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2005年10月28日
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 幸地中年職員@沖縄県庁です。
 御承知のように「三方一両損」は有名な大岡裁きの一つである。三両入った財布を拾っ
た男が、書き付けを頼りに落とし主へ財布を届けてみると、江戸っ子の落とし主は「一度
懐から出て行った金に用はない」と言って受け取らない。問答の末に「恐れながら」と奉
行所に訴え出たところ、大岡越前が一両を加えて申し出た2人に二両ずつ渡し、「拾った
者がそのままもらっていれば三両手に入ったものが二両となって一両損、落とし主も二両
しか戻らずに一両損、大岡も一両損でこれを三方一両損の裁きと申す」で一件落着、とい
うものである。
 大岡越前の名裁きと言われるこの裁きには、落とし主と拾い主と大岡で一両ずつ分けて
「三方一両得」にした方がもっといい、という反論がある。落とし主はなくなっていたは
ずのお金が戻ってきて一両得。拾い主も謝礼として一両得。そして、大岡越前は、裁きに
対する手数料として一両もらって奉行所の会計が一両得をした、という落ちがつく。
 さて、制度開始から五年を経た介護保険制度は、三方一両損になっていないだろうか。
被保険者は、高額な保険料を取られて一両損。保険者は、多額の給付費負担と、増大した
事務で一両損。そして、増加し続ける通所系サービスに高齢者を奪われた地域が一両損。
もしかしたら、保険料を負担させられる40歳以上の2号被保険者の一両損や、これから
の介護給付費を負担するために消費税率を上げられる一般国民の一両損を加えると、三方
どころか、関係者全員が一両損をしてはいないだろうか。最も気がかりなのは、この「損
をしている」感が、介護保険制度への不信感を高め、ひいては高齢社会全体への不安感を
増してしまうことである。
 では、三方一両得を実現する手段はないか。その答は、高齢者が安心して住み続けられ
る地域にある。地域で高齢者の介護を支える力を育て、インフォーマルな介護資源を開発
していく。このような地域を作り出すことによって、関係者全員が一両得することができ
るのではないだろうか。
 高齢者は、住み慣れた地域で暮らし続けることができ、さらに介護保険料の負担を抑え
ることができる。地域は、その活力を取り戻して、戻ってきた高齢者を迎え入れることが
できる。市町村は、自らの力強いパートナーとなる地域を得て、介護給付費の負担増を抑
えることができる。
 もちろん、地域づくりは一朝一夕にできるものではない。そのためには、コストもかか
り、特に都市部においては多くの困難が予想される。しかし、新たな介護保険制度は、地
域包括支援センターや地域密着型サービスなどの、地域づくりの道具を市町村に用意した

 多くの市町村では、地域包括支援センターの人員や予算の確保に手一杯で、そんな将来
の地域づくりのことまでは手が回らない、もしくは地域づくりは介護の仕事ではない、と
考えていることだろう。しかし、高齢者が安心して住み続けられる地域づくりは、高齢社
会の当然の要求である。
 介護保険は自治事務であり、保険者である市町村は、住民に対する直接の説明責任を負
っている。市町村には、この視点も踏まえ、将来の地域像、地域で暮らす幸福な高齢者の
像を描き、その実現のために地域包括支援センターなどの新たな制度の活用を考えてもら
いたい。地域づくりのために、市町村が使いやすい地域包括支援センターの姿を検討し、
使い勝手が悪ければ、制度を設計している国にもどんどん要望を出していく必要がある。
広域的な行政を任されている私たち県も、「地域づくりで三方一両得」を合い言葉に精一
杯市町村を支えていきたいと考えている。 






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最終更新日  2005年10月28日 12時28分46秒
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