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碁法の谷の庵にて

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2011年07月17日
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 さて、私は先日、橋下氏と光市母子殺害事件弁護団の訴訟の最高裁判決を紹介した上で、判決を受けて弁護団が敗訴したという外形的事実だけを捉えた弁護団に対する冷笑的反応を厳しく批判しました。

 ・・・しかしながら、私自身は最高裁判決に賛成か、と言うとそうでもありません。
 前回は、最高裁批判をすると最高裁判決も読んでいない人たちに誤解されかねない(そういう意味で、弁護団の記者会見は得策ではなかったようにも思います)のでほとんど出しませんでしたが、そういう人たちへの配慮を抜きにして、判決に対する「正直な」感想は「ちょっとひどいよ・・・」です。


 最高裁は、弁護団が被った損害を表現の自由から受忍限度であるとしました。


 確かに、弁護士をやっているからには、ある程度まで批判や懲戒請求に受忍義務がある、という一般論は否定できません。
 仮に、「結果的に懲戒すべきでない事案であった」としても、その一事をもって、その懲戒請求を不法行為とすることはできない、とする理屈は理解できます。また、弁護活動に対する批判についても、筋の通っていない批判をしたから違法、とは言えません。
 無論、その批判が当を得ていないものであることについて反論を受け、批判者サイドも厳しく批判されること、ときに全く虚偽の事実を述べた場合に名誉毀損等になり得ることは別問題です。

 しかしながら、これまでの判例で、懲戒請求は「例え1通であっても」不法行為が成立するとしています。
 判例変更がされていない(判例変更なら大法廷が開かれる)以上、平成19年4月24日の最高裁判例(こちら参照)は、変更されておらず今でも有効なのです。
 600通懲戒請求が殺到して、仮に全てが同じ文面の懲戒請求であったとしても、懲戒請求が受忍限度だ、と言う理屈が本当に正しいのなら、どうして平成19年判例にはこの理屈が当てはまらなかったのかと言う点が大きな疑問です。
 平成19年判例において、懲戒請求が違法とされた理由は、懲戒請求が「法律的に正しい管轄?そんなもの関係ない、目の見えない自分にそこまで行けという主張が濫訴だ」という救いようのない内容のもので、そんな至極当然のことに対する感情的不満で懲戒請求するのは違法だ、と言ったのです。
 今回の件も、被告人の言い分を離れて弁護を組み立てられないことは最高裁も認めている所、「被告人の言い分をでっち上げた」という推測でしかないことで、被告人の主張を前提に法廷で主張するという当然のことを懲戒請求と言ったのです。
 内容的には、平成19年判例に比べれば少しはマシかもしれませんが、今回の場合、これをテレビで広範囲に放送されたこと、現実に来た懲戒請求は600に及んでいることが加わります。更には、懲戒請求以外でも、その名誉が失墜しています
 それなのに、今回の事例は受忍限度で、平成19年の判例は50万円。この違いがどこから来るのか。
 ただ単に、今回の件が有名な事件だからとか、懲戒請求そのものではないからでは納得できかねるものです。むしろ、有名な事件であればこそ、情報をきちっと調査することは比較的簡単になるはずなのです。それも嫌、というのは「調べない!!懲戒請求したい!!」という発想です。

 平成19年判例の事案を離れても、どんないい加減な懲戒請求でもいい、ということであれば、個々の弁護士の負担が増えるだけでなく、弁護士会の負担も増えますし、本当に重要な懲戒請求がいい加減な懲戒請求に埋もれるという事態にもなりえます。
 いい加減な懲戒請求の排除の要請と、幅広い懲戒請求を受け入れる要請。
 両者のバランスをどこで取るかの問題ですが、600通懲戒請求が来ても、推測でしかないことで懲戒請求されても、発言者が弁護士で本来分かっているべきなことについても、有名な事件だから受忍限度だ、というのは、あまりにも懲戒請求者に優しすぎる解釈ではないでしょうか。
 しかも、平成19年判例は、「懲戒請求について規定した弁護士法58条は、広く免責を認める趣旨の規定ではない」と断言しているのです。それなのにこんなところに受忍限度のラインを設定するなんて、広く免責を認めているのとどう違うのか、私には皆目分かりません。
 ここまで受忍限度を広く設定するなら、せめて平成19年判例を変更すべきではないかと思います。


