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6日,「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択された。が,おそらく私の感覚が鈍いのだろう。私には今さらどうしてこのような決議が必要なのかが分からないのである。
私は別にアイヌを先住民族と見なすことに反対したいわけではない。が,日本民族にほとんど同化吸収されてしまったアイヌを,いまさら分離する必要がどうしてあるというのだろうか。 決議は, 「先住民族が名誉と尊厳を保持し,文化と誇りを次世代に継承することは国際社会の潮流だ」(6月6日付産經新聞4面) と指摘している。が,<先住民族が名誉と尊厳を保持し,文化と誇りを次世代に継承すること>は,国際潮流に左右されることではないのではないか。 <先住民族が名誉と尊厳を保持し,文化と誇りを次世代に継承すること>自体は大切なことであると思う。が,国会で決議し,国家的後ろ盾でもってこのようなことを行おうとすることに私は違和感を覚える。 現在の日本が,アイヌの名誉と尊厳を傷付けるような振る舞いを行っているというのであれば,何らかの手立てが必要となるのかも知れない。が,実態はアイヌが日本の一つの独立した構成要素的存在から日本そのものへと溶け込んで行くことによって独自性を失いつつあるということなのではないだろうか。 もちろん,歴史的経緯を振り返るに,アイヌは江戸時代に松前藩の力に屈し従属させられてしまったということはあるのだろう。もしそのようなことがなければ,アイヌは今でも独自の文化を謳歌していたのかも知れない。が,それは同時に今のような日本の繁栄の恩恵に与れなかったということでもある。つまり,こちらを取ればあちらが立たずということである。おそらく今ある日本文化とアイヌ文化には相容れない部分も少なくないであろうから,アイヌ文化を復興しようとすれば,少なからず現代的豊かさを放棄することも必要となるに違いない。 もしアイヌの人たちが今の日本とは一線を画する形で自分たちのアイデンティティーを取り戻したいというのであればそれもまた一つの立場であろう。その場合,かつてのアイヌの地をアイヌの人たちに返すべきだとも言えるだろう。その際,日本はアイヌの自立を支援すべきでもあるだろう。 が,国会決議が 政府に対し,アイヌを独自の言語,宗教や文化を有する先住民族と認め,有識者の意見を聞きながらアイヌ政策を総合的に行うことを求めている(同) などという甘い話であるなら,果たしてアイヌの人たちはどこまで独自の文化を保つべく自立しよういう覚悟を持ち合わせているのか疑問になってくるだろう。 民族文化が保存されるためには,民族自体に生きる力,すなわち「生命力」がなければならない。が,今回のように政府に援助を要求すること自体,その力の弱さを物語っているのではないか。 本気でアイヌ文化を復興したいのであれば,政府の助けを借りないというくらいの気概がまず必要なのではないか。 この記事のトラックバックURL:
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