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碁法の谷の庵にて

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2008年04月22日
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テーマ:ニュース(99405)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 私が聴いているマタイ受難曲は、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮のものとカール・リヒター指揮のものです。(ちなみに、ニコ動画やyoutubeにアップされている冒頭の初音ミクバージョンも割と気に入っています)
 意図していたつもりはありませんが、考えてみればこれは「死刑」の曲でもあるわけですね。前々から愛聴曲でしたが、今日はいつになく沈痛に聞こえます。
 


 判決は、大方の(「私の」とは言いません)予想通り、ということになりました。
 「死刑判決」の報がほぼ確定に私のところに入ったのは、私の持つパソコンの時計で12時2分でした。


 私は、穏やかに寝過ごして、目が覚めたら判決が出ていた・・・となることをホンネでは望んでいたかもしれません。ただ、そうなれば判決がどちらであろうと私は判決に対する狂騒曲に怒り狂うのが先だったかもしれませんから、これでよかったのかもしれません。

 もちろん勉強はしていますが、私の朝起きる時間はルーズにできているのです。下手すると午後まで寝ていたりもします。しかし、睡眠時間4時間程度で朝早くに目が覚め、私の4時間睡眠としては珍しく眠気は蘇らず、結局判決時刻にテレビの多数画面サーチを使って見ていました。最近は食事時とその周辺以外ではテレビを見ることはないのですが。

 開廷日時の午前10時、私がそのとき大きくつけていたのはテレ朝だったと思いますが、記者がこけつころびつと言った風情で「主文後回し」の報を持ってきました。
 主文は、「被告人は無罪」とか、「被告人を懲役○年に処する」というような、被告人をどう処断するかを述べる文章。何ページ、読み上げ数時間にもなるような判決の中でほんの数文、読み上げ時間1分にもならないようなものですが、まさしく裁判の「要」と呼ぶべきところです。
 本件の判決なら、「原判決(注:第一審判決)を破棄する。被告人を死刑に処する。」といった感じだと思われます。「最初の高裁判決」は最高裁が既に破棄していますが、一審判決自体については最高裁は特に何も述べていないので、形式的には一審判決が今なお有効と考えられるためです。
普通、刑事裁判では真っ先に判決理由主文を述べます。(映画「それボク」でも真っ先に判決理由主文を述べていました)
しかし、死刑など一定の重大な罪を言渡す場合には、主文を後回しにすることがあります。あんまり衝撃的な判決の場合、主文を言われると理由を聞いてない、と言うことがあるためです。(「それボク」のラストでも有罪判決を受けた被告人は呆然として理由を聞いていなかった)予想通り、マスメディアの多くは厳しい判決だ、と一気に来ました。BPOの意見書が出ていたせいか、思ったよりはましだった気もしますが、判決理由前にあれこれと専門家にコメントを求め、判決が読み上げられている最中からいちいち分析をはじめ、それに平気で応じる神経は、やっぱり分かりません。NHKもそういうことをやっていました。
 判決言渡し~主文は2時間でした。何年も判決を待てないと言うのならともかく、数時間の主文言渡しも待てないのでしょうか?

 被告人の発言が本気なのか、言い逃れなのか、言い逃れで考えたら本気でそう信じてしまったのか、個人的推測はしていますが、私にとって被告人は会ってもいない人なので、述べるべきではないと思います。


 本村氏の記者会見の様子も見ました。感想は・・・
「私の能力では論評できそうにありません」
ということでしょうか。
 死刑制度に大まかな知識(もちろん、その気になって準備した上で語れと言われれば1時間くらいは語れると思いますが)だけであっちふら、こっちふらしている私としては到底敵いそうにもない犯罪認識です。テレビ越しなのに、気圧されました。囲碁強豪と「直接」対峙して打っていても、こんなに気圧されたことはありません。
 もちろん、彼の言い分におよそ間違いがないとか、そういうつもりはありません。これまでしてきた批判を全面撤回する気もありません。しかし、私自身の思考として、あの「死刑死刑」と騒ぐだけの、ネット世論と比べていた面がなかったか、改めて自戒させていただこうかと思います。
 最近涙腺がもろくなってきつつありましたが、私としては今日はいつになく涙腺が活動しています。「人間ではない」「あんたのようなバカが法律家になるのは空恐ろしい」「こんな青いことを言っているようでは弁護士になっても仕事は来ない」と言われるような人間のいうことですから、信じてはもらえないかもしれませんが。