 それに、この判決の論理は、重大事件の弁護なんかもう引き受けるものか!と言う弁護士を増やします。

 仮に懲戒請求されても何の救済もないので、重大事件の刑事弁護は引き受けない
 あるいは仮に引き受けても「耳触りのよい主張」にとどめて、被告人の弁解を握りつぶし、法律の知識に乏しい被告人が懲戒請求してこないのを幸いにする・・・なんていうもっとひどい事態だって、起こりえます。下手をすれば、その中に重要な主張があって、弁護人が冤罪に加担するなんてことだって起こりえます。弁護人だって、それをしないと懲戒請求されて対応しなければならなくなるのですから。
 民衆法廷が被告人を前裁きするのを恐れて弁護人が活動できない。どこの魔女狩り国家ですか(こういった事態は時に国家権力の干渉より危険とは須藤裁判官補足意見)。
 引き受けるとすれば、刑事弁護に対して、懲戒請求されようが構わない、収入にならなくてもいい、と言うほどの使命感を持つ人物・・・個人的な心当たりは安田弁護士あたりですかね。

 こんな重大事件の刑事弁護が収入になるか、と言えばあまり・・・・と言わざるを得ないのです。(ごく簡単な自白事件ならよいのですが)
 被疑者や被告人の中には、弁護人に対しても反抗的態度をとり、弁護人が信頼関係を築けずほとほと困り果てる(辞任する他なくなる例もある)ような例だってあります。
 嘘としか思えない弁解だって、主張されれば出すしかありません。
 特に、今回のような全国的注目を集める事件の場合、弁護人に必要な苦労は想像を絶します。司法研修所の刑事弁護起案は100頁程度の記録を7時間もかけて、それでも皆ギリギリまで書いているのですが、光市事件の記録は一万頁、単純計算で700時間、睡眠も他の業務もせずぶっ通しでやって1カ月必要です。(現実にはそこまでにはならないと思われますが・・・)
 それなのに、その苦労を少しでも人数を増やすことで軽減しようとしたら、集団で本村氏一人と戦うとは何事かと文句が出てきました。(国選弁護だと人数が少なくなって迅速に裁判することが難しくなります)

 今回の基準でもし仮に疑問を感じたらドンドン懲戒請求を出していい、それが調査不十分でも構わない、マスコミ報道に基づいたものでもいい、ということであるならば、弁護人は、マスコミ報道された事件では懲戒請求に怯えながら刑事弁護をしろ、ということにならざるをえません。

 誰がそんな件をやりますか。私はお断りです。
 ただでさえ、使命感の類がなければ成り立たない重大事件の刑事弁護なのに、更に使命感をもっと増やせということです。
 合理性を無視した根性論に依存した制度は成り立ちません。

 かつて「たかじんのそこまで言って委員会」大会議室で獅子奮迅していたすちゅわーです弁護士の言葉を借りれば、
(ここにコピーが残っています。コメント欄のwada氏の、子どもを持つ親の発言とは信じたくない発言も必見です)

「難しい試験を通って、何年もの実務経験を経て、一人前の刑事弁護人になっても、こんな処遇しか受けないのでは、やりきれなく思います。」

 という言葉も当たるでしょう。(無論私は何年もの実務経験等ありませんので、刑事弁護人としてまだまだ半人前以下ですが)
 「ドラえもんなんて言わなければいいんだ」という反論はネットではよく出てますが、被告人が曲げない限りはドラえもんでも言うしかありません。それで反論してくるのは、結局まじめに弁護するなと言っているのと何にも変わりません。最高裁とて、被告人の弁解を聞かなければ弁護できないことはしっかり言っている訳です。





 ただし、です。最高裁判決も救いがない訳ではありません。

 まず第一に、橋下氏の発言に対する弁護士法上の懲戒処分については別論であるとしていることです。 つまり、この判決で不法行為の成立が否定されても、懲戒処分をすることまで否定した訳ではない、ということになります。従って、懲戒処分と言う抑止効果は働きえます。(ただし、弁護士相手にしか使えませんが・・・・)

