俺はそのまままた眠り込んでしまったらしい。
妙にふわふわして現実感の感じられない世界で、誰かに話しかけられる夢を見ていた。何を言っているのか分からなかったが、その誰かは、終始機嫌よくくすくす笑っていた。
──・・・は、どこへ・・・のかしら・・・?
──逃げちゃ・・・んじゃ・・・
──・・バカ…たい。どうせ・・・げられ・・・
誰がしゃべってるんだろう?
睡魔に身を委ねながら、それでもぼんやりと俺は考えていた。
──・・・てんぽりす・・・うと
──おむに・・・ぽてんて
くすくす、くすくす。
何だろう、あの声。誰がしゃべってるんだ?
・・・多分、どっかからテレビの音でも聞こえてきてるんだろう。いや、ラジオかな?
そんなことを思った時、また柱時計がボーンと鳴った。
だめだ、眠い~。
瞼が閉じる。寝ます・・・
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