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碁法の谷の庵にて

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2007年04月05日
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テーマ:囲碁全般(745)
カテゴリ:囲碁~碁界一般編
十段戦第三局は、黒番・山下敬吾挑戦者の中押し勝ち。



 第1局はほとんどいいところがなかった上、好局だったはずの第2局でもんのすごく腰砕けな負け方をしてしまった山下。第3局は大丈夫でしょうか?
 棋譜はこれね。

 序盤開始9手までは山下がここ一番で使う手法。王座戦第3局とか、棋聖戦第3局とか。あれっ、全部第3局だね第3局限定なのかな?王座戦ではこの作戦で張栩を華麗に封じ込め、王座奪取のきっかけになりました。

 棋聖戦で小林覚は三々に入り、王座戦で張栩は中央に飛びましたが、趙治勲は両ガカリを選択。三連星が待っているところではあるが、中央に飛ぶような手は治勲先生は打たないんだろうね。武宮先生でさえ「中央に日本飛ぶのは模様を制限して立派だが、実質の伴わない足の遅い手、それなら地で対抗できる」とか言ってました。
 11のツケノビから三々に入るのは置き碁などでよく見る手法。15で最初から右辺に押さえるのは地に甘い置き碁定石。17に押さえれば18にハネるのは当然ですがここで右辺に押さえるのはこれも置き碁定石。前者は布石作戦で打つ場合がまだあるような気はしますが、後者は特に高段者を目指したいという人は廃案です。

 19では2の2に置くような手も定石ですが、中央を曲がるのは手厚い手法。22に対してハネ伸びさせておいて隅をいじめ、39となっては黒のムードがよいのかと思ってみていたところ、42の打ち込みはびっくり。まあしのぎに自信があるのかな、山下がどう攻めるのか・・・と思ってみていると山下はなんと43のカケツギ。大竹英雄もびっくりの厚~い手ではあるし、中央の妙な利きを全部消して、むしろ右上トリカケ狙いの利きで右辺を攻めようという腹なのだろうが、見るからにすっとろい手である。

 その分なんだろう、44のツケにたいして45からは見るからに「許さん!!」という手である。55までの分かれは隅に小さく白を封じ込めているし、下がりが次々と利くところ。ちょっとこれは黒成功してないか?42に打ち込んだ石があんまり存在意義が感じられなくなってしまった。42の場所が問題だったか、つけたサバキが問題だったのか・・・私だとツケでは17-15にケイマして押さえに18-14にコスんで打つような手を使いそう。重いかな?

 56は治勲にしては踏み込みが浅いような。とはいってももっとはいるのはやっぱり怖い。なんとか46の一子を引っ張り出して味をつけていく展開にしたいのだが、距離が遠すぎる。57と厚く受けて、58と一手逃げさせて再び攻める。
 62,64と中央の白をおちつけるととりあえず黒は65と左上に侵入。そして69から71と上辺に味をつけた。80までと一子ポン抜かれた姿は見るからに威張れたものではない白。しかも81にぴたっとつけられて抵抗が不能となんと黒やりたい放題の状態になっている。2局目以上に山下がいい感じである。
 95のツキアタリに96は仕方がないのか。はさみつけとかうっとうしくて仕方ないが、97と連打されると今度は中央の白が大変。99から101と超厚い黒の碁形を生かしての猛攻に白もたじたじ。治勲はただしのげばいいという状態になれば犯罪的に強いけど、攻めながら得をして勝つというのは山下の得意分野である。


 128までと、中央を見捨てて右辺を叩き割って生きる事に成功しているが、これではちっとも白やっていない。
 130に131は我慢だが、132は勝負手兼投げ場か。135と切られて左辺の白は持たない・・・と思ったら136から中央にいちゃもんをつけて最後の勝負。しかし137と冷静に左辺をつぶされると、後は抵抗むなしく万事休すとなりました。

第2局だったらこの後更に10行くらい追加だったんだけどね。



 ふむ、この碁で三連星からの布石は山下の要注意布石の一つとして完全に確立しましたね。中韓あたりではもう研究が始まっているのかな。富士通杯でこれは使えるでしょうか?



追記

 本因坊リーグは一斉対局の結果依田と蘇耀国でプレーオフに。張栩は山田に半目負けを食らってあえなく脱落。
 依田は21世紀に入って3度目の本因坊プレーオフ。蘇はやや苦手な感じのようですが、どうでしょうかねえ。

 蘇の方はリーグに上がっては順位落ちという悲劇の棋士でしたがついに大舞台への手がかりをつかんだ。LG杯予選を2年連続で突破するなど国際戦でもまあまあ戦えている棋士ではあるが、他方で三星杯予選でアマに負けて大恥を書いた事もばっちり憶えておりますよ。クスクス。





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最終更新日  2007年04月06日 01時44分36秒
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