 第二に、最高裁判決が指摘していることに「橋下氏は行動を促しただけで、損害の拡大には個々の懲戒請求者やテンプレート作成者が主体的に関わっている」と言うことを挙げているということです。
 要するに、個々の懲戒請求者は、単に引きずられただけの人間ではなく、「自ら懲戒請求を起こした」と認定している訳です。弁護団サイドの人たちから評判の悪い竹内裁判官補足意見も、実は特に力を入れて「個別の懲戒請求者が主体的に取り組んだ」と言っているのです。
 個人的には、その点について本当かよ、と思っていますが、もしこの判断が正しいのだとすれば、この裁判でも、もしかすると個々の懲戒請求者やインターネット上にテンプレートをアップした者をターゲットに訴えを起こせば、平成19年判例の基準にのっとって、損害賠償を取ることができた、とも取れる訳です。
 なお、二審判決は、個別の懲戒請求者は橋下氏に誤解を植え付けられたことを理由に不法行為は成立しないとしました。
 しかしながら、最高裁の論理からすれば、むしろ「主体的に関与した」個別懲戒請求者やテンプレート作成者に平成19年判例同様の注意義務が成立する可能性は高まっていると言え、今後同種の事件が起こった際には、個別懲戒請求者への不法行為の成否が課題と言えるのかもしれません。

 懲戒請求に対しては、弁護人は当該懲戒手続ではなく、民事不法行為訴訟での反撃を試みることは十分考えられることです。
 というより、内容のいい加減な懲戒請求に対して、反撃をするにはこれ以上ソフトな手はないのです。(出鱈目が度を越せば、虚偽告訴罪の未必の故意ありと判断して刑事告訴、なんていう最強硬手段もあります)
 無内容な懲戒請求と言う武器をちらつかせる者に対しては、こちらも武器を持ち出すしかありません。個人的にはそういうあり方は制度のあり方としてどうなのか、と思いますが、さりとて弁護士にだって立場と言うものがあります。いい加減な人たちに立場を蹂躙されて耐え忍ぶことにも限度があります。







 懲戒請求という制度自体が知れ渡ることは悪いことでもなんでもありません。
 本当に懲戒されるべき弁護士がいるならそれに対して懲戒請求されることも、称賛されこそすれ何の悪事でもありません。
 
 問題なのは、懲戒請求と言う制度が、弁護士に対するいい加減な批判や感情的不満を、クッションなくダイレクトに叩きつける制度に堕落することです。そうなれば、弁護士会サイドで個々の懲戒請求に対して、運用でぞんざいな扱いをする(例えば、内容のなさそうな懲戒請求については、読んだだけで却下するというような)ようにせざるを得なくなっていくでしょう。

 月並みですが、今後懲戒請求なさる方には、改めて懲戒制度の趣旨に思いをはせていただいた上で、法律面・事実面とも調査をきちんとした上で、懲戒請求をしていただければと思います。





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最終更新日  2011年07月18日 01時09分34秒
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最高裁は   tpo さん
橋下弁護士の説明責任論をある程度認めたということでしょうか。
いずれにしても「使命感」がある弁護士がいる以上、凶悪犯の弁護人の引き受け手はいるわけでその点は心配ないと思っています。
(2011年07月20日 19時56分17秒)

怖。   風の精ルーラ さん
>橋下弁護士の説明責任論をある程度認めたということでしょうか。

 ある程度と言う言葉が具体的に何を意味するのか分からないので解答しかねますが、弁護人には守秘義務が多数の法文上認められていることは、最高裁判例でも当然の前提となっていると言えるでしょう。
 誤った認識が蔓延することで懲戒請求を招くかもしれないという意味では、説明した方がいい、ということは言えるかもしれませんが、それ以上の説明責任を見いだすことは判決文からは不可能です。

>凶悪犯の弁護人の引き受け手はいるわけでその点は心配ない

 当面大丈夫であるとしても、このような事例がいくつか登場し、かつこのような判断が下され続ければ、引き受けないという弁護士はどんどん増えます。でなければ、弁護士会の委員会の方で弁護内容を理由とした第三者からの懲戒請求は軽く扱われ、場合によっては弁護人に負担をかけずにごく簡易に却下する仕組みが設けられるでしょう。
 また、仮に大丈夫だとしても、本来社会に必要な職務(と法定されている職務)をする人間が、ただその職務を行ったがために様々な損害を蒙って、その「我慢」に頼る社会って何なんでしょうね。
 弁護人が誰かつかなければならないと言う足下を見た、「買い叩き」に近いものを感じます。 (2011年07月20日 21時00分53秒)

