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HiroHirori's Blog

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ノンリコースローン

ノンリコースローン(非遡及型融資)

 米国の住宅ローンの融資方法である。日本国内では収益不動産・企業間の融資に限定している融資方法である。

 実務

 銀行は市中金利より高い金利を設定し、担保評価を低くし融資する、おおむね価値の50%未満で融資していく。銀行は短期機関で貸し付けし利息・手数料・保証料で収益を上げる。ノンリコースで優秀な運用が出来るときに借り換えを実施して金利・手数料・保証料で利益を上げる事が可能である。

 米国サブプライム焦げ付き問題

 下記の説明の如く、債務者は責任が限定されるため住宅が売却できれば債権放棄が実施され自己破産をしにくい状況となる。債権者は融資回収が連鎖的に出来なくなるため債権放棄を実施して回収できなくなる。現在のサブプライムの元凶と呼ばれている。

 特徴
 
 通常の住宅ローンの場合、融資額に対する残高を全額返済しなければならない。

「債務者は自己の全資力をもって債務を弁済する義務を負うのが民事法における大原則である。この原則はたとえ債務に対して物的担保(抵当権等)、人的担保(保証等)があっても変わらない。抵当目的物を換価しても債務弁済に不足する場合は不足分は一般債権として存続するのが原則である。」(参照「Wikipedia」)
 
 ノンリコースは責任財産の範囲が限定的と言うことを条件として融資する方法である。
 「返済の原資(元手)とする財産(責任財産)の範囲に限定を加えた貸付方法である。借り手は債権全額の返済責任を負わない。責任財産からのキャッシュフローのみを返済原資とする事、その範囲を超えての返済義務を負わないことから、原則として保証人を必要としない。」(参照「Wikipedia」)

 例)テナントビルを2005年に3億5千万円で購入・融資は3億円とする

 現在の価格が1億5千万円 残高が2億8千万円とする。

 そして1億5千万円で売却し融資残高が1億3千万円となった。

 この場合、通常のローンであれば債務は全財産に及ぶので債務者は残りの1億3千万円を債権者に弁済しなければ抵当権の抹消等出来ずに売却も不可能である。その様な自体になったときどのような現象が発生するか?不動産価格が速い速度で下落し債権者は焦げ付きの懸念に陥る、債務者の弁済資力を失うだけでなく債権者も債務者が破産等した場合に回収が困難になってしまい不良債権化は明白であり、融資分の3億円全額を失う可能性すらある。

 ノンリコースは責任財産を限定する融資契約のため、上記のケースで言うと1億5千万円で売却できれば残高の1億3千万円は弁済しなくても良いと言う融資方法である。この方式だと債務者はテナントビルを手放せ債権者も1億3千万円は失うが確実に1億7千万円は回収できたことになる。

 日本の新興企業で銀行に相手されている会社は、ノンリコースを利用して融資を受けるケースが多い、サブプライムで問題になっているのはその部分である、債権者は貸したお金が戻らない事をあらかじめ約定してるから焦げ付きが発生したときに塗炭の苦しみを背負う形になる、しかし債権の範囲が限定的であり市場が復活すれば一度損ぎった資金を新規融資で回収することは可能である。

 日本のバブル崩壊が何故10年も経過したのか?融資方法に問題があったと個人的に見ます。バブル時代銀行は抵当権・根抵当権を付けて融資を実施したこの場合、一度不動産や財産が下落すると歯止めが掛からず、結局全ての財産が塩漬け状態になり気がついたときには融資金額の回収金額が1/10~1/100という考えられない位まで落ち込んだ経緯が存在したことも事実だった可能性が高い、しかしあの時点でノンリコースが存在すれば債権者はある一定時期に資金の返済契約を結び、損切りを実施した上で資金回収できたケースが有ったと思う。

 財務制限条項付契約、ノンリコースでは圧倒的に多い契約である、ノンリコースは債権者側にもリスクが高いため、企業業績・運用実績の条件を付けた形で返済条項を附した上で契約する、非常に難しい融資方法であるがノンリコースとリコース(従来の融資方法)の見分け方は重要である。


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