ハナノキ
彼岸の入りに合わせてハナノキが咲いた。と言ってもその名は一部の地域だけだ。一般的なカエデ科のハナノキではなく、シキミのことを指す。 シキミはシキミ科で、地味な花だが独特の香りと毒成分があり、お墓に供えられる。昔、土葬だったころ、墓地の匂い消しと野犬が死体を掘り起こすのを防ぐために植えられたという。 果実に毒成分が多く、「悪しき実」が転じて「シキミ」になったらしい。植物で唯一、劇物に指定されているほどだ。ときどき椎(しい)の実と間違えて食べられ、食中毒事件がおこる。 よく見ればはっきりと区別がつくのだが。