ちなみに   風の精ルーラ さん
懲戒請求騒動はなやかりし当時、とある弁護士がこんなことを書いていました。

http://www.yabelab.net/blog/tyoukai/2007/11/11-002449.php#comment-101660 (2011年07月20日 21時03分44秒)

Re:怖。(07/17)   tpo さん
> 誤った認識が蔓延することで懲戒請求を招くかもしれないという意味では、説明した方がいい、ということは言えるかもしれませんが~
その限りで説明の必要性について言及していますね。
>弁護士会の委員会の方で弁護内容を理由とした第三者からの懲戒請求は軽く扱われ、場合によっては弁護人に負担をかけずにごく簡易に却下する仕組みが設けられるでしょう。
弁護士会の責任でそのような制度を作るなら、別に良いと思います。社会に受け入れられればですが。
簡易却下はともかく、株主代表訴訟のように事前審査で相当の根拠がないと判断した場合、請求者に担保の提供を求めるという方法も考えられます。
そもそも弁護士自治といった以上、不適切な懲戒請求も弁護士自治の中で対処すべきであり、その中で合理的な制度を作っていけばいいわけで、不適切な懲戒請求だからと言って、国家権力に頼って損害賠償を求めるというのは弁護士自治に矛盾するような気がします。その点補足意見で同趣旨の内容がありました。
> また、仮に大丈夫だとしても、本来社会に必要な職務(と法定されている職務)をする人間が、ただその職務を行ったがために様々な損害を蒙って、その「我慢」に頼る社会って何なんでしょうね。
我慢ではなく使命感のようなものではないでしょうか。
ほんとに弁護人がいなくなるのであれば、その時に対策を考えるべきと思いますが、懲戒請求がなくても凶悪犯の弁護は負担に見合った金銭的な報酬があるとは言えない状況で、今回の判決で懲戒請求が増加したぐらいで、弁護人がいなくなる状況は到底想定できないような気がします。
だから最高裁も受忍限度と言ったのですし、懲戒請求にくらいで大きな負担になるとは思えません。
現にルーラ氏もプロであるので私の法的処置を負担にならないように受け流す手法があるとつぶやいていますし。 (2011年07月20日 23時19分23秒)

更新料判決のほうが興味があります。   tpo さん
実は更新料判決のほうが私に直接影響するので興味がありました。
機会があれば記事にしていただけると幸いです。 (2011年07月20日 23時21分16秒)

Re[1]:怖。(07/17)   風の精ルーラ さん
>簡易却下はともかく、株主代表訴訟のように事前審査で相当の根拠がないと判断した場合、請求者に担保の提供を求めるという方法も考えられます。

 流石に担保を出させるには法的根拠がいるでしょう。
 不適切な懲戒請求であっても、弁護士会サイドには受け付ける義務があり、それに伴う負担をどこまで認めるかが問題です。
 例えば、国民に裁判を受ける権利を認める以上、不適切な裁判も甘受すべきであり…なんて理屈にも限度がある(現に濫訴が不法行為となる例は限定的ながら存在する)訳で。
 また、弁護士会は公務所同等ですから、虚偽の懲戒請求は虚偽告訴罪になりますし、それが弁護士自治からどうとは言われません。また、親告罪でもありません。(実務上は告訴や告発を待つでしょうが)

>ほんとに弁護人がいなくなるのであれば、その時に対策を考えるべきと思います

 いなくなってからでは遅い。

>弁護人がいなくなる状況は到底想定できないような気がします。

 元々ひどい状況に置かれていると分かっている人相手に、もっと我慢させればいいと言うのを自覚的に言うのですから世話はありません。
 そのような感性の方とは反りが合わないだろうなと言うだけです。

