週間朝日連載27
がんばらないけどあきらめない
鎌田実
病気に負けない生き方のコツ
今回は「欽ちゃんのどこまでやるの!」で欽ちゃんの奥さん役を演じた真屋順子さんと夫高津住男さんとの夫婦協業での闘病生活の話
真屋さんの夢だった女優の元祖「出雲の阿国」を演じ、人生の最高の時に脳梗塞で舞台で倒れる。
58歳の時、まじめでがんばり屋だった。
その時からの夫婦二人の闘病生活。家のことを何もしなかった夫が、家事にも、妻の介護にも汗を流すようになった。
再び女優として車椅子で舞台に立った。
「不自由な体の私合わせて夫が脚本を書き直してくれた『出雲の阿国』の上演。動くのは右手だけ、声も以前のように張りがない。でも女優真野順子は車椅子のこの姿で、女優であり続けたいと思います」
「病気は私の意欲をちっとも奪うことはありませんでした」
凄いと思う。
しかし再び病魔が襲う。昨年四月。脳梗塞で倒れた。
「まいった」夫は思った。妻を見ると痛々しくて腫れ物に触る感じがした。
「夫にすまないと思った。夫の顔を見るのも嫌になった。何もかも嫌だった」妻も辛かった。
底つき体験が考え方を変えた。いつまでもがんばりすぎたことを後悔しても仕方がない。真野順子は不屈だった。
夫もがんばらない介護に変更した。長続きさせることが大事だと思った。介護にヘルパーを利用することを決めた。
「なるようになるさ」と考えるようにした。ユーモアを忘れないように努めた。どん底に落とされた気分になったがへこたれなかった。
夫と二人三脚でリハビリして、舞台に復帰した。11月17日、大分で『出雲の阿国』の公演がある。
介護問題にへこたれない。
夫婦で考えた。治ることにいつまでもこだわるのではなく、現実を受け入れて、生きるために新しい道を探そうとした。
「無理をしないで。自然に、意欲を持ってどう生きるかが今の私に大切なこと」
「いい芝居は、ふだんの生活をきちんとしていくことから始まる。当たり前のことを、当たり前にこなすことなんです」。
介護保険の要介護3。重い障害と向き合っている。
真野順子は急がずゆっくりと自分の道を歩いていくことに決めた。
これからも「出雲の阿国」に挑戦していく。
「病気は自分試しではないかと私は今、思っています。人生には、こうでなければいけないなんてルールはない。この方法がダメなら、こっちの方法を試してみようという柔軟ささえあれば、可能性は広がっていきます。私にどんなことが出来るかと試すことは、ワクワクする楽しみです」
突然介護が必要になったとき、心のピンチを脱出するヒントが真野順子の、ひとことひとことにこめられているようなきがした。
私もガンとの闘病生活を17年前に経験しました。
その時は妻は心のこもった介護に感謝したんでしょうね。
私は今ではすっかり忘れています。(^◇^;)
この文章を読んでそのころのことを少しだけ思い出しました。
妻が倒れたら本当の介護が出来るかな?
正直いってその時にならなければわかりません。
夫婦協業で後半の人生を充実して生きるには?
いろいろ考えさせられる「がんばらないけどあきらめない」でした。
今日は活き活き健康講座の日どんな話が聞けるか活き活きワクワクです