金融機関に借金の返済猶予を促す「中小企業など金融円滑化法案」(モラトリアム法案)は19日の衆院財務金融委員会で可決された。民主,社民,国民新の与党3党は法案を同日夜の衆院本会議に緊急上程し可決,参院に送付する。自民,公明両党が与党の国会運営に反発して採決を欠席する中,鳩山政権で初めて採決が強行された。(11月20日付産經新聞1面)
「モラトリアム法案」が相当に筋の悪い政策であることは多くの与党議員にも分かっていることだと思われるのであるが,政策の中身よりも連立政権運営を優先させたのは,
「憲政史上のよき歴史に汚点を残す」(大島理森自民党幹事長)(同)
と批判されても致し方ないだろう。
もちろん,小泉政権以降の自民党も衆院3分の2の数の力で強行採決を繰り返してきたわけであるから,「あなた方には言われたくない」とも言えるのであるが,自民も民主も憲政を汚し合っている感があるのはまことに残念である。
さて,今回立場が入れ替わっても相変わらず野党たる自民党が採決を拒否し退場したのは興醒めであった。
筋の悪い法案を強行採決する与党も問題であるが,これを不服として議場を後にする野党もまた問題である。結局,自民も民主も同じ穴の狢(むじな)だったということである。
自民党内には賛否両論が渦巻いており,
「集団欠席できたので助かった」(閣僚経験者)(同)
というのであるから,今回の強行採決は,むしろ与野党の阿吽(あうん)の呼吸によって成り立ったと言えば言い過ぎだろうか。