>現にルーラ氏もプロであるので私の法的処置を負担にならないように受け流す手法があるとつぶやいていますし。

 負担にならないようになんてどこにも書いてないんですがねぇ。「労力を少なくして」と書いただけで、無負担と言う訳にはいきません。だから反訴と言うこともちらつかせている訳ですが。「」内が一字一句同じじゃない等と騒いだ方とは思えぬ言い種です。 (2011年07月21日 00時29分03秒)

Re[2]:怖。(07/17)   tpo さん
> 流石に担保を出させるには法的根拠がいるでしょう。
懲戒にかかる手数料という形であれば特に問題ないと思います。
> また、弁護士会は公務所同等ですから、虚偽の懲戒請求は虚偽告訴罪になりますし、それが弁護士自治からどうとは言われません。また、親告罪でもありません。(実務上は告訴や告発を待つでしょうが)
今回の件はさすがに虚偽告訴罪にはならないような気がします。
> いなくなってからでは遅い。
ほとんど可能性がないことをことさらに強調する態度は別の目的のためといっていいでしょう。
> 元々ひどい状況に置かれていると分かっている人相手に、もっと我慢させればいいと言うのを自覚的に言うのですから世話はありません。
彼らは使命感で請求をしているのですよ。大した負担にならないと思いますが
> そのような感性の方とは反りが合わないだろうなと言うだけです。
その通りかもしれませんね。
>負担にならないようになんてどこにも書いてないんですがねぇ。「労力を少なくして」と書いただけで、無負担と言う訳にはいきません。だから反訴と言うこともちらつかせている訳ですが。「」内が一字一句同じじゃない等と騒いだ方とは思えぬ言い種です。
だからかっこを付けなかったのです。見事に引っ掛かりましたね。
書き込み制限の解除をお願いいたします。 (2011年07月21日 21時34分59秒)

訂正   tpo さん
使命感で請求→使命感で弁護活動
彼らとは光市事件の弁護団のことです。
(2011年07月21日 21時37分47秒)

無茶な。   風の精ルーラ さん
>懲戒にかかる手数料という形であれば特に問題ないと思います。

 裁判とかで納められる手数料だって法的根拠がちゃんとあるのですよ。よしんば手数料を取ることが許されたとしても手数料名目では抑止となるような金額は取れません。

>今回の件はさすがに虚偽告訴罪にはならないような気がします。

 今回の件でどうではなく、弁護士自治にだって検察とかによって手が入る余地はあると言うことです。

>ほとんど可能性がないことをことさらに強調する態度は別の目的のためといっていいでしょう。

 もう引き受けないって言ってる弁護士の先生は多かったですよ。

>彼らは使命感で請求をしているのですよ。大した負担にならないと思いますが

 使命感って言ったってそれは単なる「我慢」の一形態。負担になっていることは動かしようがないでしょう。
 「大した負担になってない」とか思うならどうして弁護団が手間をかけて今回訴えを起こしたんですかね?

>見事に引っ掛かりましたね。
書き込み制限の解除をお願いいたします。

何に引っかかったのかよく分かりませんが、そういうカッコの有無だけで一言一句同じと趣旨のみ同じが厳然たる区別をされるべきである、と?
第一、人に訴える等と息巻いていることが制限の理由なのに、それを撤回することもしないでいきなり解除をお願いします、と。
あなたの言論の発想は意味不明ですね。 (2011年07月21日 21時51分15秒)

Re:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   やじうま さん
「すちゅわーですさん」あまりに懐かしいお名前をお見かけしましたので書き込ませて頂きます。
私も当時、大会議室で何度かやり取りをさせて頂きましたが、弁護団の人達にも「すちゅわーですさん」と同じくらいに理解を求める姿勢があればあそこまでのバッシングはなかっただろうと思った覚えがあります。
弁護の手法の是非は専門家の判断におまかせしますが、当時から現在に至るまで弁護団の情報発信の手法については拙かったと言ってよいものが多かった様に思います。

特に端から見ていて「被告人自身の主張と被告人の弁護人の主張」「法廷での弁護活動と法廷外での活動」を明確に区分出来なかったのがバッシングを大きくする原因だったように思えてなりません。

今回の最高裁判決については、橋下弁護士の行為が不適切だと認定したこと。その上で犯罪ではないとしたこと。懲戒請求者についてはその行為に責任を問われる余地があることを認定したことを含めて概ね妥当なものだったと思います。 (2011年07月30日 14時53分36秒)

