菅直人副総理(経済財政担当相)は20日,関係閣僚会議に11月の月例経済報告を提出した。消費者物価の下落が続いていることなどから,「緩やかなデフレ状況にある」と明記した。(11月21日付産經新聞1面)
そして<デフレはモノが売れず,値段が下がり,経済がどんどん縮小していく重い病>(同)と産經の記事は書く。が,長谷川慶太郎氏は言う。
日本においてはとかく,「デフレは不況」と…語られがちであるが…正しい認識とはいえない。
デフレは日本経済にとってまちがいなく追い風である。2003年10月~12月のGDP統計で実質成長率6.4%という高い数字を記録した事実によって,「デフレ=不況」という概念がいかに誤った現実とそぐわない表現であるかが一目瞭然となった。(『戦争と平和』(日本実業出版社)p. 186)
そして
端的にいって,「インフレ」は,世界の政治体制,経済制度全般に強い影響を及ぼす「戦争」があってこそ発生するのである。「デフレ現象」は,もはやこうした「戦争」の脅威が消滅し,世界が「平和」の方向に動いている時にのみ発生するといっていい(『日本はこう変わる』(徳間書店) p. 31)
というのが「デフレ」に対する長谷川氏の基本認識なのである。
人口の圧倒的多数を占める買い手は,デフレの進行とともに売り手に対して相対的に有利な立場を堅持することが可能になる。
ということは人口の圧倒的多数を占める買い手,すなわち給与生活者にとって,デフレは有利な生活条件を形成する時代になるといってまちがいない。そこで生じた生活のゆとりは,自らの生活を満足させるための新しい事物に対する関心を生む。デフレ時代はまた,人類の文化にとっても,最も有利な花開く次期であるということを意味している。(『戦争と平和』 pp. 193-194)
デフレをチャンスと見るのかピンチと見るのか意見が分かれるところではあろうが,同じことなら長谷川氏の言うように,デフレ下における物価安を活かすことにもっと目を向けるべきなのではないだろうか。