとんどなかったですが最近はわざと木材でも暴れそうな箇所を使用したり、 木本来の味わいを楽しみたい方々が増えてきた事によって最近では多いです)良い点 塗装が無いので木本来の香りであったり質感、また木の目がたったりした際は その手触りまで楽しめる ですが木に興味がない方からすればそんな事どうでもいいことかもしれません。 塗装が無いので体に悪いことは一切無い。 木が自然に呼吸が出来る。 経年の変化を楽しめる。 (家具と一緒に思い出が作れる) 輪染みなどが意外と目立たない、塗装してあるよりも意外と扱いが楽な気がする 水などをこぼしてもまめに拭き取ればそもそもしみも出来にくい。 (これが長年使用してみて一番感じた事です。また長年使用していると人間の手の脂などに よって自然と若干のコーティングがされるのでは無いかと思うのですが このくらいが一番扱いやすい気がします。) 無垢材の場合だと、長年使用して少し天板をきれいにしたいという事になっても サンディング等で対応出来る。悪い点 無垢材ですので仕方ない事ですが割れや反りなど起こります。 合板で無塗装の場合は水濡れが頻繁に起こると合板表面が剥がれる。 特にテーブルの天板は何枚かの板を継いでいる事が多く、そこに隙間ができて ゴミが溜まったりする。 木材の例えば色合いの変化なども楽しめれば良いのですが 最初に目にした際の色合いと変わってしまい別物に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません ものによってはささくれが刺さってしまったりという事も起こるかもしれません。 ものすごくきれい好きな方にとってはあまり魅力的では無いかもしれません。 今少し思ったところでもこのくらいです。時代と共に塗料や塗装方法のバリエーションも増えてきてるので次回はそちらを記載させて頂きたいと思います。