Re[1]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   風の精ルーラ さん
やじうまさん

 大会議室は見てまして、やじうまさんの名前も覚えておりました。(覚えているのが名前だけなのはスミマセン)

>特に端から見ていて「被告人自身の主張と被告人の弁護人の主張」「法廷での弁護活動と法廷外での活動」を明確に区分出来なかったのがバッシングを大きくする原因だったように思えてなりません。

 この区別をせよ、と言うのは実質的に無理な相談なのですよね。弁護人としては、被告人の言っていることと違うことを自分が信じていないと察知されれば、自ら被告人の主張を貶すのと同じ効果になるので、自ら被告人の主張の説得力を落とすのみならず、被告人との信頼関係にもひびが入ります。
 結論としては、「何も記者会見などしないことが得策だった」ということになると思います。
 本村氏が「被告人死刑」で報道を味方につけていた対抗上それを減殺しようと考えた、という思考は理解できるのですが・・・。
 
 無論、だからと言ってその事も知らずに安易に思い込みで批判する行為は愚劣であると思いますけど。

>今回の最高裁判決については、橋下弁護士の行為が不適切だと認定したこと。その上で犯罪ではないとしたこと。懲戒請求者についてはその行為に責任を問われる余地があることを認定したことを含めて概ね妥当なものだったと思います。

 念のためですが、責任が問われる余地があると言うことを具体的に認めた部分はありません。問われる余地があるとも読める、程度の話です。 (2011年07月31日 22時39分18秒)

Re[2]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   やじうま さん
>やじうまさんの名前も覚えておりました。(覚えているのが名前だけなのはスミマセン)

ありがとうございます。大会議室自体がなくなってしまいましたので、一応当時のスタンスを書き込みますと、弁護団については法廷内での発言を責めるのは筋違い、法廷外での発言については懲戒請求に問える可能性があるかもしれないというもので、橋下弁護士については犯罪とは言えないと思いますが責められるのは当然というものでした。

>この区別をせよ、と言うのは実質的に無理な相談なのですよね。

実行行為について冤罪を争えず、そして被害者側に大きな落ち度がない、しかも被害者が被告よりも圧倒的に弱い立場という事件で、一般人に理解を呼びかけるのはどう考えても無謀です。
あくまで素人目から見ての話ですが、もし記者会見を行うのなら、弁護士としての使命や責務をメインにして、自らの行為の正当性を客観的に訴えた方が良かったんじゃないかなと思います。

>本村氏が「被告人死刑」で報道を味方につけていた対抗上それを減殺しようと考えた、という思考は理解できるのですが・・・。

理解は出来ますが、結局、本村氏の敵だと見られたのがバッシングの大きな原因でした。
本村氏については、司法関係者が被害者遺族を無視し続けて来たツケと、本村氏の
発信能力の高さが、弁護団にとって最悪の形で結実したのは間違いないと思います。

>念のためですが、責任が問われる余地があると言うことを具体的に認めた部分はありません。

読み違いをしていたようです。懲戒請求だけの話ではありませんが、行為にはそれに応じた責任が付きまとうことは決して忘れるべきではないと思います。
ただ法律を生業とする人と一般人との間には大きな力の差が存在していますので、懲戒請求についてもある程度その力量差を考慮しなければ有名無実な制度になるような気がします。 (2011年08月01日 23時21分57秒)

Re[3]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   風の精ルーラ さん
>もし記者会見を行うのなら、弁護士としての使命や責務をメインにして、自らの行為の正当性を客観的に訴えた方が良かったんじゃないかなと思います。

 被告人との内部関係で全てを知っている弁護団が一般論で自身の正当性を説明しようとするのは、逆に「個別具体的な事件についての説明では無理だから一般論に逃げている」と判断されるのがオチだろうと思います。個人的には、それくらいならまだ事件について説明した方がましだと感じます。
 すちゅわーです弁護士やモトケン弁護士などは弁護士とはいえ第三者なので、具体論に限界があるため、一般論で説明して全く問題なかったと思いますが。