 私自身、現在「高次社会法学」みたいなものを少し考えています。
 もし仮に世界に国境がなくなり、しかも人類の知性が進んだら、法(刑事法も民事法も公法も)というものはどうなっていくだろう?あるいは、宇宙に人類のような生物が文明を築いて、しかも人類とは比べ物にならない文明を築いた種族であるとして、どのようなものなのだろうというのを想像している訳です。最終段階があるとして、最終段階までどのような紆余曲折をたどるのか?というような、いわば思考実験です。もしかすると、彼の思考と通じるものがでてくるかもしれません。

 
 しばらくするとまた動きがあるかもしれません。追記するかもしれません。





※※※※※※※※※※第一次追記※※※※※※※※※※


綿井健陽氏のブログが燃え上がっています。

光市事件関連では数少ない、弁護団側寄りの情報発信をしていた人物であり(雑誌などにいくつかの記事もありました)、ネット上に記者会見の模様が流れたことも彼の功績であると聞いていますが、判決前に「判決がおよそ荒唐無稽と言うことなら責任を取ってジャーナリスト活動をやめる」と書いたのに反応した一部の人たちが、また汚い言葉(慇懃無礼も)や絵文字で罵っているのが印象的でした。
2年ほど前、ちょうど当該ページのコメント欄でここが紹介されたので私も彼をはじめて知ったのですが、炎上騒ぎは私のページが紹介されているすぐ下で起こっていることでもあり、私としても不愉快この上ないです。

別に私は彼が辞めようが辞めまいがどちらでも批判するつもりはないですし、(前言撤回をすればその点は軽いんじゃない?と言う感想を持ちますが)そもそも判決文をきちっと読んでいない以上およそ荒唐無稽とまでいったかどうかはっきりしない面もあるわけですが、あの手の悪乗り言説にはほとほとうんざりしています。

死刑に賛成するななどというつもりは毛頭ありませんが、本村氏の厳粛かつ沈痛な訴えに対し、ネット住民が「支持」と称してやることはこれなのか、と言うと本当に哀しくなります。一部のはねっかえりの所業が目に付いているだけだと考えられればいいですが。



※※※※※※※※※※第二次追記※※※※※※※※※※

今度は、安田好弘弁護士に強制執行妨害(認定は幇助らしいです)で東京高裁で逆転有罪判決との報。
まあ、私は強制執行妨害事件自体はよく知りません(多数の弁護士から、これを有罪にされては会社建て直しをアドバイスできないと言う意味で反発の声が上がっていること自体は知っていますが)し、光市事件については私は「安田弁護士ならずともまともな弁護士はこういう弁護をせざるをえないのではないか」と主張しているわけですから、この件に関して、有罪判決が出たからと言ってこれといって見解を変更する必要はないと考えております。
罰金刑、と言うことですから、弁護士法上の弁護士欠格事由には当たりません。また、弁護士法上の懲戒処分は除斥期間(3年)を経過しており不可能とも考えられます。もっとも、判決確定時を除斥期間起算点と考える可能性もあるかもしれませんが、資料不足でもあり私には判断いたしかねます。

少なくとも、徹底的に事実にこだわると言う安田弁護士の刑事弁護人としての姿勢(と報じられているもの)については、尊敬に値するものと考えています。たぶん、マネは出来ないしマネをしなければならないような事件には絶対に遭いたくないというのが本音ですが。





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最終更新日  2008年04月23日 15時45分56秒
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