徒然草/二百三十九段の一/二百四十段の一 八月の十五夜と九月の十三
「古代中国の天文学」「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「徒然草の201から243」の研鑽を公開してます。二百三十九段の一八月の十五夜と九月の十三夜は、牡羊座が輝いていおり、古代中国の天文学における婁宿(ろうしゅく)の日(婁宿黄道沿いの28の星座を地球の月日の基準とし、その28宿のうちの一つで月を鑑賞するのに適した日)で、この婁宿の日は、月が清くて明るく、月を見るのに良い夜となる。二百四十段の一海岸で人目を忍んで恋路を走ったとしても、他人の見る目は煩わしいもので、闇に紛れた山で女に逢おうとしても、山守りの目線があったりもする。そう考えると、無理をしてまで女の下へ通っていく男の心情には深くしみじみとした哀れさがあるが、忘れられない事も多いだろう。だが女の親・兄弟から結婚を許されて、ただ自分の家に引き取って生活の面倒を見てやるだけというのは、余り喜ばしいものではない。生活に行き詰まった貧乏人の娘が、親の年ほど離れた老人僧侶や、得体の知れない田舎者の財産に目がくらみ、貰って下さるのならと呟けば、世話焼き役が登場し大変お似合いでなどと言って、結婚させてしまうのは悪い冗談としか思えない。