>本村氏については、司法関係者が被害者遺族を無視し続けて来たツケと、本村氏の発信能力の高さが、弁護団にとって最悪の形で結実したのは間違いないと思います。

 本村氏サイドも、自身の影響力を慮って、差戻控訴審判決以前からメディアへの露出を少なくしていったそうです。2年前社会的発言を打ち切ったそうです(URL参照)が、それもこのあたりが原因であろうと推察しています。
http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10251646517.html

>懲戒請求についてもある程度その力量差を考慮しなければ有名無実な制度になるような気がします。

 これまで、一般人のよくわからない懲戒請求についても答弁書を出させるなどしてきたのは、その辺の考慮を働かせていたのだと思います。ぱっと見では意味不明あるいは理由なしでも、よく調べてみたら事由があった、という可能性がありましたから。
 ただ、不法行為訴訟で迎撃できず、かつ懲戒請求の件数が増えるとなれば、せっかくの配慮を見直さざるを得ない、ということにもつながるでしょう。 (2011年08月02日 12時39分55秒)

Re:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   やじうま さん
>一般論で自身の正当性を説明しようとするのは、逆に「個別具体的な事件についての説明では無理だから一般論に逃げている」と判断されるのがオチだろうと思います。

どちらにせよ批判されることは変わりないと思いますが、前者の方がまだマシではないでしょうか。
勝手な推測ですが、弁護団の説明を冷静に受け止められる人は、そもそもあんな説明をしなくても弁護団バッシングに参加しないでしょうし、弁護団を批判したい人は何を説明しても批判するでしょうから個別具体的な説明より一般論であしらった方が被害は少なかったんじゃないでしょうか。
特にあの事件は、人の感情に働きかける要素が強すぎましたから個別具体的な説明が人の感情を逆撫でした可能性は高かったと思います。
何より弁護士が法廷外で争わなければならない義務はなかったはずですし、基本的には世論が判決に影響することはないのですから、よほどの勝算があるか、判決よりも社会問題化を目的とするのでなければ、法廷外での活動は割に合わない事の方が多いんじゃないでしょうか。

>不法行為訴訟で迎撃できず、かつ懲戒請求の件数が増えるとなれば、せっかくの配慮を見直さざるを得ない、ということにもつながるでしょう。

弁護士と一般人の力関係を考慮することは「せっかくの配慮」ではなく、弁護士が独立した存在であろうとするなら絶対に必要な自浄作用の表れだと思います。
そりゃぁろくでもない依頼人もいるでしょうが、依頼人への対応はそういう人を基準にはされないでしょう。
あくまで「配慮」が基準で、出来の悪い人にはそれなりの対応というのが一般的な対応だと思います。
ですから集団になった懲戒請求等には例外規定を設けるなどの方法で対応して欲しいと思います。 (2011年08月02日 23時45分02秒)

Re[1]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   風の精ルーラ さん
やじうまさん
>どちらにせよ批判される(後略)

うーん、感性の相違ってことになりそうですかね。
結論を改めて提示すれば、私の感性は
何も言わない>事件の説明>一般的説明
です。

>(前略)法廷外での活動は割に合わない事の方が多いんじゃないでしょうか。

 同感です。法廷外でマスコミを味方につけようとするのはねずみ花火に火をつけるようなものです。思う方向に行ってくれれば威力は絶大かもしれませんが、あらぬ方向に、時には自分に返ってくる可能性もあると思います。

>(前略)弁護士が独立した存在であろうとするなら絶対に必要な自浄作用の表れだと思います。

 弁護士法的にみれば、懲戒請求書を読んだだけで懲戒理由なしとして退けたところで、違法ではありません。請求を受けて、手続についてどれくらいの調査を行うかは弁護士会の裁量があります。

 その上で、幅広く懲戒請求を受け入れる要請と、でたらめな懲戒請求から弁護士を保護する要請の双方があります。
 その調整の結果として、既存の制度でも弁護士懲戒制度について、決定するのは懲戒委員会なのに、その前に綱紀委員会による審査のワンクッションがある(もちろん、そのクッションでだって損害はあるわけですが)わけです。

>そりゃぁろくでもない依頼人もいるでしょうが、依頼人への対応はそういう人を基準にはされないでしょう。

 読んでみただけで「ろくでもない」と判断してポイ、ということをやるしかない可能性もある、ということです。
 本当はそれでは懲戒すべき弁護士を拾えないかもしれませんが、

「懲戒すべき弁護士の発見」vs「いい加減な懲戒請求からの弁護士の保護」
 
 という二つの要請の対立関係がある以上、後者のウェイトが大きくなってくれば手続きも緩いものになっていくでしょう。
¥ (2011年08月03日 13時27分59秒)

裁判官の忌避   風の精ルーラ さん
 裁判官の忌避(不公平な裁判をする恐れのある裁判官を裁判からどける制度)がありますが、この申立てについては、気に入らない裁判官に圧力をかけたり、裁判を引き延ばすために濫発するようなことがよくなされました。

 結果として、刑事訴訟規則に忌避の申立がされた場合は申し立てられた裁判官が自分で却下することを認めるという、お世辞にも厳密ではない手続が採用され、民事訴訟でも準用されています。
 結果、忌避された裁判官はこれまでほとんどいません(司法内部の配点で関係者を回さないようにしているのも一つの原因でしょうが・・・)。
 裁判の公正を保つ忌避は極めて重要であるのに、こういった手続きが存在するのです。

 せっかく用意された手続も、バカなことに使う人がいるために間口が狭まっていく、ということはあることなのです。 (2011年08月03日 13時37分24秒)

Re:裁判官の忌避(07/17)   風の精ルーラ さん
刑事訴訟規則×
刑事訴訟法● (2011年08月03日 13時38分28秒)

Re[1]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)    やじうま さん
>うーん、感性の相違ってことになりそうですかね。
結論を改めて提示すれば、私の感性は
何も言わない>事件の説明>一般的説明
です。

私の場合だと「何も言わない>一般的説明>事件の説明」ですね。
なんにせよ万人に等しく有効は方法は絶対にあり得ませんので、どんな方法でもある程度の批判は付きまとうのは間違いありません。
ただネットを見ていると燃料(攻撃すべきと判断される情報)があればあるほど、バッシングが過熱する傾向が見られますので、そういう見地から見ると情報は少なければ少ないほどマシなんじゃないかと思うだけです。

>せっかく用意された手続も、バカなことに使う人がいるために間口が狭まっていく、ということはあることなのです。

逆もしかりで、間口が狭まることにより不届きな弁護士が蔓延ることになれば、振り子を逆に振らさざるを得ない事になるのでしょう。
どちらにせよ懲戒請求制度は弁護士の自浄作用を制度化したものですから、その辺は弁護士さん同士で検討して頂き、誰にとっても良い制度にしていって貰うしかありません。
とりあえず正当な批判は、何物にも代え難い価値があると思いますので、ノイズを排除しながらそれを拾えるシステムになることをお祈りします。 (2011年08月04日 00時05分27秒)

Re[2]:最高裁判決に思うこと・・・個別懲戒請求者の責任の可能性(07/17)   風の精ルーラ さん
やじうまさん
>ただネットを見ていると燃料(攻撃すべきと判断される情報)があればあるほど、バッシングが過熱する傾向が見られますので、そういう見地から見ると情報は少なければ少ないほどマシなんじゃないかと思うだけです。

 情報を多く出せば読みにくい煙に巻こうとしている理論の暴力と言われ、情報量が少なければもっと中身を教えろ、理由を説明しろ、説明できないということは自分でも理解していないと言われる。
 どっちを取るかは、個人の考え方にもよるのでしょうね。
 後は、被告人との信頼関係の問題にもなりますが。

>逆もしかりで、間口が狭まることにより不届きな弁護士が蔓延ることになれば、振り子を逆に振らさざるを得ない事になるのでしょう。

 同感です。ただ、その「不届き」の基準をどこに求めるかが、今回の事件が大騒動になったことの一つのきっかけとも感じています。

>誰にとっても良い制度にしていって貰うしかありません。

誰にとってもよい制度、と言うものは個人的には存在しないように思います。

>とりあえず正当な批判は、何物にも代え難い価値があると思いますので、ノイズを排除しながらそれを拾えるシステムになることをお祈りします。

そうですね。正当な批判に使われるのであれば、懲戒請求制度が幅広く使われることは何も悪いことではないのですから。 (2011年08月05日 00時14分17秒)

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